移動し続けるギャラリー
ノースショアに現れた、一風変わったギャラリー「CIRCUS」をご紹介します!
公開日:2010.11.27
更新日:2017.06.14
by 岩藤 夕子 (アロハストリート秋号掲載コラム)
オーナーのNick(写真左)とSean(写真右)。後ろに写っているのはNickの作品。
「ビール飲む?」それがNickがあたしにかけた最初のひと言。このギャラリーの事を雑誌のコラムに書きたいと申し出て、取材に行ったその日のことだった。取材に行った相手がビールを飲んでいることもまぁめずらしいが、飲む? と聞かれたことなど一度たりともない。やっぱりここは何かがおかしい!!!(笑)
「CIRCUS」。この得体の知れないギャラリーが注目を集め始めたのはここ半年ほど。少し前までは、ハレイワ・ショッピング・プラザ内にあるBank of Hawaiiの隣にあり、行ってみよう行ってみようと思っているうちに、いつの間にか姿を消していた。
Seanの作品。
野原に停めているランチワゴンでさえ、毎月の家賃(というより駐車料金?)が$2,000を超えるノースショアの高~い土地代。きっと上手くいかなくてつぶれてしまったに違いない、とタカをくくっていたのに、2010年4月25日に場所を変えてグランドオープニング・パーティをするって聞いてビックリ。行ってみて更にビックリ。今までハレイワにあったギャラリーとは明らかに一線を画すアートショーがそこにはあった。
変わっていればいるほどいい。それが「CIRCUS」に受け入れられる条件。他のギャラリーで取り扱いのあるアートは飾らない。ここにはギフトショップで見かけるような、ハワイらしい風景の絵は1枚もない。
「いつも開いているとは限らないが、閉めた事は1度もないさ」と書いてあるサイン。
ハレイワらしくて、心があたたまる。
新しいアートシーンを作りたいと、「CIRCUS」は元々1年半前に一夜限りのアートショーとしてオープンした。場所を提供してくれたのは、その場所を空き物件として持っていた大家さん。アートショーが成功に終わり、空き物件を有効活用するNickのアイディアに協賛した大家さんは、次に使える空き物件も紹介してくれた。それがBank Of Hawaiiの隣にできたギャラリーだった。
今度は4日間のイベントを開催するハズが、口コミが人を呼び、結局次の借り手が見つかるまでの3カ月間、その場所でギャラリーを保持することになる。そして現在、同じ仕組みで同ハレイワ・ショッピング・プラザ内のピザ・ボブスの隣に新しい城を構える。
ギャラリー内の風景。
「ここに集まった奴らは皆、少なくとも一度は普通のギャラリーに自分の作品を見せに足を運んでいる。そこで言われるのは、まずはヤシの木を描いてみたら? という言葉なんだ。ヤシの木を描かなくても、アーティストがアーティストでいられる。そんな世界をハワイで作りたい」と共同オーナーのNickとSean は言う。
「いつも開いているとは限らないが、閉めることは一度もない」というスタンスの営業時間。詰まる所、ハワイアンタイムで営業中。ただ毎月最終週の土曜日の夕方16:00~21:00までなら、確実に開いている。
それはハレイワ・アートウォークが開催される日に合わせて、「CIRCUS」は飾っているアートをすべて入れ替えるのだ。そして照明のセットアップから、壁の塗り替えまで全部自分たちの手で作りかえる。業者などは一切入れない。そこに集まった仲間と汗を流しながらそしてビールを飲みながら作り上げていく。
「その時が一番楽しいのさ。だってこの空間を作ること自体がアートそのものなのだから」
岩藤夕子
ノースショアのことならここ!www.ad-northshore.comのハワイ代表。ゆる~りと時間が流れるストレス・フリーのノースショア ローカルライフの様子をブログにて公開中。Made in Hawaii にこだわったオンラインショップも密かに人気。チワワの愛犬チーキーとビーチで過ごす時間が何より幸せ。
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※この記事はアロハストリート2010秋号に掲載された記事です。
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