古代ハワイの文化やアートを実際に触れたり学ぶことができる、という新しいプログラムがあると聞いて興味津々だった私。先日、日本(名古屋)からいらっしゃったフラ・グループのみなさんがそのプログラムに参加されるということで、私も一緒に体験してきました!
このプログラムは「本当のハワイアンの文化を伝える」ことをモットーに活動するNPO財団「Kumuola(クムオラ)」が主催するもの。場所は、大自然の緑があふれるマノアの山間部です。まずは、その山へ入っていく前のお祈り(チャント)からスタート。ハワイの聖なる場所へおじゃまします、という思いを込めて参加者全員が輪になり、自分のフルネームを言ってその土地にごあいさつします。みんなで手をつなぎ、気持ちを込めてお祈りします。
その後、朝まで降っていた雨を受けて緑がさらに濃くなった山中を15分程度のぼると、クムオラの施設が見えてきます。古代ハワイアンの伝統を守る保護団体が運営している敷地の中で、クムオラが「ハワイアン文化を学び継承していくために」使用許可された大切な場所。その広さは約7000坪にもなるそうです。再度、歓迎のチャントを受けてその門をくぐると、まさに古代ハワイの人々の暮らしが再現されたような空間が広がります。
ここでは川の水を使ったタロ畑を無数に復元。ハワイ人の主食であったタロを自給自足で育てています。ほかにもガーディニア(くちなし)の畑やワラビ、コーヒーの木などハワイの固有種の植物だけを残しつつ、ハワイの薬草について学べるようになっています。「緑の学校」とも呼ばれ、植物との接し方や先人の知恵なども自然に学べる場所なのです。
今回のプログラムでは、みんなで「竹笛」を手作り。竹の節に穴を開けるための道具も、敷地内の川で見つけた「先のとがった石」を使うなど、古代の人々と同じ方法で自分だけの笛を作ります。長さや太さによって音も違い、それぞれが音を比べあったりして、にぎやかで楽しいワークショップとなりました。
さらに、敷地内も案内してくれ、栽培されているいろいろな植物を実際に見て回ることもできます。タロイモは、ハワイでは「家族の象徴」とも言われる大切な植物。そんなタロにまつわるハワイの神話や「アフプアア」と呼ばれる古代ハワイアンの生活様式など、興味深いお話をいろいろ聞かせてくれました。日本語の通訳もあってとてもわかりやすく、勉強になるお話がいっぱいでした。
その後は、地元フラ・ハラウに所属し、ハワイ大学でハワイ文化などを学んでいるムツミさんによる「ハワイ神話」の説明がスタートです。今回は、マノアの地に伝わる神話について解説。マノアの風や雨、虹などと関連の深い神話の世界はたいへん奥深く、フラを学んでいる参加者のみなさんはとても真剣に話に聞き入っていらっしゃいました。美しい大自然の真ん中でハワイの神々について思いを馳せていると、とても不思議な気持ちになります…。
そうこうしているうちに、温かいお茶が運ばれてきました。このお茶は、敷地内の畑で採れた「天然ウコン」と「レモングラス」を摘んできて作ってくれたもの。
ウコン(ターメリック)は身体にパワーを与えてくれるすばらしい力を持った植物。レモングラスのさわやかな香りとともに、飲んだ瞬間にしゃきっとするようなお茶でした。喉や鼻もすーっと通してくれて、スッキリ! 自然の力って、本当にすごいです。クムオラでは、こうやって様々なかたちで大自然のパワーを学ばせてくれるのです。
さて、ワークショップが終わると、この施設の運営に携わるニコラスさん&クキさんご夫婦による「カニ・カ・ピラ(即興の演奏&ダンス)」が始まりました! プロのミュージシャンとしても活躍するニコラスさんの演奏&歌にあわせて、クムのクキさんがフラを披露。となれば、もちろんフラを習っている参加者のみなさんも、一緒になって踊るのがハワイ!
実は、今回参加されたみなさんは、名古屋のラジオ番組「Hawaiian 8 Cafe」が主催する「オアフ島唄巡りの旅」というツアーでいらっしゃっていたため、プロのミュージシャンも一緒に参加していたんですね。というわけで、すばらしいコラボ演奏が何曲も続いたのでした。
ハワイの大自然の中、すてきな演奏に合わせて踊るフラは最高!みなさんの笑顔が弾ける、とてもすてきな瞬間でした。
ガイド&通訳であり、このプログラムの主催者のひとりでもあるトモコさん(上の写真左)は「こうして日本の人たちがハワイの歴史や文化を学んでくれることは、とても喜ばしいこと。自然や先祖に感謝しつつ、自分たちが後世に大切なことを伝え残していくためにも、この場を多くの方に訪れてもらいたいですね」と語っていました。トモコさん自身、ハワイ語やフラに精通した「ハワイアート&カルチャーコーディネーター」として様々な場で活躍していらっしゃるすてきな女性。これからも、ぜひこのハワイのすばらしい自然を、伝えていってほしい…と願いながら、すてきな時間に感謝してクムオラの地を後にした私でした。
プログラムには様々なコースがあり、タロ畑でタロイモを堀り、その場で「パイアイ(ゆでたタロイモを水を足しながら叩いてつぶす古代ハワイアンの主食)」を作ることもできるそうですよ。もちろんキッズの参加も大歓迎! みなさんも、マノアの山の中で特別な空気をいっぱいに吸いながら、古代ハワイアンの文化を体感してみませんか?
KUMUOLA FOUNDATION & PILI I Project
[エリア] マノア
[アクセス] 現地まで各ホテルへ送迎あり
[料金] お問い合わせください。
[問い合わせ・予約]
担当/青木智子 ※日本語でお気軽にご連絡ください。
電話/808-258-8924
E-mail/atomkoaloha@aol.com または atomokoaloha@gmail.com
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