火の女神ペレが住む場所へ
ハワイ島ヒロ在住のフリーカメラマン/ライターが、ノスタルジックなヒロの町の様子を在住者ならではの視点で紹介!
公開日:2011.01.21
更新日:2017.06.14
ハワイ島ヒロ在住のフリーカメラマン/ライターが、ノスタルジックなヒロの町の様子を在住者ならではの視点で紹介していきます。
石川 裕子
新聞社の報道カメラマンを退職後、ハワイ島に移り、ハワイ州マッサージ・ライセンスを取得。マッサージ修行を続行しつつも、ハワイ島の魅力を日本に伝えるべくカメラマン/ライターとして奮闘中。ハワイ島居住歴2年目の「ハワイ島初心者」。
「ハワイ島」と聞いて多くの人がいちばん最初に思い浮かべるのは、「溶岩」の風景かもしれません。海へと勢い良く流れ込む溶岩の光景は、あまりにも印象的ですものね。
とは言え、「溶岩」にはいろいろな姿があります。触れる物すべてを燃やしながら突き進む赤い溶岩。冷え固まって漆黒に光る溶岩。そして、風化され砂となった溶岩は、ブラックサンド・ビーチに。
そんな溶岩たちが「生まれてくる場所」が「火口」。こちらでは「クレーター」と呼ばれています。
ハワイ島にある「ボルケーノ国立公園」の中にはいくつか火口がありますが、けっして見逃せないのは「ハレマウマウ・クレーター」。ハワイの神話では、火の女神ペレが住む場所とされている「聖地」です。
公園内のジャガー・ミュージアムそばにある展望台から一望できるその姿は、圧巻の一言。日中はそこからモクモクと沸き上がる煙を見ることが出来ます。じつは、この煙こそが VOG(火山性スモッグ)と呼ばれ、ハワイ中の人々を悩ませる有毒ガス。とても危険なので、風向きによっては公園自体が閉鎖してしまうことも…。
観光ツアーでは日中しか案内されないこの場所。だけど、この火口のほんとうの美しさを見るのなら、夜。明るい時には見ることができない、火口の光を見ることができます。
夜空にぼんやりと浮かび上がる赤い半球。そこから吐き出される煙。あの場所は今ほんとうに「燃えている」のだと実感できる光景。
月のない夜にはその周りに無数の星が輝き、満月の夜にはその明かりで火口の全貌を見ることができます。いつ訪れてもその姿は堂々としていて、神秘的。
冷え固まった溶岩台地にいちばん最初に芽吹く、ハワイ島の島花「オヒアレフア」の花と同じ「赤」。
昼はオヒアレフアと溶岩台地の「赤と黒」、夜には火口と夜空の「赤と黒」。このコントラストこそが「ボルケーノ国立公園」の見どころ。
ハワイ島を訪れる際にはぜひ!…と言いたいところですが、夜の園内は真っ暗なので、ビジターがレンタカーで行くのは危険です。どうしても、という時には必ず複数で、園内を良く知る人と一緒に行ってくださいね。そして、かなり寒いので防寒対策も忘れずに!
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