講演とワークショップのため、ハワイを訪れたダンサーであり女優でもある甲田真理さん。7月25日(金)に全米公開されるハリウッド映画「ステップアップ オールイン」についてやボランティア活動まで、いろいろお話を伺いました。
甲田真理/女優
コウダ・マリ
東京都新宿区歌舞伎町生まれ。語学留学のため、ニューヨークへ渡米。もともと趣味で始めた独学のダンスは、NYのクラブなどで踊る度に注目を集め、周囲からの勧めもあり本格的に取り組むことに。その後、さまざまなコンテストで優勝し、MTVアワードのオープニング・アクトでアジア人初となるパフォーマンスを披露するなど、ダンサーとしてのキャリアを築き上げる。2008年、米ディズニー配給のハリウッド映画「ステップ・アップ2 ザ・ストリート」の一般公募オーディションに参加し、1500人の中から選び抜かれハリウッドデビュー。2014年夏に公開される「ステップアップ オールイン」を含めシリーズ4作連続出演を果たし、今後の活躍が期待される注目の女優。
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──アロハ! 初めまして! ニューヨークを舞台にダンサーとして、女優として活躍し、歴代ダンス映画の興行成績を公開後たった1週間で塗り替え、ダンスブームを巻き起こした「ステップ・アップ」シリーズに出演されている真理さんですが、そもそもNYへ行かれたきっかけは?
真理:高校生の時に1カ月間だけニューヨークに行って、その時「私が住むのはここだ!」と直感で決めました。どうやったらニューヨークに住めるかな、と考えて語学学校に通うことを決意しました。一旦日本へ帰国して、高校を卒業し改めてニューヨークに渡ったんです。
──ニューヨークのどこが気に入ったのですか?
真理:とにかくいろいろな国の人がぐしゃーっと集まっているのに、誰も自分に干渉してこない。そういう適度なほったらかし感が気に入ったのかもしれませんね。
──ちなみにその当時英語は?
真理:全然です!(笑)しかもニューヨークの語学学校の先生が、当たり前ですけど、全然日本語が話せないので「なんでこの先生日本語しゃべれないの?」とクラスメートに聞いて呆れられました。学校のスタンスがよく分かってなかったですね。
──そこからニューヨーク生活を経て大ヒット映画の「ステップ・アップ」とはどのように出会われたのですか?
真理:ダンサーとしてNYでいろいろなキャリアを積んで、コネクションも増え、多くの方からいろんなオファーを頂くようになった時期に、友だちが心臓発作で倒れたんです。看病している間、頂いたオファーをすべて断っていたのですが、病状が回復してきた頃、「真理は才能があるんだから、それを埋もれさせちゃいけない」ってその友だちがアドバイスしてくれて。その時たまたまチェーンメールで知った、よく分からないオーディションを受けに行ったら、それが「ステップ・アップ」のオーディションだったんです。
──「ステップ・アップ」のオーディションだと知ったのはいつ?
真理:オーディションの後ですね(笑)。その日はダンスだけでなく、カメラの前で何か一言しゃべるテストがあったんですが、とにかく人が多くてカメラ前は長蛇の列。私は一番最後でめちゃくちゃ待たされたんです。だから私の番になった時「長いよ!」と思わず言っちゃいましたね(笑)。その後、エレベーターで「これ何のオーディション?」って聞いたら「ステップ・アップだよ」と言われて。「ああ、コマーシャル?」ってまだ分かってなくて「違うよ、映画だよ!」って言われて初めて映画のオーディションだと知りました(笑)。
──すごいですね。知らずに受けたなんて。
真理:映画も見たことなかったですし。しかもオーディションを受かったのに一度断ってるんですよ。友だちの結婚式があったから(笑)。
──えー、友だち思いなんですね~(笑)。
真理:でしょう?(笑)でも逆にその友だちに怒られて、出演することを決めました。みんな、いろいろな分野で成功している人たちばかりで、このチャンスの大切さを分かってたからこそ、真剣にアドバイスしてくれましたね。
──撮影はどのように進んだのですか?
