風水のご依頼を受けるのは住居だけでなく、ビジネスオフィスや商業店舗のときもあります。ビジネス風水の場合は、これまでご紹介してきた基礎的なことに加えてちょっと異なるアプローチが役立ちます。それは「職種」と「顧客」にポイントを置くこと。仕事場では職種によって違った目的、特性があります。さらに、そこにはご依頼主となる会社の社長さんやビジネスオーナー、そこで働く従業員やスタッフ、クライアントやお客様、という「同居人」や「家族」とは異なる人間関係が存在します。
風水はエネルギー（気）のハーモニー学です。場所や建物そのものが持つエネルギー、室内のセットアップで生まれるエネルギー、その場所の「目的」で生まれるエネルギー、そこに居る人間のエネルギー、これらすべてのエネルギーのハーモニーを美しく整えていくものなのです。

今回は、実際にご依頼をいただいたハワイの不動産管理会社でのビジネス風水を例にしてお話ししていきます。せっかくハワイで行う風水ですから、この連載を一緒に支えてくださっているアロハストリートの編集長リツコさんにもご同行いただきました！さあ、ビジネス風水ハワイ遠足のはじまりです！

伺ったのはワイキキにオフィスを構え、ハワイで多数のバケーションレンタルの管理と不動産売買を行うマイランドハワイさん。マイランドハワイさんは、不動産業、しかもお客様は海外（日本）からハワイにいらっしゃる方々が主流ですから、短期であれ長期であれ「これから海外暮らしをする人」がクライアントさんです。と…いうことは？　「安心感」　これが、マイランドハワイさんの風水ポイントです。

オフィスに着くと…素敵なウェルカムボードと笑顔いっぱいのスタッフに迎えられました。

かーなーり！嬉しい私です。
マイランドハワイさんでは、いらっしゃるお客様はすべて、このスタイルでお迎えされるそう。
これはすばらしい風水ポイント！

「招き入れられる感」のある入口（玄関）は最初の風水ポイント。一般の住居でも、ビジネスオフィスでも第一印象の場所です。「この会社なら、このスタッフなら安心できる」という直感につながります。「招き入れる」が習慣づいている会社は、お客様はもちろん、良いエネルギーがどんどん入ってくる流れが生まれます。＊エネルギーの流れを作りだすのは、間取りだけでなく、そこに関わる人の行動（考え方、心構え、実際の身体の動き）も大きく作用します。

お客様をお迎えする応接室のセットアップを、思い切って90度変えさせていただきました。
家具は壁に沿ってまっすぐ置くものという概念というか、そういう思い込みのようなものが私たちにはあるのですが、部屋に入ってきての目線と導線。これがスムーズであればエネルギーの流れが良くなります。さらにマイランドさんは「お客様のおもてなし」が重要ポイントです。だからこそ、お客様が入っていらしたときに、家具の角を感じない置き方にすると心地よさが増すのです。

社長さんとのお話の後、いきなり「ちょっといいですか？」とお部屋の家具を動かし始めた広美さん。迷いのないその姿に、驚きつつも感動しちゃいました。家具って壁に沿って並んでいないと「美しくない」ように思い込んでいましたが、人の動きに合わせて自由に変えていいんですねー。目からウロコ！（編集長：リツコ）

スタッフのデスクの置かれているお部屋は、どこの会社も書類や備品がいっぱいあってなかなか片付かないもの。部外者がいきなり訪ねてきて「片付けてください！」というのは簡単なことですが、毎日の仕事の中で皆がそろって片付けを実行するのは、そんなに簡単にはいかないものです。また、一斉に片付けをしようとなると、まずはそれぞれの机の上の整理整頓から始めるのも常ですが、それよりもお部屋の4隅を狙って少しづく片付けていく方法も効果的です。オフィスの4隅…古い書類や「後ほど検討」「不要かもしれないけど、要るかもしれないからずーっと取ってあるけど、やっぱりぜんぜん使ってないアイテム」などが鎮座していがちです。

