ジェイクのレコーディングスタジオに初潜入
新しいアルバムを制作中で絶好調のジェイク・シマブクロさん。レコーディング・スタジオへうかがってアルバムの魅力をインタビューしました!
公開日:2015.02.19
更新日:2017.06.14
アロハ!みなさん。
2月も半ばを過ぎ、ちょっと涼しかったハワイもすっかりいつもの陽気に戻った感じです。青空が広がり、とても気持ちいい毎日の中、ウクレレマスターのジェイク・シマブクロさんはハワイでニューアルバムのレコーディング中です。
レコーディングはオアフ島東側に位置するハワイカイにあるスタジオ「Island Sound Studios」で行われています。ラグーンとココヘッドを見渡せる絶好のロケーションは、ジェイクのウクレレにぴったり。そして今回、初めてそのスタジオでの様子を取材させていただきました!
この日はプロデューサーでありエンジニアのミランと一緒に音源のチェックや新しいレコーディングなどを行っていたジェイク。初めて入ったスタジオの中は、とても和やかな空気に満ちていました。でもほんの少しの感覚や音の違いなどを調整し、鉛筆で譜面に何かを書き入れたり、互いに声を掛け合ったり...。プロ同士の静かで緻密なやりとりが始まると、何かがピンと張り詰めたような雰囲気に。見ているこちらも、ちょっとドキドキします。
いくつもセットされたマイクの間に座り、実際にウクレレを演奏する姿は、ステージでのジェイクとはまたひと味違う感じ。ひとつひとつの音やリズム、それらの余韻や空気まで計算しつくされているように感じました。そんなジェイクに対して、ガラス越しに的確な指示を伝えるミラン。時には大きな笑い声やジョークも飛び出したりして、安心感と緊張感が絶妙にバランスをとっている、そんなすてきな空間でレコーディングが進んでいきます。
ジェイクの弟、ブルースもスタジオで作業中。レコーディング中のメイキングビデオを撮影していました。こちらは相変わらず、にこにこリラックス(笑)。それにしても、本当に仲良しの兄弟ですね。
■■■休憩中のジェイクに、少しだけインタビューもさせてもらいました。
ーーー1月からレコーディングに入っているそうですが、調子はどうですか?
ミラン・バトーサとディーン・タバのふたりがプロデューサーとして関わってくれているので、レコーディングはとっても順調です。ミランは経験豊富なすばらしいエンジニア。オオタサン、IZなどアイコニックなウクレレプレイヤーのレコーディングに携わっているし、ウクレレの音色や個性をとってもよく理解してくれています。ディーンは尊敬すべきすばらしいミュージシャン。僕のメンターのひとりでもある人で、ジャズをはじめ、様々なジャンルの音楽全体についてすごい知識を持っています。この尊敬すべきふたりが、このアルバムを通して僕を正しい方向へプッシュしてくれているから、新しいことにもいろいろ挑戦できるんです。
ーーーいろいろな挑戦...、具体的にはどのようなことなんでしょう。
曲のアレンジ自体やリズム、グルーブ、ハーモニー、テクニック...と、これまでとは違う新しいスタイルにも取り組んでいます。たとえば普段は1つのウクレレを使ってレコーディングするけど、今回は7本ものウクレレを使ってるんですよ。ソプラノ(スタンダード)2本、テナー3本、バリトンが2本...。あ、あとアクセントだけに使うために2本だけの弦を張ったウクレレも使ってるから、これを入れたら8本!ウクレレによって音もキャラクターも全然違いますから。さらに、表現力を極力高めるために、マイクもこんなにいっぱい(笑)。あらゆる方向から音をキャッチして、最高の音源を使えるようにしてみました。こんなレコーディングは経験したことがありません。僕にとっては、どれも新しいアプローチ、つまり「挑戦」なんです。
ーーーたしかにすごい数のマイクとウクレレ...。ジェイクがスタンダードウクレレを弾くところ、あまり見たことがなかったです。
そう。スタンダードをアルバムレコーディングに使うのはめずらしいですね。このアルバムにはオリジナル曲も多く収録する予定なんですが、今回のテーマは、とっても心地いいホームから旅に出る...楽しいアドベンチャーって感じでしょうか。すべての曲が、何かを探求して発見しているような要素を持っている。ディーンはウクレレプレイヤーとしての僕だけでなく、ソングライターとしての僕にもいろいろなアドバイスをくれるんです。さっきも話したように、リズムやテクニック、サウンドアイデアなどいろんなトライをしているので、ウクレレの新しい可能性も感じてもらえたらうれしいですね。
ーーーこだわりがいっぱいのアルバム...、仕上がりが楽しみです!
このアルバムを聞くと、自分のファミリーや友だち、ハワイ、自分のルーツ、子どもの頃のこと、そして将来まで感じることができるような気がしています。音楽自体の新しい表現方法、たとえば自分のライブラリーの中に新しい言語がどんどん増えてきているような感覚でとてもエキサイトしてるんです。自分だけで演奏していたときはやったことがない奏法や考え方にも挑戦できるのは、チームのみんながいてくれるから。プロデューサーのふたりはもちろん、ドラムのノール・オキモトやキーボードのマイケル・グランデも、そして弟のブルースもね。チームとしてお互い認めながら1枚のアルバムを作っているんです。
ーーーお互いがリスペクトしあって向上できるって、すばらしいチームワークですよね。
そう。誰かのエゴもなく、自分だけの意見を押し付けることもなく、プロ同士が良いと思える音楽を生み出そうといい状態でアイデアを出しあえる。すごく特別なレコーディングだと思ってます。今の作業が自分をさらに成長させてくれてるのを実感でき、とてもハッピーです。その想いが実際の音にしっかり伝わるようにアルバムを仕上げるつもりなので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!
今回はなんと「ボーカル」にも挑戦!というジェイク。新アルバムはアメリカで今年の夏にリリース予定、そして日本でもリリースされる予定があるそうですよ。本当に楽しみです。
そして、レコーディングが一段落する3月には、カナダ、そしてアメリカ本土へのツアーがスタート。2015年も休む間もなく世界中を駆け巡る、ジェイクの活躍から目が離せませんね!
★2月21日(土) 19:30〜
ライブ@マウイ・アート&カルチャーセンター
(Maui Arts & Cultural Center / Castle :マウイ島)
★6月6日(土)、7日(日)
パフォーマンス with ハワイ・シンフォニー・オーケストラ
Season Finale with JoAnn & Jake
(Blaisdell Concert Hall :ホノルル)
- ジェイク・シマブクロ
(Jake Shimabukuro)- 1976年11月3日生まれ/ハワイ州ホノルル出身。
4歳からウクレレを始め、1998年ピュア・ハートのメンバーとしてデビュー後、2002年ソロデビュー。ウクレレの特性を活かしながらロックやジャズ、ブルースなどのあらゆる音楽を取り込んだそのスタイルは、ハワイのみならず世界中のミュージック・シーンに大きな衝撃を与え続けている。- 【公式サイト】
www.jakeshimabukuro.jp(日本語)
www.jakeshimabukuro.com
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