アロハ! メグミです。
ヨリエとともにお届けしているラナイ島レポートシリーズも、いよいよ終盤。神々の庭園で異世界の感動と自然からのパワーをたっぷり充電した私たちは、ふたたびアンクル・バンダの運転する4WDに乗り込み、次なる目的地「シップレック・ビーチ」を目指します。
前回のレポートはこちら>>
神々の庭園から、島の中心にあるラナイ・シティの近くまでいったん戻り、そこからケオムク・ハイウェイという舗装道を30分ほどドライブし、海岸を目指します。道路からは、海の向こうにマウイ島も見えてきて、ラナイ島らしい絶景ドライブが楽しめます。
途中、見せたいものがあるからと、車をとめるアンクル。路肩の赤土の上、背の低いグリーンに紛れて、オレンジ色のワイヤーのようなものが地面を這っているのが見えます。「これはカウナオアといって、ラナイ島の花なんだよ」と、アンクル。これが花なの!?と驚いてしまいましたが、ワイヤーのようなこのカウナオアはエアープラントで、この時には咲いていませんでしたが白い花をつけるそうです。ハワイ諸島の中でも、ラナイ島の中央部分と、マウイ島の一部でしか見ることができないのだとか。ハワイでは、各島ごとに島の花(アイランドフラワー)が指定されているのですが、ラナイ島のアイランドフラワーは、このカウナオアなんですね。ちなみにオアフ島はイリマという黄色いお花です。
さらに先へ進むと、地面にまるでザックリとした深い傷跡のような裂け目が見えてきました。マウナレイ・ガルチという渓谷で、鋭くえぐられた渓谷の中には水が流れており、乾いた周辺の土地に住む人々の貴重な水源になっていたのだとか。
道中、アンクル・バンダがラナイ島の植物や自然、歴史や人の暮らしぶりについて語ってくれたのは、私の知らないことばかりで、驚いたり感心したりの連続。30分のドライブは、あっという間に過ぎていきました。
気付けば、赤土だった地面が白くやわらかな砂地に変わっていました。青々と茂る低木の切れ目から見えるのは、海、海です! はしゃぐ私たちに、「もう少し先に車を停めるところがあるから、ちょっと待ってね」とアンクル。こんな素敵な海を見てしまったら、もう待ちきれませんよ!
ついたーーー!! シップレック・ビーチ!!!
セイリング&シュノーケルのツアーで島の南側の海に行った時にも感じたことですが、ラナイ島の海はとっても静かで、ただ美しいだけではない、何かこう...ちょっと切なくなるような、寂しさを含んだロマンチックさがたまりません。ここでも、ホノルルの「ハワイカメラ」でレンタルしたスーパー広角レンズのニコンD600が大活躍。
今回カメラをレンタルした時の様子はこちら>>
このビーチの名前になっているシップレック(SHIPWRECK)とは難破船という意味で、ビーチからほど近い海の上に、1940年代に座礁したまま放置された石油タンカーがあり、このビーチの名物となっています。でも...ここからはタンカーが見えないけど、どこ? どこにある??
タンカーは見えないけど、この海!!!
写真にもうっすら写っていますが、海の向こうにマウイ島とモロカイ島が見えるんです。写真右がマウイ島、左にモロカイ島の端っこが少しだけ写っています。タイミングにもよるのでしょうが、私たちが訪れた時には、ぐるりと見渡しても私たち以外には誰もおらず、野鳥やほかの動物も見えなくて、とーっても静かでした。太陽を反射してキラキラ輝く波だとか、低くたなびく雲やうっすら見える島だとかが、この静けさと相まって、なんだか現実離れした美しさ...。オアフ島のラニカイビーチやカネオヘのサンドバーの、あの底抜けに明るい「天国ビーチ」とは違った、なんというか...同じ天国でも「彼岸」という言葉が浮かんでくる、そんな諦観を感じるのは私だけでしょうか。
そんなことをぼんやりと感じながらビーチを左へ歩いていると、見えてきました、難破船! 脳内BGMはもちろん中森明菜ですよ(笑。わからないヤングは調べてみてね!)。
この、浅く岩の多いカイオロヒア湾では、昔はよく船が座礁したそうで、この石油タンカーも1940年代に座礁し、そのままサンゴ礁の上に置き去りになっています。潮風で焦げたような褐色に錆びつき、荘厳で物悲しくてロマンチック。さらにビーチを左へ歩けば、もっと近くから見ることができると思いますが、私たちは時間の都合もあり、ここでストップ。この距離から見る難破船は、ぼんやりと霞んで、まるで波間を漂う幽霊船のよう。彼岸から、此岸にいる私たちを静かに眺めているようにも感じます。
このあたりは風が強く、海から吹き付ける風によって樹木もこんな不思議な形に。
静かな砂浜。
子どもの頃、このビーチのすぐ近くに住んでいたというアンクル・バンダ。「このあたりは、魚がよく穫れる、いいスポットがいくつかあるんだよ」。投網漁ですか?と聞くと「いいや。ここでは、自分たちが食べるぶんしか獲らないから。たくさん獲ったって、食べきれない。食べるから殺す、食べないなら殺さない。それがここでのルールさ」。
砂浜には無数の流木が打ち上げられていました。その中には、カラフルなプラスチックの欠片もチラホラ...。観光客が落としていったゴミというよりは、長い間をかけて波に洗われ、角が丸くなったプラスチックです。世界のどこかで海に流されたプラスチックの欠片たちは、旅をして、こうして南の島に打ち上げられるのでしょうか...。なんだか、とっても考えさせられる光景でした。
ラナイ・シティ、神々の庭園、そしてこのシップレック・ビーチをドライブ&案内してくれたRabacca Tourのアンクル・バンダ。ラナイ島で生まれて育った生粋のラナイっ子です。「自分が住む場所はここラナイ島だけ。神様のお迎えが来たら、あの海の向こう側に行くだけさ。ハッハッハ!」。安全に楽しくラナイ島を案内し、そしていろんな話をしてくれて、ありがとう。次に会う時まで、ぜひお達者で!
さあ、次のレポートは、いよいよ最終回。スイートハート・ロックのトレッキングをご紹介します。ぜひお楽しみに〜!
ラナイ島レポートその1「出発編」はこちら>>
ラナイ島レポートその2「お部屋編」はこちら>>
ラナイ島レポートその3「ホテル施設編」はこちら>>
ラナイ島レポートその4「海超えゴルフ編」はこちら>>
ラナイ島レポートその5「シュノーケル編」はこちら>>
ラナイ島レポートその6「NOBUラナイ編」はこちら>>
ラナイ島レポートその7「ホテル・アクティビティ編」はこちら>>
ラナイ島レポートその8「ワンフォーティ編」はこちら>>
この記事を書いた人
マローン恵(メグミ)
アロハストリート副編集長。ワイキキ、マノア、モンサラット、マキキを経て現在はカイムキ在住。好きなものは地ビールと地コーヒーと地チョコレート(全部発酵食品!)。ハワイ島取材班としても意欲的に活動中。
Twitterアカウント:@Megumiinhawaii
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