マウナケアの神々しさに魅せられて

マウナケアの神々しさに魅せられて

公開日:2010.03.26

更新日:2017.06.25

ハワイ発プレミア情報誌アロハストリート

 ハワイ島ヒロ在住のフリーカメラマン/ライターが、ノスタルジックなヒロの町の様子を在住者ならではの視点で紹介していきます。

 

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石川 裕子


新聞社の報道カメラマンを退職後、ハワイ島に移り、ハワイ州マッサージ・ライセンスを取得。マッサージ修行を続行しつつも、ハワイ島の魅力を日本に伝えるべくカメラマン/ライターとして奮闘中。ハワイ島居住歴2年目の「ハワイ島初心者」。

ブログ:http://ameblo.jp/yukoisathilohawaii/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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ヒロの住民にとって、無視できない存在。その存在は大きく美しく、しらんぷりして素通りなんて、絶対に無理。

 

 ヒロ湾を見下ろしながら緩やかに稜線を描く、一見すると大きな「丘」にしか見えない「山」がそれ。

 

 その山の名前は「マウナケア」。

 

 「マウナケア」とはハワイ語で「白い山」という意味。

 

 キラウエア火山(通称ボルケーノ)には火の女神ペレが住んでいますが、この山には雪の女神ポリアフが住んでいます。
 
12月に入って「薄化粧」をしたポリアフは、春先までその白いマントを被った美しい姿を見せてくれます。

 

 富士山よりも高い標高4205メートルのこの山の頂上付近には、世界中の天体観測施設が建設されています。もちろん日本の施設(国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡)も。

 

 私がこの島に来て以来、いつも遠くから見るだけだったこの山。

 

 先日、やっと登ることができました。

 

「登る」と言っても徒歩で登山するわけではなく、頂上まで車で行けちゃうのがなんともハワイらしいところ。

 

 とは言え、その勾配はきつく、酸素も薄くなる標高4205メートルですから、4WDの車でなければ辿り着くことはできないのですが…。

 

 標高4205メートルの景色はもう、登った人にしかわからない。

 

 
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 ハワイ島を見渡し、遠くに火山口を見つけ、その向こうに広がる海や、目の前の雲海。

 文字通り「雲の上」にいる、なんとも不思議な気分。

 

 やがてサンセットの時刻を迎え、島の西側に落ちてゆく太陽を眺め、ほどなく空の色が刻々と変わり始め…。

 

 星が瞬きだし、幻想的な世界が広がります。「ずっとここにいたい」と思ったけれど、それは叶わぬこと。

 

 人間が生きて行くことはできない環境は、やはり、神様だけのものなのでしょう。

 

 炎天下の「下界」から見上げる雪山は、なんだかとても不思議な物体。「神々しい」という形容詞がぴったりだと、私はいつも思うのです。

 

※アロハストリート2010年春号に掲載した記事です。
※掲載した写真の著作権は、アロハストリートならび石川裕子氏に帰属いたしますので、無断での転載・転用を禁じます。

 

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