ハレクラニで人々を魅了する憧れのダンサー
長年にわたり、世界中の人々を感動させ続けているフラダンサー、カノエ・ミラーさんにインタビュー!
公開日:2011.06.04
更新日:2017.06.14
格式と伝統あるワイキキの高級ホテル、ハレクラニにあるレストラン「ハウス・ウィズアウト・ア・キー」で毎晩行われる、フラとハワイアン・ミュージックのパフォーマンス。そこで長年にわたり、世界中の人々を感動させ続けているカノエ・ミラーさんにインタビュー、彼女が考えるフラの世界についてお聞きしました。
Kanoe Miller
カノエ・ミラー
オアフ島出身。13歳の時、クムフラ、マイキ・アイウ・レイクのもとでフラを始める。15歳でミス・ティーン・ハワイに選ばれると、モデルとしても活躍し、19歳でミス・ハワイとなる。トップモデルとしての活躍はもちろん、フラダンサーとしても多くのショーに出演。1977 年からは週に6日、ハレクラニのHouse Without A Keyでフラショーを始め、現在も変わらぬ美しいフラにファンが多い。
カノエ・ミラーさんといえば、ハレクラニで踊るフラダンサーとして知られています。もう何年くらい踊っていらっしゃるんですか?
カノエ:
1977年に踊り始めたので、今年で34年目になりますね。自分でもどうしてこんなに長く踊ってこられたのかわからないくらい(笑)。踊り始めたときは、まさかこんなに長く続けるとは思っていませんでしたから。
編集部:
そもそも、ハレクラニで踊り始めたきっかけは何だったのですか?
カノエ:
当時、私はフライトアテンダントとして、ハワイアンエアラインに勤務していたんです。たまたま休みのときに、当時ハレクラニで踊っていたダンサーが病気で来られなくなってしまい、そのピンチヒッターを頼まれたのが最初。その時は1晩だけのことでしたが、1週間後にホテルのマネージメントから電話があって、お客様からの評判がとてもよかったので、今後もたまに踊ってほしいと言われたんです。とりあえず、週に一度くらい踊れないかと。それがきっかけですね。
編集部:
へえ、最初は「ピンチヒッター」だったんですね。ちょっと驚きです!
カノエ:
そうなんです。それが、またホテル側からのリクエストで、今度は週に2回踊れないかと。そして、今度は週に3回はどうかと言われ、気がついたら、週に5日踊っていました。昼間のフライトを終えて、夜ハレクラニで踊るという生活です。そして最終的には週に6日踊ることになっていました。
編集部:
それでハワイアンエアラインを辞めざるをえなくなった?
カノエ:
はい。フライトアテンダントの仕事は楽しく、お客様にお飲み物などをサービスするのは大好きだったのですが、実は乗り物酔いがひどくて、身体がきつかったんです。ですので、仕事を辞めることに抵抗はなかったですね。
編集部:
ワイキキで踊ることは子どもの頃からの夢だったとも聞きましたが…。
カノエ:
そうです。ワイキキの中心でフラを踊るのが私の夢でした。当時は、具体的にハレクラニでとは思っていませんでしたが、とにかくワイキキの中心、大勢の人が集まる場所で踊る。その大きな輪の一部に自分がなるということを思い描いていましたね。それが叶ったわけですから、私は夢を実現し、夢に生きているといえるでしょう
このステージは、観ているお客様との距離がとても近いですよね。
カノエ:
大きなステージでは、照明の効果もあって、観客席はあまりよく見えないのですが、ここですと、お客様ひとりひとりのお顔がはっきりと見えます。ステージに上るには、お客様の間を歩いていくわけですから、私はステージに上る前から、自分のスイッチをオンにするようにしています。パフォーマーは観客を魅了しなくてはなりません。踊りを通じて自分の外面だけでなく内面も表現し、自分を知ってもらい、私を大好きになってもらう。極端な話、私に恋してもらうくらい、お客様を惹きつけなくてはならないのです。
編集部:
最高級のホテル、海の目の前、美しいサセット…。これ以上ないほどロマンティックなセッティングですよね。
カノエ:
ええ。ですから、フラを踊っている目の前で、お客様が恋人にプロポーズ! というようなことも、何度か体験しましたよ。お客様によっては、前もって、ステージに上がってもいいか? とたずねてくる男性もいらっしゃいました。ステージの上から恋人呼び、膝まづいてプロポーズするんです!すごい演出でしょう? あとは、「18:30頃になったら、この曲を演奏してほしい。その曲をバックに恋人にプロポーズしたいから」というリクエストを受けたこともありましたね。
編集部:
すてきですね。そんなプロポーズを受けたら、きっと絶対断れませんね(笑)!
