格式と伝統ある高級ホテルとして、世界の誰もが憧れるハレクラニ・ホテルに「ハウス・ウィズアウト・ア・キー」という名のレストランがあります。
ここの名物は、毎晩行われるフラとハワイアン・ミュージックのエンターテインメント。この場所で30年以上踊り続けているというダンサーのカノエ・ミラーさんが、7月に日本でショーを開催すると聞き、お話をうかがいました。世界中にファンを持つ彼女のフラの魅力に迫ります!
編集部:お会いできて光栄です。さっそくですが、カノエさんは毎日ここで踊り、夕方のひと時をここで過ごされていますが、世界のVIPから愛されているハレクラニの魅力を教えてください。
カノエ・ミラー(以下カノエ):そうですね。とにかくここで30年以上も踊ることができて、私は本当にラッキーだと思っています。この辺りはその昔、ヘルモアと呼ばれた特別な場所で、ヒーリング・スポットでもあったのですね。だからここを訪れる人は、誰もがおだやかな気分になり、心からリラックスできる…。そんな気がします。
編集部:フラを踊るときは、いつも何かを感じていらっしゃるのですか?
カノエ:ええ。ホテルの前のビーチには、ヒーリング・ウォーターと呼ばれる真水が海水に流れ込む場所があり、ワイキキがちょうど湾に包まれるようになっているその中心にハレクラニがあります。私はステージに立つと、いつも大きな腕に囲まれているような安心感を覚えるの。
編集部:なるほど。だからカノエさんのフラには何か特別なものが宿るようなオーラがあるのでしょうね…。
カノエ:それはわからないけれど、みなさんが椅子に座って、ハワイの自然の美しさやリラックスしたムードを楽しんでいるのが手に取るように伝わるので、私もその中の一部になるようなフラを心がけています。
編集部:毎日踊っていらして、とくにお好きな季節などはありますか?
カノエ:それはかなりむずかしい質問ね(笑)。12~2月はサンセットが最もきれいな時期で、光の色も強いわ。ちょうど私の後ろに日が沈むので、サンセットを楽しむにはベストです。3~6月は寒くも暑くもなく、みんながハッピーな時期。花もいっぱい咲いているので、私も身につける花を選ぶのが楽しいわ。そして夏は月が沈むのが遅くて、月の光でできる影がロマンチックよ。秋はサンセットがムーディになってくるから、これまたロマンチックね。だから、どの時期でもハワイのよさを楽しんでいただくことができると思います。
編集部:カノエさん自身も、自然の変化を楽しんでいらっしゃるのですね。
カノエ:はい。私の後ろにあるのは、樹齢100年以上といわれているキアヴェの木なのですが、この木にもムードがあって、面白いですね。毎日話しかけながら、一緒にその日のフラを楽しんでいる感じです。
編集部:すてきですね~。
カノエ:ここに来ると、不思議なことにみんなが共鳴しあって、ステキな気持ちになるみたい。それがこの場所のいいところね。たまたま隣合わせた日本人の年配のカップルとアメリカ人カップルが、言葉は通じないのにお互いに写真を撮ってあげたり…。毎日そういうことが自然に起こっているの。
編集部:カノエさんはこの7月に日本でショーを行うそうですが、今はきっと準備でお忙しいのでしょうね。
カノエ:ええ。自分だけのショーというのは実は初めてなので、ワクワクしています。3人のダンサーも一緒で、私のスタイルで一緒に踊れるように練習しているところです。私はシュープリームスって呼んでいるのよ(笑)。日本に行くのは4年ぶりなので、本当に楽しみです。
編集部:カノエさんは、フラでどんなことを表現しようとしていらっしゃるのでしょう?
カノエ:そうですね、ハワイの自然やその中で暮らす人たちを表現しようという意識はあります。私たちは誰なのか、ハワイはどんな場所なのか、そういったことを、ここに集まる世界中の人たちにフラで伝えられたらと思いますが、やさしい風がそよぐ中、波の音や音楽を聴きながら、フラを見て、五感でハワイのよさを感じていただければ、こんなにうれしいことはありません。
編集部:カノエさんのフラが世界中の人を魅了している理由がわかったような気がします。ありがとうございました!
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