12月7日のパールハーバー「黒焦げの水筒」

12月7日のパールハーバー「黒焦げの水筒」

真珠湾攻撃から72年経ったこの日、アリゾナ記念館で行われた「黒焦げの水筒」慰霊祭。平和について考える意義ある一日でした。

公開日:2013.12.10

更新日:2017.06.14

ハワイのイベント・レポート

 アロハ! メグミです。
 12月7日(土)、パールハーバーのアリゾナ記念館にて行われたThe Blackened Canteen Ceremony「黒焦げの水筒」慰霊祭が行われました。その様子をお伝えするとともに、パールハーバー歴史観光の起点ともなるアリゾナ記念館ビジターセンターについて、ご紹介したいと思います。これから訪問を考えている方は、ぜひ参考になさってくださいね。

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 真珠湾攻撃から72年を数えるこの日。アリゾナ記念館ビジターセンターの入り口にたなびく旗はすべて半旗になっていました。この半旗には、犠牲になった人々への哀悼の意が込められています。

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 ビジターセンターをはじめとするパールハーバー各種施設への入場には、バッグの持ち込みが禁止となっています。ビジターセンター入り口に向かって右側に、手荷物預かり所があるので、そこでバッグを預けることができますよ。ただしお財布などの貴重品は預けず、携帯するようにしてくださいね。なお、バッグは持ち込み禁止となっていますが、貴重品やカメラ、携帯電話は持ち込み可能です。

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 こちらがアリゾナ記念館。戦艦アリゾナが沈むちょうど真上に建てられたメモリアルは、まるで海の上に浮かぶモニュメント。入場へは、まずビジターセンターの窓口にてチケットを受け取ります。チケットには時間が書かれているので、時間になったら映画館(シアター)へ行き、パールハーバー襲撃に関するドキュメンタリー映像を鑑賞します。その後、桟橋から専用フェリーに乗り、海上のアリゾナ記念館へ。なお、アリゾナ記念館への入場は無料です(寄付が受け付けられているので、お気持ちの金額を投入するのが良いかと思います)。

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 アリゾナ記念館の中に入ると、「黒焦げの水筒」慰霊祭の主催者である菅野医師の姿がありました。菅野医師は、1972年より毎年、賤機山(しずはたやま)の山頂にある静岡市民への記念碑「平和観音像」と、23人の米兵への石碑「B29墜落登場者慰霊碑」にて、毎年6月20日に一番近い土曜日に日米合同の慰霊祭を行っています。

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 この水筒は、1945年6月の空襲時に静岡県上空で衝突し、墜落した米兵の遺品です。墜落現場で発見された水筒には、握りしめていた米兵の指跡がくっきりと残っていて、壮絶な最期を無言で物語っています。この水筒は伊藤福松さんによって発見され、日米合同慰霊祭が行われることとなりました。その後、伊藤さんと菅野医師が出会い、毎年慰霊祭が行われるようになったそうです。

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 菅野寛也医師、太平洋航空博物館パールハーバーの館長ケネス・デホフ氏、アメリカ合衆国国立公園局主任歴史家のダニエル・マルティネス氏のスピーチが行われた後、日米両国の犠牲者の冥福を祈り、黒焦げの水筒からバーボン・ウイスキーが海へと注がれました。

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 バーボン・ウイスキーが注がれる海面には、重油が浮いているのが見えます。これは、海底に沈む戦艦アリゾナから滲み出ているもの。72年が過ぎた今でも、その爪痕の大きさを伺わせます。この戦艦には、いまでも1,177名の兵士が眠っているのですよね。

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 国旗に敬礼をする現役海軍のみなさん。国は違えど、犠牲になった先達への尊敬の念や平和への思いは同じですよね。ちなみにこの日は、アリゾナ記念館にたなびくアメリカ合衆国国旗を、現役海軍のみなさんが掲揚し、こうして敬礼、また取り外して別の合衆国国旗を掲揚する…ということを繰り返していました。この国旗チェンジは、犠牲になった方の数に合わせて行われるそうです。

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 この式典には、山本五十六の出身地である新潟県長岡市からの学生さんたちも参加していました。最後にみんなで記念撮影。こうして今年の「黒焦げの水筒」慰霊祭はおごそかに終了しました。この後、フェリーに乗り、ビジターセンターへと戻ります。

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 ビジターセンターには、第二次世界大戦に関するさまざまな展示が行われており、すべて無料で鑑賞することができます。こちらは、今年9月に登場した「サダコの折り鶴エキシビット」。広島の原爆投下10年後、白血病で亡くなった佐々木禎子さんが折ったという鶴のひとつが展示されています。

 第二次世界大戦の火蓋が落とされた場所パールハーバーは、戦争について学ぶ場所であるとともに、平和について強く考えさせられる場所でもあります。戦争という悲劇をいつまでも忘れてはいけないと心に刻むとともに、過去にとらわれるのではなく、いまを生きる私たち、そしてこれからの世代が、どのように友情を育み、平和を保っていけるのかが大事なのだと思いました。みなさんも、機会があればぜひパールハーバーのアリゾナ記念館を訪れてみてくださいね。

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