そうね。一方、愛する人が亡くなって、たとえば海に散骨したあとにご家族が大勢でこちらにいらっしゃることもあります。故人がハレクラニを大好きだったからということで、愛する人の門出を祝っていらっしゃるんですね。この土地には人を明るくするエネルギーや、癒しの効果もあるようです。ですから、プロポーズといったおめでたいことや、故人を偲ぶ会が開かれたりするんでしょうね。
編集部:
カノエさんが踊っていらっしゃるのは、特別な場所なんですね。そして最近は、日本のダンサーにフラを教えていらっしゃるとお聞きしました。
カノエ:
はい。日本の企業と旅行会社との企画で、カピオラニ・コミュニティ・カレッジのキャンパスを使ってのワークショップがあり、そこでフラを教えています。年に4回、4日間のクラスです。日本の方たちに教えるのは本当に楽しく、いつも大変満足しています。たった4日間ですが、私の何かを生徒さんたちに差し上げ、彼女たちも私に何かを与えてくれます。とても深くつながったと感じることができ、4日間が終わると彼女たちと別れなくてはならないと思ってとても悲しくなるくらい。
編集部:
そんなカノエさんが、フラを教える際に大切にしていることは何でしょう。
カノエ:
4日間で踊りを完全に覚えることは難しいですが、帰国して、ステップを忘れたとしても、その踊りのスピリット、それに対する感謝の気持ちは覚えていてほしいと思いますね。それと、フラとは何かということ。フラとは、自然に宿るシンプルでささやかなこと、あるいは自分の中に湧きあがる、シンプルでささやかな思いを表現することです。ですから生徒さんたちには「自分の内側とつながることが大切だ」と教えています。そしてみずからの経験を表現すること。私にとってフラとは、ハワイに暮らしながら感じた自分の気持ちを表現することなんです。生徒さんにも自分だけの経験、自分の感情を表現してもらいたいですね。
編集部:
やはり、奥深いですね…。それでは最後に、アロハストリート読者のみなさんに、ハワイでのおすすめの過ごし方をアドバイスいただけますか?
カノエ:
短い滞在の方も多いと思いますが、特別なことをするのではなく、ゆったりと過ごしてください。美しい自然を楽しんで。ビーチで遊ぶのもよし、ノースショアまでドライブを楽しむのもよし。あとは、ぜひハワイアンフードに挑戦してください。世界で一番おいしい料理ではないかもしれませんが(笑)、ハワイアンフードには特別なものがあるように感じるんです。自然とつながっているというか。たとえば、オピヒという貝を食べると、まるで自分が海のそばにいるように感じることができたり、カルアピッグを食べると、土の味がするような感じがしたりね。ハワイアンフードというのは、ハワイの人たちのエッセンスのようなもの。ハワイの自然をより身近に感じられる食べ物だと思います。ぜひ試してみてくださいね。
インタビューを終えて
フラやハワイを愛していることが、全身からオーラのように伝わってくるすてきなカノエさん。笑顔がとってもまぶしくて、まるで太陽のような女性でした。ハワイの自然をリスペクトし、謙虚な気持ちを忘れないこと…。彼女の想いが、そのままフラに表され、世界中の人々を魅了しているのだと感じました。これからも、ハレクラニの華として私たちを楽しませ続けてください!
カノエさんからは、日本のみなさんへの応援メッセージもいただきました。
こちらをご覧ください。
■ワイキキのサンセットタイムを彩る華麗なフラに酔いしれて
ハレクラニ「ハウス・ウィズアウト・ア・キー」でのフラとハワイアン・ミュージックは毎日17:30~20:30に行われます。カノエさんは月~土曜の夕方、ワイキキビーチをバックに、樹齢100年以上といわれているキアヴェの木の前ですてきなステージを見せてくれます。カクテルやディナーを楽しみながら、癒しのひと時をぜひ!
笑顔で優雅に舞うカノエさんの姿に、世界各国から集まった人々もため息。日本から、このフラを楽しみにハワイへ来る…というファンも多い。
★★★カノエ・ミラーさん日本公演のお知らせ★★★
カノエさんのフラが、日本で見られるチャンスです。7月24日(日)に、東京の帝国ホテルで「カノエ・ミラーが贈る フラの世界2011」として、カノエさんが公演します。詳細はこちらをご覧ください。
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