ハワイ式ラウハラ編みに夢中!
ハワイ島ヒロ在住のフリーカメラマン/ライターが、ノスタルジックなヒロの町をご紹介。
公開日:2010.07.28
更新日:2017.06.25
ハワイ島ヒロ在住のフリーカメラマン/ライターが、ノスタルジックなヒロの町の様子を在住者ならではの視点で紹介していきます。
石川 裕子
新聞社の報道カメラマンを退職後、ハワイ島に移り、ハワイ州マッサージ・ライセンスを取得。マッサージ修行を続行しつつも、ハワイ島の魅力を日本に伝えるべくカメラマン/ライターとして奮闘中。ハワイ島居住歴2年目の「ハワイ島初心者」。
ハワイで「ハラ」と呼ばれている植物をご存知でしょうか? 日本では「タコノキ」(英名はパンダナス)と呼ばれ、小笠原諸島で自生しているようです。
ハワイではよく見かける「ハラ」の木の、葉=「ラウ」で作るハワイの伝統工芸品が「ラウハラ」。古くはカヌーの帆もラウハラで作られていたとか。
今では、ラウハラで作られたブレスレットやコースター、バッグなどをお土産屋さんなどで見つけることができます。
だけど、それら多くの比較的安価な「ラウハラ」は、実はフィリピン産。私にはまだまだ見分けがつきませんが、見る人が見れば一目瞭然でハワイ産との違いがわかるのだそう。
ハワイの歴史とともに「ラウハラ」は存在してきました。それはつまり、ハワイ文化が体験した悲しい過去のとある時期には、断絶せざるを得ない期間もあった、ということ。
70年代以降はハワイ文化の復興運動も盛んになり、それと同時にラウハラ製品もハワイで暮らす人々のもとへ戻って来ました。
そして今、「ハワイ式ラウハラ編み」技術者たちも年齢を重ね、その技術を後世に残そうと後継者候補たちを懸命に指導しています。
かくいう私も、「名人」たちに直々に指導していただける月一回のラウハラ・クラブに参加中。
アンティたちの小さな手が編み出すラウハラは、それがもともと枯葉から作られたものだとは信じられないくらいの美しさ。
ヒロで採れるハラの葉には棘があります。枯葉を拾い、棘を取り、洗ってなめして、編み始めるまでの準備も大変な作業。
おかげで私は生傷の絶えない日々ですが、そうやって出来上がった作品は、なによりも愛おしく思えるのです。
私のラウハラ友達が教えてくれた、素敵な言葉。彼女は「ひとつ新しい物の作り方を教わったら、同じ物を4つ作りなさい」とクム(先生)に言われたのだそう。
一つめは、あなたの手のため。
二つめは、あなたの頭のため。
三つめは、あなたの心のため。
そして四つめは、他の誰かのため。
ラウハラを編んでいると、この言葉がしっくりと心に響いてきます。そしてひとつ、またひとつと新しい作品を作るたびに、ハワイを想う心も強くなってゆくような気がしています。そう、ハワイ産のラウハラには、アロハ・スピリットが編み込まれているのです。
- この記事をあとでまた
みたい場合は、
マイページにクリップ!