アロハ!編集長の上野です。
今年は、ハワイ島のヒロに始まり、ハワイ島のコナでもマラソンをしてきましたが、9月6日、今年が初の開催となったカウアイマラソンに出場してきました。真夏でもあり、また、「坂が多い」というウワサの大会でしたが、世界各国からのランナーが1600名も集まり、早々に定員締め切り。
庭園の島と呼ばれるカウアイ島のマラソンはいったいどんな感じなのでしょう。美しい風景で繰り広げられた、過酷で楽しいマラソン大会の様子をご覧ください。
協力: カウアイマラソン、カウアイ観光局(KVB)、スポナビハワイ
■本格的なマラソン大会としてデビュー! 定員いっぱい満員御礼
カウアイマラソンは、2009年が初めての開催。今までにもマラソン大会自体はあったようですが、もっとカジュアルなもので、今回のように世界各地から人々が集まって行われる、本格的なレースではありませんでした。今回、運営にもとてもお金がかかり、交通規制などもあって大がかりになる国際大会としてデビューしたわけです。
それでも、ハーフとフルマラソンの2種類用意されたレースに参加するため、全国各地から1600名が集まりました。一応、レースの「定員」がありまして、これでマックス。交通規制の問題などもあって、これ以上、受けることができない完売状態でのデビューです。すばらしいですね。人々の期待度の高さが分かるというものです。
■不安と期待でドキドキ・ワクワク! 初のカウアイマラソンがスタート!
9月6日(日)。ハワイだと朝5時台のスタートが多いのですが、今回は交通規制の問題などもあるようで、珍しく6時スタートです。ポイプリゾートのスタート地点は、まだまだ真っ暗。それでも初めての大会に期待と不安を抱くランナーたちが集まって、エネルギーレベルは最高潮。温度がひときわ高いみたいに感じます。
では、ここからは、写真と一緒にご覧いただきましょう!
真っ暗な中でのスタート。いつもは風が強目で寒いくらいの朝なのですが、この日はちょっと風も弱くしっとりした空気でした。
さあ、いよいよスタートです! おお、ものすごい勢いで皆がスパートして駆け抜けていきます。私もこの中のどこかにいるのですが…。
前半は、このような緑の高原地帯をずっと走ります。ジュラシック・パークの舞台になった風景です。頭の中で、映画のテーマ音楽がずっと鳴り響いてしまいますが(笑)、この辺ではまだまだ余裕の状態なのでしょう。雨がシトシト降ってきたりしますが、気温は低めで助かります。
しかし、このマラソンの特徴でもある「坂道」が早くもスタート。なだらかですが、極めて長い上り坂がずっと続きます。でも、こんなのは、まだまだ序の口、なのでした…。
この看板は、ハーフマラソンとフルマラソンのコースの分かれ目を告げるもの。小さなニワトリと、大きなニワトリが描かれていますね。カウアイ島には、野生のニワトリがいっぱいいるのですが、それをシンボルに使ったお茶目な看板でした。
スポナビの阿部さんを見つけて、ちょっと余裕顔を作ってみせる私。たまたまここは下り坂だったからなのですけれど(笑)。確かここはハーフとフルの分かれ目。もうすぐゴール!というハーフマラソンの方々とお別れして、まだ半分にも達していない事実を噛みしめながら、次の上り坂に向かいます。
下っては上り、上っては下る、の繰り返しの過酷なマラソンコース。彼方に「11」という数字が見えますが、これは11マイルを示すもの。ハーフポイントが13マイルとちょっとなので、まだ半分も行ってません。先が思いやられて、皆さん少しペースダウン。
さて、何度目の上り坂なのでしょう。かなり傾斜がきつそうなことが分かりますね。実は全体で、10カ所以上もこんな坂があった、と思います。正確に数えたわけではありませんが、とくに後半は、フラットな場所などひとつもなく、長い長い上り坂と急な下り坂の繰り返し。足も心臓も、すべてがコースに翻弄されて、日頃、よっぽどトレーニングしていないと、もう途中でギブアップかもしれません。
そんな中、助けてくれるのが、このようなダンサーたち。山の中の後半に入っても、どこからともなくドラムの音が響いてきて、元気なフラやタヒチアンダンスで精一杯応援してくれるのです。皆の明るい笑顔がエネルギー。「Looking good!」と言っていただけると、あ、まだ頑張れる、と思えてくるので不思議です。
よく見ると、道路が濡れていますね。道中、とにかく雨が断続的に降りました。でも、きつい上り坂を終えたところで、きれいな山の風景を前にしながら、霧雨がさーっと降ってきたりして、「恵み」を肌で感じさせてくれる瞬間がたくさんあったのですね。雨が降るたびに火照った身体が冷やされて、ああ、また走っていける、と思えるのでした。
何度も何度も山を越え、谷を越え、急勾配に臀部がつりそうになって歩いたりもして…。苦しいコースの終盤は、3マイル(5キロ弱)のなだらかな下り坂。海へと続くきれいな道路で、スピードがぐんぐん上がります。あ、もちろんその時点で体力や筋力が枯渇してしまえばもうそれまでなのですが、あとはもう下るだけ、と思えば、最後の力を振り絞れます。ポイプのきれいな海。ゴールはもうすぐです!
