震災から100日が過ぎましたが、ハワイではまだまだ日本への支援活動が続いています。ミュージシャンたちも、自分の思いを歌に乗せたり、チャリティコンサートを行ったり、日本でのコンサートの合間に被災地を訪れたり…。今回は、ハワイ州観光局のイメージソングなどでおなじみのマノアDNAの皆さんに、GW前に仙台を訪れたときのお話をうかがいました。
どうしても直接励ましたいと駆けつけた仙台、
そこで目にしたものは…
アロハストリート(以下アロハ):マノアDNAの皆さんは、地震から1カ月半たった4月下旬に日本へ行かれた際に、まず仙台を訪れたのですね。
ロイド:GWのお台場ハワイフェスティバルに参加する前に、どうしても被災地へ行って、被災者の方を直接励ましたいと思い、仙台へ行くことに決めました。東京から4時間半かけて車で仙台へ向かいましたが、そこで見たものは想像以上でしたね。
アレックス:僕はハワイ大学の卒業試験と重なってしまったので、残念ながら仙台には行かれなかったのですが、その後いろんな人から地震や津波の話を聞き、胸が痛みました。東京などでも、コンサートはいつもよりエモーショナルだったように感じました。
アロハ:皆さんはどこで地震と津波のニュースをお聞きになったのでしょう?
アレックス:僕とニックはハワイ大学の野球の試合をスタジアムで見ていて、そこで大きな地震が日本で起きたらしいとうわさになり、家に電話して両親に聞いたら、ニュースで大変なことになっていると・・・。
ニック:家でニュースを見て、呆然としました。
アロハ:信じられない光景でしたよね…。
ロイド:津波が押し寄せる様子や、車がおもちゃのように流されていく光景はまるで映画のようでしたが、実際に行ってもまだ信じられない、というのが実感でしたよ。
ニック:そう、実際に現場に行ってみても映画のセットのようで、すぐにはこれが本当に起きたこととは信じられなかった。
アロハ:みなさんは災害が起きた直後から、さまざまな形で支援活動を始められていますよね。
ロイド:日本のファンの方々には、今まで多くのサポートをいただいているので、何か恩返しがしたかったんです。いくつかの支援コンサートに参加し、もっと自分たちでも何かできることはないかと考え、わずかですが物資を避難所に届け、歌やフラで一時でも被災者の方の心を癒せたら…。そう思ったら、いてもたってもいられなくて、まずは仙台に出かけたわけです。
アロハ:仙台ではどんなことを感じられましたか?
ニック:避難所にはクッキーやチョコレート、スパムむすびなどを持っていたんですが、受け取るときもみんなきちんと並んで、誰もわがままを言わない。ニュースを見て、暴動が起きないことに感心していましたが、日本人の忍耐強さを目の当たりにして、きちんと社会的責任を理解している人たちだと改めて思いましたね。
ロイド:すべてを失うということは、本当に悲しいことだと思います。でも、私たちの訪問を歓迎し、フラや歌を通してつかの間でも笑顔になり、「癒されました」と言ってくれたので、本当に行ってよかったと思っています。
「絆」に込められたメッセージが
メロディに乗って…日本へ届け!
アロハ:マノアDNAの「Aloha You ~きずな~」という歌は、震災後、特別な意味を持って聞こえるようになりましたね。
ニック:そうなんですよ。最初に作ったときは、単純に家族の絆をうたったものでしたが、今はあなたたちは一人じゃない、みんなつながっているよ、という人間同士の絆を意識しています。それが僕たちのメッセージとして、みなさんに届けばうれしいですね。
アロハ:義援金のために、絆ブレスレットを作られたとか。
ロイド:ブレスレットの売り上げは、全額東北大学病院へ寄付しました。大きな金額ではありませんが、直接東北の方たちに届くようにしたかったのです。今後も色を変えたりして、引き続き絆ブレスレットを販売していく予定です。
アレックス:ファンのみなさんにはコレクターズ・アイテムになるかな(笑)。
ニック:アレックスと僕が初めて一緒に作った「Feel the Light」という曲も、もうじき披露しますが、日本を応援するための歌なので、ぜひ聞いて欲しいですね。とっておきのスペシャルゲストも参加していますので、お楽しみに!
ロイド:今回の災害で、日本は初めて世界に助けを求めたのではないでしょうか。その声は世界に届き、ハワイでもこうして支援活動が行われているのです。ハワイは日本とのつながりも深く、困ったときにお互い協力し合うのは当然のこと。今後もマノアDNAとしてではなく、ハワイのミュージシャンとして、何かできることを続けていきたいと思っています。
ニック:今はとりあえず食料や水、そしてライフラインの確保が必要ですが、その後はもう少し別のものが必要になってくるでしょう。次はそんな個々の要望に応えるようなものを持って行ければいいですね。
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