自分だけのパラダイス
ノースショアに1エーカーという広大な敷地で、自分だけのパラダイスを持つおじさんとは?
公開日:2010.08.06
更新日:2017.06.25
by 岩藤 夕子 (アロハストリート夏号掲載コラム)
アルバイト先にいつも不思議な植物を持ってきてくれるお客さんがいる。そのおじさんの仕事はサーフボードのグラッサー。削られてきたボードに樹脂コーティングをする人。自分の時間で仕事ができるので、いつもフラフラとお店へ現れては、不思議な植物を置いて帰っていくのだ。
一度はブラックバンブーといって、黒い竹を持ってきてくれた。あるときはカシューナッツとナッツができる時につけるフルーツがセットになったものを持ってきた。そのフルーツが梨とリンゴのミックスみたいで、とってもおいしかった。そして、バナナリリコイといって、変わった形の非常にあま~いリリコイ(パッションフルーツ)を持ってきたこともあった。あまりにいろいろと面白いものを持ってくるので、ちょっと家を訪ねてみたくなった私。
カシューナッツの木。毎年この木の下にたくさんの友が集まります。
そしておじさんの家に行ってみてビックリ! そこは様々な植物が生い茂るプチ・アマゾン。もともとブラジル出身の彼。故郷を思ってアマゾンのようにしてしまったのだろうか…。
そのプチ・アマゾンには、マンゴーの木やアボカドの木はもちろん、なんと今話題のミラクルフルーツ・アサイの木まで! アサイの木を買ってから7年目。今年初めて実を付けたそうだ。
ブラジルの大学では植物学を専攻し、フォレストエンジニアの仕事をしていた彼。過剰伐採なので森が死んでしまわないよう力を尽くし、その道で生きて行くつもりだったのが、その後ハワイへ移住することになり、そしてなぜか、サーフボードのグラッサーに。
4列4列につぼみが出来、花が咲く。こんな見たことのない植物がたくさん。
今は大好きな植物は趣味として、1エーカー(約1224 坪!)という広大な敷地の中で自分だけのパラダイスを作っている。
家を訪れてみて、こんなにもたくさんの植物があるならお裾分けもしたくなるよねっと納得。
おじさんは、敷地内を案内しながらつぼみを見つけては歓喜し、花が咲いているのをみては大声で喜ぶ。そのいかつい容貌からは(失礼!)とても予想できない言動に驚きっぱなしだったが、自分の植物を大事にしている姿はとっても印象的。またおじさんの家には大きなカシューナッツの木があって、ナッツの収穫時期になるとお友だちが皆集まって、「ナッツ宴会」なるものが開催されるのだそう。
彼の住んでいるププケアという地区は、ワイメア湾近くのフードランドの後ろにある山の中にある。各家の敷地は最低1エーカーで、その広い敷地の中に一軒だけ家を持つことができる。その決まりのおかげでププケアは雨の恵みも手伝って、一年中濃い緑に囲まれた南国の雰囲気溢れだすエリアになっている。
アサイの木とアサイの実。アサイの木がヤシの木のようでビックリ。
ノースショア以外の人にはあまり知られていないププケアだが、ちょっとしたドライブに最適。町中では見かけることのないハワイの植物を見ることができるし、森林浴を楽しむこともできる。山道を登って行く途中に見渡せるノースショアの海も見ものだ。
ただ途中、「あり得ないっ!」と思わず口に出してしまうほどの急なカーブが1カ所あるので、運転にはくれぐれもご注意を。そしてここには街灯がない所も多いので、夜行くのはおススメできない。太陽の光をたくさん浴びながら、気持よいドライブを~~~!
岩藤夕子
ノースショアのことならここ!www.ad-northshore.comのハワイ代表。ゆる~りと時間が流れるストレス・フリーのノースショア ローカルライフの様子をブログにて公開中。Made in Hawaii にこだわったオンラインショップも密かに人気。チワワの愛犬チーキーとビーチで過ごす時間が何より幸せ。
【ノースショア関連コラム】
※この記事はアロハストリート2010夏号に掲載された記事です。
- この記事をあとでまた
みたい場合は、
マイページにクリップ!