そうなんですよね。自分のデスクから始めると、結局「ずっと手付かずのアイテム」が部屋の隅に置き去りになりがち。「部屋の片付けは四隅から」…これは勉強になりました。（リツコ）

今度はオフィスを出て、マイランドさんが物件管理をするバケーションレンタルのユニットを訪ねました。お客様にとってハワイの住居となる物件です。個人宅ではなく、複数のお客様が利用する場所なので、ここでの重要ポイントも「招き入れられる」そして「落ち着く（安心感）」です。
これからハワイでのバカンスを過ごすお家はどんなお家なのかな…と想いながら、到着し、ドアを開けた瞬間に「ホッとする」場所であることがポイントです。

広美さんが、玄関から何度も出たり入ったりしていたのは、お部屋の第一印象を確かめていたんですね。同じスペース、同じ家具なのに、その並べ方をちょっと逆にするだけで、印象ががらりと変わるのが不思議ー。「風水するなら、なにか新しい（しかも高価な）ものを買わなきゃいけないんでしょ」、なんて思う必要はまったくないんですね。まるで魔法みたいなその光景…びっくりです。（リツコ）

【ビジネス風水を終えて、一問一答】

リツコ：同行していたマイランドのみなさんも、見慣れたお部屋がちょっとしたことで大きく表情を変えていくのを目の当たりにして、驚いていらっしゃいましたね。「まずやってみましょ」という広美さんのアイデアと潔さ、さすがです。ところでビジネス風水の場合はバグアチャートを使わないのですか？

広美：ビジネス風水に限らず、住居の風水でもバグアチャートに重きを置く場合と、エネルギー（気）の流れに重きを置く場合と臨機応変対応しています。今回はエネルギーの流れを整えることであっという間に大きな変化を出すことができました。

リツコ：初めて入った場所（お家）で、広美さんが最初に見るのは実はどこなんですか？

広美：やっぱり第一印象！目で見る第一印象と、心身で感じる第一印象。人同士でいうと、名刺交換のようなもので、住居でもビジネスでも第一印象が自己紹介して「今の状況」を見せてくれているのです。

リツコ：そのお部屋に合うアイテムをひろみさん自身が用意するようなこともあるのですか？

広美：まず、ないですね。そんなに甘やかさない…（笑）。こういうアイテムはいかがですか？というお話しはしますので、あとは居住人に自分の感覚でアイテムを探していただいています。というのも、居住者自身が自分のために行動するということが、大きな効果につながるからです。風水とは、自分の幸せのために行動する、すなわち“風を起こす”ことですから。

リツコ：なるほど…。自分が幸せのために行動する！いい言葉ですねー。風水がますます楽しく身近になった気がします。今日は本当にありがとうございました！

☆リツコ編集長の風水体験コラム「アロハ風水の威力を目の前で！」はこちら⇛

ご質問のコーナーです。

質問:財布を買おうと思ったのですが、財布に関しては「風水的に良い、悪い」ということが良く言われていますよね。お財布の色選びは、風水的に流行っている金とか黄色の財布がいいのか、全く関係なく好きな色でいいのか、何かあるのでしょうか？

お答え：お財布が金運を変えてしまうと聞いたら、慎重になりますよね。お財布を買い換えようとしているのなら、いい機会なので「お財布とは何であるか」とあえて再考してみましょう。お金というエネルギーが住んでいるお家です。さらにお財布に入っているお金は「あなたのエネルギーの一部」であるということ。ということは、あなたの分身でもあるお金というエネルギーは心地よい家で次に活躍する準備ができる状態にいるか、がポイントです。金色や紫は「富のエネルギー」を持つ色ですからお財布には向いていますが、お財布の中がぎゅうぎゅうで乱雑だったりするとせっかくのお家が台無し。素敵なお家にごちゃごちゃ不用品を置いてくらしているのと同じですね。
お財布選びも、自宅選びをする感覚で、「もしも私がお金だったら、こんな素敵なお家に心地よく住みたい」というイメージで探してみてはいかがでしょうか？

今回のアロハ風水、いかがでしたか？みなさん、これからも気軽に質問メールを送ってくださいね。

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