Kalimakuhilani Akemi Kalamanamana Suganuma
カリマクヒラニ・アケミ・カラマナマナ・スガヌマ
オアフ島出身。今年のメリーモナーク大会で「ミス・アロハ・フラ」に輝く。幼い頃よりフラに親しみ、7歳でアロハ・ダリレイ率いる「ケオララウラニ・ハーラウ・オーラパ・オ・ラカ」に所属。ハワイの歴史学、言語学者として著名なメアリー・カヴェナ・プクイは曾祖母にあたる。ハワイ大学マノア校でハワイ学を専攻する大学生。
ミス・アロハフラ2008に選ばれたフラの次世代を担う若き舞姫
アロハストリート(以下アロハ):
ミス・アロハフラ受賞おめでとうございます。まずは受賞された時のお気持ちと、その後の生活の変化についてお聞かせいただけますか?
Kalimakuhilani:
ミス・アロハフラになるのは幼いころからの夢だったので、受賞できてとてもうれしいです。受賞後、生活に大きな変化はとくにありません。常に心を落ち着けて、自分自身でいることを大切にしていますから。ただ、知らない人に「ミス・アロハフラですよね」と言われると、まだびっくりしますけど(笑)。自分は変わりませんが、周囲の私を見る目が変わったということでしょうか。
アロハ:
ミス・アロハフラに出場することはいつごろ決まったのでしょう。
Kalimakuhilani:
アンティ・アロハ(クムフラのアロハ・ダリレイ)の元で踊り始めてすぐに、アンティはいずれ私をメリーモナークに出そうと思ったようです。ですから、私もいつかは出場するつもりで準備してきました。昨年アンティに「準備はできた?」と聞かれて、「はい」と答えました。
アロハ:
準備は大変でしたか?
Kalimakuhilani:
出場を決めてからは、まず大会で踊る曲を探し始めました。フラは私にとって家族とのつながりを感じさせるものなので、曾祖母であるメアリー・カヴェナ・プクイ作の歌を選びました。振り付けもアンティと一緒にしたんですよ。
アロハ:
自分で踊りの振り付けもしたのですか?
Kalimakuhilani:
そうです。やはり曾祖母が作った曲なので、自分で振り付けをしたいと思ったんです。フラは先祖が私たちに遺してくれた大切な宝物。踊るときはいつでも彼らのことを思います。ミス・アロハフラの競技のときも、みんなが見守ってくれているのを感じました。実は、大会で使ったイプは、祖母ペレ(メアリー・カヴェナ・プクイの娘)のものだったんです。こわれていたのを父が直してくれました。
アロハ:
おばあ様のイプを使って、曾祖母の曲を踊る…。ステージに立たったときには、間違いなく、おふたりが見守ってくださっていたことでしょうね。
Kalimakuhilani:
はい、そう思います。それに、あのときのオリ(踊る前に唱えられる詠唱)は私の家族に伝わるもので、代々受け継がれてきたものなのです。その詠唱を使うことで、オリに命を吹き込み、彼らへの感謝の気持ちを表現したかったのです。ご先祖様から伝えられたすばらしい宝物を、みなさんとぜひ分かち合いたい、いつもそう思って踊っています。今回もそのことを実感したら、大会前に緊張して、食べ物が喉を通らなかった時期もありましたが、その後はリラックスして踊ることができるようになりました。ステージでは力を出しきり、自分の踊りを踊ることができて大満足です。
アロハ:
家族とのつながり以外に、フラを踊ることで、何を学んでいますか?
Kalimakuhilani:
アンティがいつも言っているのですが、フラは、その人の一番奥にある感情を表現することができると。私はだからフラが大好きなのです。レッスンでは手の動きやステップを学びますが、本当に大切なのは、それら身体の動きを通して踊り手の感情をいかに表現するかということ。フラを通じては、ハワイの文化や言葉も学ぶこともできます。
アロハ:
メリーモナークが終わってしばらくたちますが、現在の生活はいかがですか?
Kalimakuhilani:
教室では子どもたちのクラスを教える手伝いを、フラ以外では、ハワイ大学の学生をしながら、公立校に通うハワイアンの生徒たちが大学に入る手伝いもしています。今後はフラの関係で日本を訪れることも多くなると思いますし、忙しくなりそうです。
アロハ:
将来の目標を教えていただけますか。
Kalimakuhilani:
やはりクムフラになること。フラは私の人生の一部なので、フラのない人生なんて考えられません。代々、家族に受け継がれてきた伝統でもありますし、私も次の世代に伝えていきたいと思っています。
インタビューを終えて
20歳とは思えない落ち着きと、しっかりした考え方。そして踊りの技術、家族や祖先を大切に思う成熟した精神など、すべての要素がひとつにまとまって、今年のミス・アロハフラ受賞につながったのだと納得しました。まさに、ミスになるべくしてなった女性ですが、家族とのつながりに触れる部分で見せた涙が印象的でした。
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