25年前に息子さんが溺れそうになったのを助けてくれた恩返しに、ホノルル市に寄付のお返しをしたいと日本女性がやってきました。ハワイ中のメディアも注目した心温まるストーリーです。
取材協力:VASH(ビジターズ・アロハ・ソサエティ・オブ・ハワイ)
■溺れかけた息子を救助してくれたことに感謝
25年前にワイキキビーチで溺れかけた息子を地元少年に救助してもらった日本在住の白山宮子さんが、9月1日(火)午後12時半、ホノルル市のオーシャン・セーフティー&ライフガード・サービスへ5万ドルの寄付金を贈呈いたしました。
贈呈式には、出張中のハネマン市長の代理として、コールドウェル副市長が出席。白山さんからの寄付金を受領いたしました。会場には、テレビ局や新聞社などの地元メディアが勢ぞろい。心温まるニュースに注目が集まりました。
休暇でハワイを訪れていた白山さん一家が、ワイキキビーチで遊泳を楽しんでいらっしゃった時のこと。まだうまく泳げなかった息子の雄一さん(当時7歳)が海で溺れかけていたところを、地元少年が救助してくれました。誰も知る人のない旅行者だった彼らは、ただただ気が動転して、雄一さんの無事を確かめるのが精一杯。手当に夢中で、救助してくれた少年に何もできないままだったそうです。
「あの時は、あまりのショックに、救助してくれた恩人の名前を聞き出すことすらできませんでした。でも彼がいなかったら、息子は今、生きていることはないかもしれないのです。このことが私の中でずっと心に引っかかっていて、60歳になったら、ぜひ恩返しに訪れたいと決めていたんです」と宮子さんは、記者会見の場でお話をされました。
■旅行者を救済するVASH(バッシュ)が贈呈式をアレンジ
あれから25年。当時7才だった雄一さんは、現在元気で32才になり、海外で活躍されているそうです。今回は残念ながら仕事の都合でハワイには来られませんでしたが、宮子さんは、彼の命を救ってくれたハワイのことを、ずっと忘れずに生きてきたのだとおっしゃいます。
今回、60歳の記念に、5万ドルの寄付金をホノルル市に送りたいと願って相談したのが、VASH(ビジターズ・アロハ・ソサエティ・オブ・ハワイ)でした。日本人理事の梨本昌子さんに事情を説明し、VASH本部に相談をし、今回の寄付金贈呈や記者会見が実現したというわけです。
「子供達を水難事故から守るために役立てて欲しい」という宮子さんの願いは、無事に届けられました。会見の場で、宮子さんは救助された白山雄一さんのコメントを読み上げました。
「溺れかけた時は、一瞬死んでしまうのではないかと思いましたが、少年に助けられ、私は今、こうして元気に暮らしています。当時私は7歳で、英語がまったく話せませんでしたので、『サンキュー』の一言さえ言えなかったことが、長い間、心に引っかかっていました。しかしこれを機に、このような形でお礼することができ、心よりうれしく思います。ホノルル市の方々、本当にありがとうございました。」
この記者会見の模様は、こちらのテレビ局のウエブサイトでもご覧いただけます。
VASHについての詳細は、こちらのインタビュー記事をご覧ください。
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