本当のハワイを語り継ぐアロハの伝道師 ピーター・アポ -Peter Apo- インタビュー |
ハワイがハワイらしさを失わないため、そして世界中から訪れる観光客が、真のハワイ体験を満喫できるように活動するネイティブ・ハワイアン・ホスピタリティ協会(NaHHA)。ディレクターを務めるピーター・アポ氏は、アロハ・スピリッツの語り部として、祖先から受け継いだ独自の価値観を継承し続けている。 |
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アロハスト | リート(以下アロハ): NaHHA(ナハ)が設立された背景について教えていただけますか? |
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アロハ: | 創始者メンバーのおひとりということですが、どのような経緯から参画されることになったのでしょうか? |
ピーター: | 私にはハワイアンの血が流れているのですが、私が育った時代は、実はハワイアンであることがカッコイイことではなかったのです。アメリカナイズされた本土風のライフスタイルが良しとされ、公立学校でハワイ語を話すことが禁じられていたこともあって、せっかくハワイアンの家に育ったのに、言葉が話せないまま育ちました。 ところがハワイの観光業で働くようになってから、いかにハワイアンとしての私のルーツが大切なものか、あらゆる場面で実感するようになりました。自らのアイデンティティについて、深く探求すると共に、盛り上がり始めたさまざまなネイティブ・ハワイアンの活動に加わるようになりました。州や市の機関で働くこと27年。リタイア後の第二の人生は、アロハ・スピリッツの伝道師として過ごすことになったというわけです。 |
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アロハ: | ワイキキの再開発はあまりにも規模が大きいために、ハワイらしさが失われてしまうのではないかと心配する日本のハワイファンもいるのですが。 |
ピーター: | それは私たちの最大の関心事でもありますね。新規開発や再開発プロジェクトにおいて、伝統的なハワイらしさを失わないように、プランニングの段階からコンサルティングをしていくのも私たちの活動内容のひとつなのです。観光客やローカル住民が心地よく楽しめる最新施設を作ることと、ハワイらしさを後世に受け継いでいくことは、きっと両立できると信じています。 |
アロハ: | 「ゲスト、ホスト、場所」の3つの要素をバランス良く考えることが、ハワイの観光産業にとって重要だとおっしゃっていますね。 |
ピーター: | 観光客の皆さんの満足は、あくまでもハワイがハワイらしい環境を保ててこそ。行き過ぎた開発で自然が失われたり、インフラの整わない施設をそのまま放っておいたり、ホストであるローカル住民の生活条件が悪くなれば、結果、それは観光客の満足度に反映されていきますよね。3者間にバランスの良い関係が生まれることが、持続する観光産業の活動においては何よりも重要なのです。 |
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エンターテインメントから観光業、そして政治、文化、教育に至るまで、ありとあらゆる分野で活躍してきたピーター・アポ氏は、ハワイでは知る人ぞ知る有名人。穏やかなトーンで語られる言葉の深みに感動し、もっとたくさんハワイの価値観についてお話をうかがいたくなりました。 |
※アロハストリート2007年春号に掲載した記事です。 |
公開日 : 2007年 8月 1日 |
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