感動的な書の力が生み出すパワーとは

感動的な書の力が生み出すパワーとは

柔軟な発想で思いのままに描く「心書」とは?届けたい思いを書に託すアーティストの岸本さんが語る「心書」の世界。

公開日:2014.03.06

更新日:2017.06.14

アロハストリート・インタビュー

 おいしいおむすびとお弁当で評判の「いやす夢」が、パシフィック・モナーク・ホテル1階に4号店をオープンするにあたり、2月27日(木)、壁画制作をメディアに公開しました。この制作のために、ハワイを訪れた岸本亜泉(きしもとあい)さんは、「書道」を従来の枠にとらわれず、心のおもむくままに自由に表現する「心書」アーティストなのです。制作前に心書のこと、ハワイのお気に入りの場所についてお聞きしました。

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岸本亜泉(きしもとあい)

2008年、夢と感動を生み出す筆文字「岸本商店」を開業。時にはやさしく、時にはダイナミックに感情豊かに表現される書体が人気となり、全国各地から注文が殺到。その後、心書をツールに全国各地でワークショップやセミナーを開催。2013年には心書をはじめとする3つのビジネス専門コースを提供する「K2アカデミー」を設立。オンラインによる講座も展開している。

編集部:はじめまして。岸本さんは心書と呼ばれる独自のスタイルの書を描くアーティストとしてご活躍されていますが、そもそも心書が生まれるきっかけは何だったのでしょうか。
岸本さん(以下、岸本):11年前にに京都の呉服屋で営業として働きはじめた時、セールスで一番を取る!と目標を決めたんです。ただ、呉服の知識もなく、営業のキャリアもない私がナンバー1になるなんて到底無理。そこで考えた結果、「そうだ! お客様の心をつかめばいいんだ」とひらめいたんです。それから、ご贔屓になってもらうためにいろんな方に礼状を書き始めました。
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編集部:お客様から反応はありましたか?
岸本:いやー、全然なかったですね(笑)。まったく反応がないので、送ってはいるけれどちゃんと見てもらっているのかなと疑問に思い始めました。それで今度は、目に留まるように書こう!と思って、たまたまそばにあった筆ペンで書いてみたらすごく目立つ礼状ができて今度こそ!と思ってまた送りました。
編集部:その反応は…?
岸本:1カ月経ってもまた反応がありませんでした(笑)。見てもらっているはずなのに何で?とまた考えて、相手の心に届いてないからだと気付いたんです。それまではただ目立てばいいと思って、何も考えずにひたすら書いてました。でもきちんと相手に感謝の気持ちを込めて書き始めたら、どんどん電話がかかってきて、お客様から「落ち込んだ時に見ては元気をもらってるよ」などといろいろな感想を頂きました。私も書いているうちに心が豊かになってくるのを感じ、これってすごいツールだなと思い始めたんです。
編集部:具体的にどんな風に書き方を変えたんですか?
岸本:相手に感じて欲しい感情を自分で感じながら書くようにしました。相手に笑って欲しい時は自分もにっこり笑って。相手に元気になって欲しい時は自分もパワフルに!そうするとそれぞれの感情に合わせて字もシンクロするんですよ。
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編集部:なるほど。そうして心書が生まれたんですね。では今回日本を飛び出し、ハワイにある「いやす夢」の新店舗の壁に、心書を書くことになったいきさつについてお聞かせください。
岸本:去年の年末にハワイに来た時、英語もしゃべれないけど、ハワイで出会った人に文字を書いてはプレゼントしてたんです。なんでそんなことやってたんだろうと今思うと、日本での活動は慣れていて快適だけど、誰も自分のことを知らない外国でいろいろチャレンジして、自分自身をもっと成長させたいという思いが強くあったからだと思います。そんな時、たまたまいやす夢に行って、おにぎりを食べたらすごくおいしかったので、心書でメニューを書いてプレゼントしたんです。そしたら帰国日にオーナーの方から連絡をもらってぜひ会いましょうということに。そこで新店舗の壁画の話が決まったんです。
編集部:心書を通していろいろな出会いや縁ができていくのですね。これからこの心書をどのように広めていかれたいですか。
岸本:現在ウエブで実施しているオンライン講座は、世界中どこからでも参加できるのでこれからもずっと続けていきたいですね。海外へも積極的に訪れて講座や作品作りをしていきたいです。それから、現地で心書を広めてくれるような人材の育成も興味があります。世界中のみんながかばんの中にいつも筆を忍ばせて、何かあったら心書をやってもらえるようになるといいなあと夢みています。
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編集部:最後に、岸本さんお気に入りのハワイの場所や過ごし方について教えてください。
岸本:もちろん、いやす夢さん!(笑)。4号店のオープンが楽しみです。それからやっぱり海ですね。もともと南国と海が大好きなんです。とくにハワイは小さい頃から何度も来ていたので、親しみがありますね。具体的にどこのビーチというのはないですが、海に入ったり眺めているだけで心が落ち着くのでお気に入り。あと、こっちの人ってすれ違うときににっこり微笑んでくれるのがとても素敵!都会も好きですが、島のこういうのんびりしたところもいいですよね。いつか、心書を勉強する人たちが集えるような家をハワイで持てるといいなと思っています。
編集部:夢が広がりますね! これからますますのご活躍を期待しています。

インタビューを終えて
壁画制作という大仕事の前に快くインタビューを受けてくれた岸本さん。制作用のインクや筆はすべて現地で調達しているそう。「今日はインクとの相性が合うかなと不安もありますが、そこにあるものだけでどれだけのものが生み出せるのかチャレンジしたいんです」と語る岸本さんがとても印象的でした。岸本さんの壁画制作の様子や書は編集後記でチェックできます。

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