サムとマカのホロホロおでかけ隊
クッウラのお話編 Part.1
- サム・モナハン
- バハマ生まれの陽気な南国男。高校留学で横浜に住んでいた経験あり。今も世界中を旅し続ける自由人。ハワイの自然とアートとビールが大好き。ひとり息子のマカと一緒に遊ぶのが一番のお仕事。
ヘイアウはハワイ語で「寺院」で、未だにハワイのあちこちに残っています。だいたい大きな石の固まりですが、オアフ島には百カ所以上あり、いろいろな種類があるのです。戦争の神様「ク」のヘイアウや、植物が健康に育つ「カネ」、平和の神「ロノ」のお寺もあります。今回は、海の神様のひとり「クッウラ」と彼の奥さんの「ヒナ」のところへ行きましょう。
まずは昔話。「クッウラ」は海にいる生物や食べ物の神様で、大きな太平洋の神様の「カナロア」の仲間です。「クッウラ」と「ヒナップックッイア(短くしてヒナ)」は優しい神様で、人間を助けたり、昔話では元々人間でした。
「クッウラ」は生きている時に人間の姿をしていましたが、海の魚を動かせる「マナクプア(聖なる力)」を持っていました。クッウラには弟がひとりいて、ふたりは同じ仕事をやらないように山と海の仕事を分けました。弟のクッウラウカが山の天辺から海までの仕事をして、クッウラは満潮に波があたる岩から太平洋の測れない深い所までの仕事をする事に決めました。彼らが住んでいたのはマウイ島のハナ村のレホッウラでした。クッウラの奥さんであるヒナの妹が、クッウラウカと結婚していました。
クッウラは、レホッウラに住んでいる間は魚釣りや魚を育てるための池作りに時間をかけていました。この池にいろいろな種類の魚を釣って入れて、好きな時に獲れるるように育てていました。近くに魚に感謝をするための石で出来たお寺を作り、自分の名前「クッウラ」と名前を付けました。
クッウラはすべてを動かす神様を信じて、このお寺で最初釣った魚を神様に寄付しました。この寄付をしていたおかげで、魚は彼の声を聞いて言われた通りに動いていました。
近くに住むアリッイ(王様)が、クッウラのマナクプア(力)のことを聞き、仲良くなってクッウラを1番えらい魚釣りに据えました。アリッイがお腹が空いた時にいつでもいろいろな種類の魚を食べることができ、マウイ島の中でクッウラはすごく偉い人間になりました。そしてこの時息子のアイッアイが産まれました。
※このコラムは、アロハストリート2009年秋号に掲載された「サムとマカのホロホロおでかけ隊/第3回クッウラのお話」の全編レポート(ほぼ原文まま)です。ウエブサイトでは、3回にわけて全文を掲載します。
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- サムとマカ、神話をたずねてヘイアウへ行く >>
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