シェラトン・ポイプ・リゾートに設営されたゴールには、たくさんの方々が集まって声援を送っていました。超過酷なコースを乗り越えてきたランナーを、惜しみない拍手と笑顔で迎えてくれます。この瞬間が何よりのご褒美です。
晴れの舞台、表彰式です。あれだけの厳しいコースを走り抜けたのだから、とにかく達成感でいっぱいですよね。年齢別、ハーフ、フルなど、さまざまなカテゴリで表彰されます。
さてさて、そして私のゴールシーンでございます。時計では4時間20分、実際のタイムは、4時間19分55秒でした。この暑い時期に、こんなにきついコースで、このタイムでゴールできたことは、私なりにとてもうれしいことでした。多少なりとも坂道トレーニングをした成果もありましたし、いつもより身体も締まり気味で、体調は万全。終わって、「あー楽しかった」と思える結果で満足です。
レース結果は、こちらでご覧いただけますが、Jim Uenoという名前で登録されています。404名中、122位だそうです。
30キロ地点までは142位だったから、最後の12キロで20名ほど抜かせていただいたのですね。下り坂のペースはなかなか早くて、足も痛かったのですが追い上げがききました。ゴールは10時過ぎですから、かなり実は暑くなってきていました。日焼け止めを塗っていたのに、氷水を浸したスポンジで頭や顔を何度も拭ったので、全部取れてしまって真っ黒に日焼けしました。
■取材を終えて
マラソンは本当に不思議なもので、走っている時はあんなに苦しい思いもするのに、終わってみれば、すべてが楽しく感じることができてしまうもの。今回は、誰も走ったことのない初めてのコースということもあって不安でしたが、あまりの起伏に、皆が笑ってしまうほど。普通、坂は3-4回出てくればいいと思うのですけど、険しい上り坂が10数回。後半はとくにフラットな場所など、まったくありませんでした。数あるハワイのマラソン大会の中でも、最も過酷で、最も変化に富み、でもだからこそ最も挑戦しがいのあるコースだと言えるでしょう。
とにかく厳しい坂の連続だったので、筋肉痛がひどくなることは分かっておりましたが、私も珍しく、数日間、足の筋肉痛が消えることはありませんでした…。オフィスでもヒョコヒョコ歩きで、自分で吹き出してしまうことも。ただ、不思議なことに、コースの間、エネルギーが途切れることがありませんでした。これはやっぱり深い緑の中を走って、マイナスイオンに癒され続けたからなのでしょうか。
さーて、今年は残すところ、あとホノルルマラソンひとつです。9月の時点でここまで走れるのですから、そこから3カ月のトレーニングでどこまで持って行けるか楽しみです。
カウアイ島は、日本の方にもとても簡単に楽しめてしまう、ちょうど良い大きさの島。レンタカーをしても、道に迷うこともなく、シンプルかつ気持ち良くドライブを満喫できることでしょう。近々、カウアイ島の観光レポートもさせていただきますので、詳しくはそちらを参照くださいませ。
翌年もカウアイマラソンは、レイバーデーの週末に開催されます。日本からのお申し込みは、我らが「スポナビハワイ」さんが受け付けてくれますので、安心してご参加ください。
★近々、カウアイ島の魅力を伝えるレポート記事もアップ予定です!どうぞお楽しみに!
【編集長のマラソン体験記事はこちらにも!】
2009年3月ハワイ島ヒロマラソン
2009年6月ハワイ島コナマラソン 【ハワイのスポーツなら何でもおまかせ!】 面倒な海外レースの参加も、日本語でOK! スポナビ・ハワイのランニングコーナーを要チェック! |
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