進化を続ける楽園ハワイの動物園へようこそ

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ファミリーやグループで賑わうオアフ島の人気スポット、ホノルル動物園のディレクターに直撃インタビュー!

公開日:2011.09.11

更新日:2017.06.14

アロハストリート・インタビュー

 連日多くのファミリーやグループで賑わうオアフ島の人気スポット、ホノルル動物園に新しくディレクターとして就任されたマヌエルさんにインタビュー。アメリカ本土で長年動物園のマネージメントを担ってきた彼に、ハワイの動物園ならではの魅力と今後についてお話をお聞きしました。

 

 

Manuel Mollinedo
マヌエル・モリネド

ロサンゼルス出身。自然人類学者でもあり、考古学にも精通している。政府の公園管理から転職し、ロサンゼルスとサンフランシスコの動物園で約13 年ディレクターを務める。世界中の動物園を廻り、様々な動物の研究をしながら動物園同士の親睦を図ったり、自然保護の活動も続けてきた。2011 年1月ホノルル動物園へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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編集部:はじめまして。2011 年1月にホノルル動物園のディレクターに就任されたと伺っております。どのようなことがきっかけでこちらに?

マヌエル:そう、ハワイに来てから半年ほど経ちました。ロサンゼルスとサンフランシスコで長年動物園のディレクターをしてきましたが、ホノルル動物園からハワイに来ないかと声をかけていただき、引っ越してきました。ここは、アメリカ本土と比べても特別ですね。動物園とトロピカル植物園を併せ持った、世界の中でも特有な場所だと思います。冬の寒い季節を過ごせない動物や、枯れてしまう植物もここなら大丈夫ですから。

編集部:動物のいる大きな庭園という感じで、のんびり過ごすのにも最適ですよね。

マヌエル:そうでしょう? 園内には野生のめずらしい鳥もたくさん紛れています(笑)。この穏やかな天候を活かして、芝生の広場ではフラやライブミュージックなどのイベントもたくさん行っていく計画です。お子さん連れのファミリーやグループ、若いカップルにも楽しんでもらえる場所にしたいですね。

編集部:そういえば今年、正面玄関も改装されて新しくなりましたね。

マヌエル:以前より目立つようになって、とてもうれしいです。ここは、ホノルルでも4番目に多い年間訪問客数を誇る観光地なのですが、実はまだまだ場所を知らない旅行者の方も多いので、看板を大きくしたりして改良を重ねています。現在ゾウ舎も改装していて、10月には完成する予定です。新しいゾウ舎は、ゾウが水浴びをしたりのびのび過ごせるよう、今より何倍も大きくなります。そして空いたゾウ舎には、代わりにバクを入れたいんですよ。もっと多くの人に楽しんでもらえるよう、これからやりたい事がたくさんあります。

編集部:それは楽しみです。ほかにも計画が?

マヌエル:もちろん! 遠くで見物するだけでなく、せっかくだからもっと動物を身近に感じてもらえるようにしたいんです。キリンはどのように食事をするかご存知ですか? 木の枝に長い舌を巻きつけて、葉っぱだけをむしり取って食べるんですよ。キリンの近くに餌付けステーションを設けて、お客さんが実際に枝を持ち、直接葉を食べさせられるようにしたいと考えています。楽しそうでしょう?

編集部:なんだかワクワクしますね。キリンの顔を目の前にして実際に触れ合うことができるなんて、迫力がありそうです。

マヌエル:動物はね、ひとの人生を変える力を持っていると思います。子どもが生まれて初めて大きな動物を目の前にした時、どんな顔をする?目をまん丸く見開いて、表情がぱーっと明るくなりますよ。子どもを連れてくる親にとっても、その経験はかけがえのないものなんじゃないかな。たとえば、体に刺青だらけの一見強面の男性が、子どもと一緒ににこやかに動物を眺めていたこともありました。とても微笑ましい光景でしたね。私は、動物園を訪れるそんな人たちと会うのが好きだから、この仕事はやめられない。それになぜだか、動物園でゴミを散らかしたりイタズラしたりする人って、あまりいないんですよ。

編集部:なるほど…。確かに園内はとてもきれいですよね。そして、フレンドリーな飼育員もたくさんお見かけします。

マヌエル:飼育員も、動物たちに会いに来てくれるお客さんに喜んでもらえるのが何よりうれしいのだと思います。私たちは動物たちに愛情を注ぎながら世話をすることで、毎日元気をもらっています。だからもっと多くの人たちにこの感動の輪を広げたいですね。

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編集部:やっぱりみなさん、本当に動物がお好きなんですね! ここはとても広い敷地ですが、何種類くらいの動物がいますか?

