ハワイアン音楽界で注目の実力派トリオ
ハワイのグラミー賞と呼ばれる「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」。2012年、栄えある3冠を受賞した注目のグループ「ワイプナ」の3人にお話を伺いました。
公開日:2012.09.13
更新日:2017.06.14
編集部:ナ・ホク・ハノハノ・アワードの3冠受賞、おめでとうございます!
マット:ありがとう! 正直、受賞すると思っていなかったので驚きました。自分たちの音楽にはもちろん自信を持って活動していましたが、それが認められたという実感が湧いてとてもうれしいです。
カレ:歴史あるナ・ホクでハワイの音楽関係者によって選ばれたことは、本当に光栄です。
編集部:アイランド・ミュージック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した「E Hoi Mai」について教えてください。
マット:ワイプナとして活動を始めて、2枚目のアルバムになります。1枚目の「Mana o Pili」が好評だったので、それ以上のものを作ろうと、ほかのミュージシャンたちにも声をかけてレコーディングしました。このアルバムを作っていたときはまだカレとデュオで活動してたんですが、「Nui Ke AlohaNo Kauai」という曲をデイビッドも加えて演奏した時に「これだ」と感じるものがあって…。その時にデイビッドもワイプナのメンバーとして入ってもらうことに即決したんです。
デイビッド:ワイプナの一員としてぼくもナ・ホクの授賞式で演奏することができ、ふたりにはとても感謝してます。
カレ:2人のハーモニーもいいけれど、デイビッドのウクレレと歌が加わることで、創り出せる音楽の可能性がぱっと広がる感覚がありました。3人目のメンバーを探していたわけではないので、偶然だけど起こるべくして起きた出来事ですね。
編集部:パワーアップし、これからがさらに楽しみですね! ところで、みなさんどんなきっかけで音楽を始められたんですか?
デイビッド:父が名の知れたウクレレミュージシャン(デニス・カマカヒ)だったので、音楽は小さい頃から身近にありました。でもぼくが実際に音楽に興味を持ったのは、高校の時。友だちと一緒に弾き始めたとたん、すっかりウクレレの魅力にはまり、1年後には父と一緒にレコーディングもしていましたね。父とは日本ツアーも行いました。ふたりとも日本の新幹線で過ごす時間が大好きで、移り変わる景色を眺めながら曲作りもしましたよ。
カレ:ぼくは高校生の時にシンフォニーとクワイアに所属して音楽を始めました。大学時代に「Alea」というグループで活動した後、何年か音楽から離れ料理人としてレストランで働いていたんです。そんな時、働いていたバーでマットがぼくを見つけて、一緒にやろうよって声をかけてくれたのが、ワイプナが生まれたきっかけです。
マット:ワイプナを結成したのは、2007年。ぼくたちにとって音楽のテーマは、伝統的なハワイアンソングを自分たちだけのオリジナル・スタイルに生まれ変わらせて、また今に伝えること。ぼくも音楽一家で育ったので、家族からハワイアン・ミュージックだけでなく、文化や歴史、神話など、色んなことを教わりました。
編集部:ハワイの音楽は奥深いですよね。言葉に込められた意味や歴史を知るほどに、感動が伝わる気がします。「ワイプナ」の「ワイ」は「水」という意味ですよね?
マット:そう、「ワイ」は水。でももうひとつ、「宝物」という意味もあるんですよ。自然にいつも感謝し共存してきたハワイアンの歴史上「水」はとてもありがたく貴重なものとされてきたんです。
編集部:では「ワイプナ」は?
マット:「ワイプナ」は直訳で「湧き水」だけど、スピリットの源、新しく生まれるっていう意味が込められています。雨が降り、山から大地へ浸透した水はろ過され、湧き水としてまた新しく生まれる。その水は人に喜びを与え、心も身体も豊かにする。私たちは音楽を通して、この湧き水のように、聴く人に喜びを与えたいと願っているんです。
編集部:なるほど。だからきっとワイプナの音楽には、癒しの力があるんですね。日本からも多くの人がハワイに癒しを求めて来られますが、おすすめの過ごし方といえば?
カレ:ぼくはダイビングが好きで、よくマットとも一緒にタコや魚を捕りに行きますが、気軽に行けるハナウマベイのシュノーケリングもおすすめ。年中魚がいる最高のスポットですね。
マット:ハイキングもいいよね。山の高いところまで登ると、この島生粋の植物に出会うことができて、おもしろいですよ。ぼく自身、この自然にいつも癒され、インスパイアされて音楽を作ってます。
デイビッド:食事なら迷わず、カパフル通りの「コーナー・キッチン」ですね! 毎週木曜にワイプナのライブ・パフォーマンスをしていますが、プライベートで行くのもいつもここ。刺身や寿司ロール、ポークリブ・カツ、何を食べてもおいしい和食レストランで家族と幸せな時間を過ごし、たっぷり充電しています。
編集部:ありがとうございます。最後に、最近の活動について教えていただけますか?
カレ:9月15日~17日に日本の東京ドームで行われるイベント「Na Hiwahiwa」に参加します。メリーモナークやナ・ホクの受賞者たちが大勢集まる大きなフェスティバルです。3人とも日本が大好きなので、とても楽しみにしています。デイビッドも加わり、トリオとしてますます精力的に活動していくので、ぜひ応援してくださいね!
編集部:3人のさらなるご活躍を楽しみにしています。本日はありがとうございました!
音楽一家に生まれ、ハワイ島のファルセット・コンペティションで優勝経験もあるマット・スプロート、若くして結成したグループ「Alea」でナ・ホク受賞も経験したカレ・ハナーズ、有名なウクレレミュージシャンを父にもつデイビッド・カマカヒの3人は、ともにカメハメハ高校卒業。2007年にデュオとして結成された「ワイプナ」に2012年、デイビッドが加わりトリオとして活動を開始した。実力派が集まり奏でられるハーモニーは、ファンの間はもちろん、音楽関係者の間でも注目を集めている。
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