真理:撮影は大体いつも3カ月くらいかかりますね。私が演じる日本人留学生のジェニー・キドという役は、当初台本にはなかったんです。特別に私のために作ってくれた役なので、キャラクター設定は自分でやりながら撮影しました。意外と自分と共通するところがたくさんあって、演じやすかったですね。そういえば、台本をもらったのは撮影が終わったあとでしたね(笑)。
映画「ステップアップ オールイン」より
──初出演作「ステップ・アップ2」から夏に公開されるシリーズ5作目「ステップアップ オールイン」まで、4作連続出演されてますね。
真理:そうですね。実は、映画の公開と同時にギネス申請もしようと思っているんです。あとね、シーズン6にも期待しているんですよ。私の役だけ恋人ができないから、次があれば、恋人を作って! ってプロデューサーに頼んでおきました。恋人役はジャスティン・ティンバーレイクをリクエストしたら、「ええ~!?」って言ってました。それからそのプロデューサーからは一切その話がないんですが…(笑)。
──次作があれば恋人役に注目します! 映画でご活躍されている真理さんですが、日本を中心にワークショップや講演など、とくに子どもたちを対象にしたボランティア活動にも力を入れていらっしゃいますよね。きっかけは?
真理:う~ん、やっぱり日本の未来を考えた時にこれからの日本を背負っていくのは子どもだと思うんですよね。海外に出て日本を客観的に見た時に、自分が生まれ育った国がどうなっていくのかとても興味があるし、ダンスや講演を通していろいろなことを伝えていきたいと思ったんです。たとえば英語は学校で必修科目ですが、なぜ学ぶのか、学ぶ意義を考えずに勉強している子が多いですよね。だからその意義を提示してあげるだけで、学ぶ意欲がぐっと変わってくると思うんです。実際、講演に行った学校の先生からも「子どもたちが英語を勉強する意識が変わってきた」とお手紙をもらったことがありますよ。
──学ぶ意義を理解するのとしないのとでは全然違いますよね。それだけでも視野が広がるというか。
真理:そうですね。ある日バンクーバーで撮影している時、「真理さんですよね!?」と声をかけられたんですが、なんと私が7~8年前に佐賀でのダンスワークショップに参加してくれた方だったんです。「真理さんのおかげで海外に目を向けることができて、留学してるんです!」って言ってくれて。
──真理さんのお話がきっかけになったんですね。ところで、ハワイではどのような活動を?
真理:ハワイでもワークショップを開催したり、高校などの学校に呼ばれて講演をしたりしています。ハワイはニューヨークほどいろいろな娯楽があふれ過ぎてないから、集中して映画を見てくれるステップ・アップ世代の子どもたちが多いですね。だから反応がすごく良くて、映画の影響力の大きさが実感できます。オアフ島だけでなく、ビッグアイランドやカウアイ島にも行ってきましたよ。島から出たことがない子が多いので、外部からのいい刺激を与えることができるといいなと思います。
──そうですね。真理さんに影響されて子どもたちの活動の幅が広がるといいですね。最後に今夏全米で公開される「ステップアップ オールイン」の見どころを。
真理:今回は3つのグループが劇中に出てきて、展開が驚きの連続です。今までのシリーズで一番面白いかも。それからこの映画は3Dで見て欲しいですね。普通のスクリーンで見るのとは全然違って、本当に目の前でダンスを踊っているような感覚が楽しめますよ。ぜひぜひおすすめです! それから映画の公開にちなんで、日本発のステップ・アップ・ニューヨーク・ツアーを実施する予定です。映画鑑賞やDJツアー、ワークショップなどいろいろと楽しめる内容を企画中で、詳細は後日お知らせしますね。どうぞ、お楽しみに!
──ありがとうございました。またハワイに来られるのをお待ちしております!
真理:こちらこそ、今日はありがとうございました!! 次はぜひ、アロハストリートのカバーガールにしてください(笑)。