マヌエル:250種類以上ですね。ここでは特にトロピカルな鳥たちを見ていただきたいです。ハワイのモチーフとして極楽鳥花という花がよく使われますが、その花の由来である極楽鳥は、ホノルル動物園が世界で初めて繁殖に成功したんですよ。ハワイ州の貴重な州鳥、ネネ(ハワイガン)もいますので、会っていってください。ネネはね、「ネーネー」と鳴くのでネネという名前なんです。そうだ、コモドドラゴンはご存知ですか? 唾液に毒があるんですが、私は以前、その口の中の写真を撮ろうと思い近づきすぎて、かぶりつかれそうになったことがありました(笑)。そういうことさえしなければ、動物はみんな穏やかでやさしいですよ。

編集部:色々な動物がいて興味深いです。動物園同士の交流もありますか?

マヌエル:私たちは世界中の動物園と繋がっています。アフリカやアジア…日本との親交も深いですよ。色々な動物園を廻ったことがあります。特に横浜や名古屋の動物園はすばらしい動物がたくさんいますよね! 日本は今、震災の復興に向け大変な時期ですが、4月末、このホノルル動物園のスマトラトラ「ケアヒ(ハワイ語で火の意味)」が、仙台の八木山動物園に引っ越していったんです。

編集部:仙台に? 詳しく教えてください。

マヌエル:もともとケアヒは、八木山動物園の新しい仲間になる予定で準備を進めていましたが、引越しの予定日を目前にして震災がありました。震災後、八木山動物園と連絡が取れた時、大変な状況下ではあるけれど、やはりケアヒを送ってもらいたいと、そう言われたんです。「ハワイからケアヒが来てくれることで、きっと心が和む」と。

編集部:そうですか…。ホノルルでも、日本で地震があった夜は、津波警報がずっと鳴り響いていましたが、動物園は大丈夫でしたか?

マヌエル:津波警報があった時には、すぐに園に駆けつけました。ここはビーチの目の前ですから、逃げることのできない動物たちを守らなければなりませんので。餌を高いところに置いて、動物たちの身の安全を確かめました。みんなが無事でよかった。

編集部:自身の危険を顧みず動物たちの元へ…。動物も人もお互い支え合っているようですね。

マヌエル:そうですね。動物は、教科書や図鑑で見るだけでなく、本物に会うことに意味があると思います。私の祖母はペットショップを営んでいたので、幼い頃に様々な動物と触れる機会が多く、今になってその時の感動を思い出したりしますよ。ここの「ケイキ・ズー」というお子さん向けのコーナーでは、ヤギやウサギと自由に遊べますので、ぜひ来てみてください。ちゃんと動物の休憩の場を設けていて、触ってもらいたい動物だけが自分でそのスペースにやって来るんですよ。ですから遠慮なくかわいがってあげてくださいね。

編集部:最後にアロハストリートの読者へメッセージをお願いします。

マヌエル:ここはワイキキのど真ん中。ビーチの目の前の動物園へ、お散歩気分で気軽に立ち寄ってくださいね。今はまだ準備中ですが、日本語のパンフレットや、動物の説明が書かれた看板も増えていく予定です。1 年中、彩り豊かな植物があります。動物たちも元気にみなさんをお待ちしていますよ。

編集部:今日はありがとうございました!

 

インタビューを終えて
やさしい笑顔で出迎えてくれたマヌエルさん。動物たちの話をするときの楽しそうな姿が印象的でした。動物がひとに与えてくれる感動を大切にしたいからこそ、動物との関わり方を深く考え、自然保護にも力を入れる。エンターテインメントとしての動物園を支える彼の真摯な思いが伝わってきました。

 

 

 

 

 

 

 

ホノルル動物園

 

1964 年の創業以来、長年親しまれていた動物園の正門が新しくなりました。入場券販売ブースやギフトショップ、ベビーカーや傘などの貸し出しセンターが併設されているので、ぜひ利用してみて。

 

[開園時間]  9:00~16:30(クリスマスを除き年中無休) 
[料金]  大人$14/子ども$6(3 ~12 歳)/ 2歳以下は無料
[住所] 151 Kapahulu Ave ※ワイキキ東側、カピオラニ公園すぐ横。 
[電話] 808-971-7171

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