ふたりのハーモニーが生み出すハワイアン・ミュージックの最高峰 「ブラザーズ・カジメロ」インタビュー |
兄のロバート(右)はインタビューの時間通りに現れ、レコード会社のオフィスでそわそわ。 15分後に現れた弟のローランドは人懐っこい子犬のようで、 「ごめん、レインボー・ドライブインで朝飯とシェイブ・アイス食べて来ちゃったよ!」と高笑い。 このふたりだからこそ、あのブラザーズ・カジメロのやさしいサウンドが生まれるのである。 |
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アロハ: | 約30年以上に渡って、コンテンポラリー・ハワイアンのリーダーとして活躍されてきたおふたりですが、すでに30枚以上の作品をリリースし、新作も昨年発表されるなど、常にトップの座をキープされていますよね。 |
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アロハ: | 一言でハワイアン・ミュージックといってもこの30年で随分変わったのではないでしょうか? |
ロバート: | それは確かにそうですね。今は世界中の様々な音楽が自由にハワイに入ってきて、しかもコンピューターなどでもアクセスしやすくなったので、色んな意味でハワイの音楽にほかの要素が混じるようになってきてます。いいとも悪いとも言えませんが、とにかく変わってしまったことは確かです。 |
ローランド: | 僕も当時からロックンロール好きだったから、ヘビメタとかジミヘンにはまっていたけど、兄と一緒に音楽を作り、演奏するときの快感は、ロックンロールにも見いだせない特別なものなんだ。兄はとにかく才能があって、僕は常にインスパイアされてきた。彼なくしてハワイアン・ミュージックに革命はおこらなかったとも思うよ。長年一緒にこうしてやってこれたことはまさにマジック。お互いソロでも充分やれていたと思うんだ。でもふたりだとパワーが倍増して、信じられないほどの感動が生まれる。こうして一緒にやれることをカフナに感謝しているよ。 |
ロバート: | アルバムの曲選びなどで、もめることもありますが、でもそれは、いいものを作り出す為のプロセスですから…。 |
アロハ: | ロバートはクムフラとしても30年以上活躍されていますが、フラで最も大切なことはなんでしょう? |
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アロハ: | 例えば、フラダンサーは耳にプルメリアなど花を飾って踊るものと思っている人もいるようなんですが、ハワイのフラダンサーは、花を髪の毛に飾ることは少ないですしね。フラが広まっていくのは、いいことだと思いますが、教える側としては時々、ハワイの文化がきちんと伝承されるか心配なのも事実です。 |
アロハ: | アルバム「Some Call It Aloha...Don't Tell」を昨年6年ぶりにリリースしたばかりなので、新作はまだ先の話になりそうでしょうか? |
ロバート: | 毎年恒例のクリスマス・アルバムは今年もリリース予定ですが、アルバムは2、3年は作る予定はありませんね。 |
ローランド: | 前回のアルバムは自分たちも大満足だったんだ。だから、思う存分ライブとかで演奏をしてからでないと、次を作るのがもったいなくてね(笑)。 |
アロハ: | 最後に読者へのメッセージをいただけますか? |
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ここまでキャラの違う兄弟も珍しいので、しゃべり口調もわざと変えてみました(笑)。弟のローランドはいつも陽気で冗談ばかりのやさしいロコボーイ、そして兄のローランドは、日頃から環境汚染や破壊に心を痛める繊細な天才肌。ハワイアン・ミュージックのレジェンド的存在にも関わらず、カジメロ一家のバーベキューにふらっとおじゃましたような気分にさせてくれたインタビューでした。「ブラザーズ・カジメロ」は、アロハスピリットの代名詞ですね。 |
※アロハストリート2006年夏号に掲載した記事です。 |
公開日 : 2006年 10月 18日 |
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