トランスパック2013外洋ヨットレース開催!
ロサンゼルスとホノルル間をヨットでレースする「トランスパック」が今年も開催されました。日本からは6艇が参加し、すばらしい笑顔でゴールしました!
公開日:2013.07.29
更新日:2017.06.14
「トランスパック」という、ロサンゼルスとホノルルを結ぶ約4,000キロの距離を競い合うヨットレースが、今月開催されました。1906年にスタートした、世界で最も歴史ある海洋ヨットレースのひとつで、キング・カラカウアがハワイの経済発展とアメリカ本土との文化交流を目的として考案したと言われています。今年2013年で47回目を迎えたこの大会。1963年には石原裕次郎さんの「コンテッサ」も参加したことがあり、ヨットマンにとっては憧れの外洋レースです。
僕は2009年からこのレースを観戦させてもらっています。今年日本から出場したのは、毎年参加している「ベンガル7」を含む6艇。また、アメリカをはじめ、イタリア、タイ、オーストラリアなどから集まった計59の参加艇は、「レーティング」というハンディキャップの数字を元に9つのディビジョンに分けられています。
簡単に言うと、大きいヨットから小さいヨット、その構造によるスピードの違いなど様々なタイプのものが参加しているので、一斉にスタートするのではなく、あらかじめ航行にかかる時間を予測して、スピードが遅いヨットから順にスタート。ホノルルで同じころにゴールして、一緒に表彰式ができるよう工夫されています。実際に総合優勝したこの写真の「ドレード(Dorade)」は、とてもクラシックに見えるヨットですが、見えないところに最先端の機器が備わっています。しかもこのドレードは、77年前の1936年にも優勝したことがあるって、すごいですよね!?
今年のベンガル7は激戦区といわれるディビジョン2で、「TP52」という、トランスパックのためにデザインされた52ftt艇などの強豪と戦います。今年注目の日本艇はほかにも、ディビジョン2に2艇、ディビジョン7に3艇。同じクラス内での日本艇同士の争いからも目が離せません。各艇GPSシステムによって航路が捕捉されるので応援するほうもインターネットですぐに位置がわかるので便利です。
さて、トップでホノルルに入ってきたのは、トリマランという3つの胴体をもつ巨大ヨット「Lending Club号」。ほかのヨットが平均速度8ノットから12ノットというなかで、平均17ノットで走る怪物です。
受け入れる側もヨットがいつ到着するかわからないので、たくさんのボランティアたちが24時間体制でGPSをみつめています。事務局もいつも大忙し。深夜に到着する場合もフィニッシュ地点となるダイヤモンドヘッド沖のブイまでサポート艇が出迎え、ホストヨットクラブである「ハワイ・ヨットクラブ」では、美しいレイと温かいシャワーで、10日間以上もかけて航海し続けたクルーをねぎらいます。
フィニッシュパーティーでも、たくさんのスポンサーが食事や飲み物などを提供してくれます。ハワイまで同じ航路を競い合ってきた他艇のクルーとお互いの健闘を称えあう、すばらしいひと時です。参加したクルーに聞くトランスパックレースの魅力は、なんといってもダウンウィンド(追い風)でのセーリングだそうです。今年は風が少し弱かったとのことですが、やはりフィニッシュの瞬間は感無量だったとのこと。
こちらは21日にフィニッシュした青森から参加した「貴帆(KIHO)」のクルーの皆さん。12日間を8人のクルーで戦い抜き、もうひとつの日本艇「テンクウォーター」とフィニッシュまで最後のデッドヒートを繰り広げた結果、ディビジョンで見事1位、2位のワンツーフィニッシュです。おめでとうございます!
こちらは、「ベンガル7」のクルーの皆さん。ベンガル7も9日間というスピードで到着しました。ただ最終日はモロカイチャンネルが予想外に風が吹いてなくて、時間がかかってしまったとのこと。激戦区だったため、残念ながら上位入賞はできませんでしたが、継続して参加していることが本当にすごいと思います。お疲れ様でした!
こちらは今回トランスパック初出場の「クレセント艇」オーナーの平井さんと「ベンガル7艇」オーナーの邨瀬さん。「日本艇が一緒にトランスパックを走り終えられてとてもうれしい」と感想をおっしゃっていました。
新しく導入される予定の「HPR」というレーティングのクラスで、日本艇の「ビーコム(Beecom)」が優勝を飾りました。アメリカズカップにも参戦したこともあるクルーがいることでも期待されたチームが、見事優勝。おめでとうございます! 日本の底力を見ましたね!
こちらはディビジョン7で約3000キロのマッチレースを2艇で繰り広げ、見事ワンツーフィニッシュした貴帆とテンクウォーターのスキッパーのキタダさんとタカハシさんのお二人。冷たいドリンクがさぞやおいしく感じ、また、ほっとされていることでしょう。僕はヨット・クルージングで仲間とハワイの島々を巡りますが、こんな夢のあるレースにもいつか参加してみたいものです。参加したクルーおよびサポーターの皆さん、お疲れ様でした。2015年、またハワイでお会いしましょう!
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