ハワイのグルメシーンでは欠かせないアイコン的存在のショーン・モリスよる連載コラム「ショーン・モリスのハワイ最新グルメ探訪」。第5回は、朝食の穴場スポットをご紹介します！

※ザ・ヌック・ネイバーフッド・ビストロは閉店しました。（2021年5月現在）

【ザ・ヌック・ネイバーフッド・ビストロ】

アロハ、ショーン・モリスです。

小さな場所で見つけた思いがけない大物

僕は隠れ家的な店を見つけるのが大好きです。それは、まだあまり知られていないところを友だちに紹介し、僕のおすすめ料理に対する彼らの正直な反応を目撃できる絶好の機会であり、また僕自身が通うレストランのレパートリーが広がって食事に変化ができるのもうれしいことです。

　今から一年ほど前、ハワイ大学近くのパックスアレーにあるニジヤマーケットに買い物に行った際、たまたま店の裏の駐車場の片隅にちっぽけなレストラン「ザ・ヌック・ネイバーフッド・ビストロ」を発見しました。中に入ってみると、白い板壁と多色のスレートタイルをレンガ風に張り合わせた壁に囲まれた空間に艶のある木製家具が置かれた、素朴でチャーミングな雰囲気です。壁に掛かった窓枠の風景画とプランツが、爽やかな開放感を醸し出しています。

お友だち同士のアニーシャ・セイコ・カンパナーレさんとヘイリー・バーキーさんが経営する店で、二人は定番のクラシック朝食に斬新なひねりを加えて工夫した、ほっとするような、しかも新感覚のメニューを創り上げました。大抵のハワイのレストランでは、パパイヤと言うとふつう半分に切ってレモンスライスだけをのせて出てきますが、ここではなんとギリシャヨーグルトとアナホラグラノーラ、ハワイアンハニーがトッピングされています。ダイノケールベネディクトは、イングリッシュマフィンにポーチドエッグをのせオランデーズソースをかけた通常のエッグベネディクトに、新鮮なケールを加えてヘルシー＆女性らしく仕上げられています。大地が香るエリンギ入り、そして甘いカウアイ海老とケッパーのオランデーズソース入りの２つの裏メニューがあります。

パパイヤとヨーグルトのパフェ
ハワイ産パパイヤとギリシャヨーグルト、グラノーラにハワイ産ハチミツをかけて

【限定メニュー】カウアイシュリンプのエッグ・ベネディクトカウアイ島のエビ、ハワイ産の卵、ケッパー、オランデーズソース。
サイドにローズマリーポテトも

そのほかにも、餅粉を使ったもちもち食感のワッフルに風味豊かなフライドチキンをのせてベーコンメープルシロップをかけ、アメリカ南部料理をロコ風にアレンジしたモチコチキン＆モチワッフル、自家製ソーセージと目玉焼きをポルトガルの揚げドーナツ"マラサダ"にはさんだ、甘辛味のマラサダ・ブレックファストサンドイッチなどユニークな折衷料理もあります。

もちろんパンケーキやワッフルなどスイート系もそろっていて、裏メニューは餅粉のワッフルに新鮮ないちご、抹茶、コンデンスミルクのホイップクリームをトッピングした抹茶＆ストロベリーモチワッフルと、バターミルクのパンケーキに新鮮ないちごとクリームチーズのホイップクリームをはさんだストロベリーショートケーキ・パンケーキ。

【限定メニュー】抹茶とイチゴのモチワッフル
モチ粉を入れてふっくらと焼き上げたワッフルにたっぷりのイチゴと抹茶パウダー、コンデンスミルクのホイップクリームをトッピング

【限定メニュー】イチゴのバターミルクパンケーキバターミルクパンケーキにイチゴとクリームチーズのホイップクリームを重ねてストロベリーショートケーキ風に

店名が語るように人目につかない片隅（ヌック）にあるので、おそらく誰かに教えてもらわない限り見つけられないでしょう。しかし、ホノルルは大きいようで小さな街。噂はあっという間に広がり、美味しいものがあると分かると、どんなにちっぽけな店であっても島中から客が押し寄せてきます。お宝隠れ家ザ・ヌック・ネイバーフッド・ビストロが、どこかでこの店のことを耳にした客たちで今や大賑わいしているのもまったく不思議ではありません。

【ショーン・モリスのハワイ最新グルメ探訪】
第1回 グロンディン フレンチ・ラテン・キッチン
第2回 ダゴン
第3回 MWレストラン
第4回 カン・ザマン