パリ・ハイウェイを越えてまで通いたい店
ハワイのグルメを語るならこの人におまかせ!ショーン・モリスがカイルアの注目レストラン「ザ・フード・カンパニー・カフェ」をご紹介します。
公開日:2015.05.07
更新日:2019.12.26
ハワイのグルメシーンでは欠かせないアイコン的存在のショーン・モリスによる連載コラム「ショーン・モリスのハワイ最新グルメ探訪」。第6回は、カイルアの穴場スポットをご紹介します!
アロハ、ショーン・モリスです。
カリフォルニア州の名門校とタイの料理学校で基礎を学び、東南アジアや南米を旅して料理人としての腕を磨いた、経験豊富なオーナーシェフが経営するダイニング。カイルアにある小さなショッピングセンター内にある隠れ家的なお店で、「シンプル、フレッシュ、ローカル」をモットーに、オーナーシェフ自らが作り上げるモダンエスニックテイストの料理の数々を味わうことができると地元では人気のレストランです。
最近僕がカイルアに行く一番の理由
僕は、美味しいもののためならどこへでも行きます。価値ありと見れば、たとえ遠路であろうと平気で旅をします。だから遠くの町にある評判の店で日本人旅行者を見かけたりすると、君たちもか、と同類に巡り会ったようなうれしい気持ちになります。
さて、そんな僕が最近とくにはまっている店があります。それはカイルアビーチから車で10分ほどの住宅街にあるエンチャンテッドレイク・ショッピングセンター内にある「ザ・フード・カンパニー・カフェ」。月に数回、わざわざパリ・ハイウェイを越えて通うほどの懲りようです。オーナーシェフのジェイソン・キヨタ氏が作るハワイ各地でとれた新鮮食材にヨーロッパと東南アジアのフレーバーを溶け込ませた、ひと味違うハワイ・リージョナル・キュイジーヌが相当いけるからです。
毎回必ず注文するのは、ロービーツとふじりんごのサラダ。レモン風味の山羊チーズの上にビーツとりんごをのせ、白トリュフのヴィネグレットソースを振りかけた目にも美しいサラダですが、見かけだけでなく山羊チーズ特有の風味とレモンの酸味、シャキシャキの生ビーツとりんごの甘味、新鮮なタアサイのほのかに刺激のある味、そしてトリュフの土っぽい香りのバランスが抜群です。前菜としてはほかに、カレーが香るコナアバロニのエスカルゴ風(柔らかなアワビのガーリックバターソース仕立て)、ミッションいちじくのロースト(クリーミーなゴルゴンゾーラと甘く煮詰めた熟成バルサミコグレーズの兼ね合いがナイス)、タイチリバジルクラム(レモングラス、こぶみかん、えびペーストの香しいブロス仕立て)、ハドソンバレーフォアグラ(洋梨、いちじく、バルサミコ酢のガストリック)などがおすすめです。
最高にしっとりほろほろのショートリブ
赤ワイン煮トリュフのデミグラス
これら前菜をいくつか頼んで主菜代わりにすることもできますが、メインも美味しそうなのがいろいろあるのでどれにしようか迷ってしまいそうです。メニューは、シーフード料理、肉料理、パスタ料理に分けられていて、シーフードは、スイートコーンを折り込んだラングスティーヌ(アカザエビ)と、ワイルドマッシュルームクリーミーリゾット、ニンニクとローストチリとえびペースト味の甘辛タイ風チリガーリックサーモン、赤ピーマンとコリアンダーがカニ肉の甘い旨味を引き立てる超美味なアラスカタラバガニのガーリックカレーソース。肉料理は、香しいラベンダー風味のダックブレスト、ブラッドオレンジのリダクションソース、最高にしっとりほろほろのショートリブ赤ワイン煮トリュフのデミグラスと紫スイートポテトのマッシュ添えなどが代表的なところです。
パスタ料理も見逃せません。僕のお気に入りは、スペシャルのアルデンテに茹でたパッパルデッレ・リボンパスタ。スモークド・ロシアンドレッシングがアクセントになった濃厚ミートソースがクセになりそうです。もし来店時に残念ながらこのメニューがなければ、美味しいソースが絡まったスペシャルハウスニョッキを試してみてください。
【限定メニュー】
ハワイ産タコのコンフィを白インゲン豆やケッパーと共にトマトソースで味付けした前菜。盛り付けも美しく目でも楽しめます。
【限定メニュー】
カレーが香るコナアバロニのエスカルゴ風&ハドソンバレーフォアグラ
実は僕がこの店に足繁く通う最も大きな理由のひとつは、キヨタシェフがアロハストリートファンのためにと特別に作ってくれた裏メニュー"ガーリックシュリンプ・プレート"です。白い御飯と昔なつかしいスパゲティのマカロニサラダ付きで、これは我ながら驚くほどよく食べたくなります。ニンニクとオリーブオイル、バター、トマト、少量のタイカレーをブレンドした彼のソースは、どこにも勝る美味しさ。このひと品だけでもカイルアまで足を伸ばす価値大いに有りです。わざわざノースショアまで行かなくてもいいかもしれません。皆さんも一度この味を知ったら、僕がなぜ山越えをしてまで通ってしまうのか納得してもらえることでしょう。
※ザ・フード・カンパニー・カフェは閉店しました(2020年12月現在)
【ショーン・モリスのハワイ最新グルメ探訪】
第1回 グロンディン フレンチ・ラテン・キッチン
第2回 ダゴン
第3回 MWレストラン
第4回 カン・ザマン
第5回 ザ・ヌック・ネイバーフッド・ビストロ
- この記事をあとでまた
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