大江千里さんが語る2度めのハワイイベント
2014年に続き、ハワイで2度めとなる東日本大震災津波復興チャリティコンサートを5月4日、5日に行うジャズピアニストの大江千里さんにインタビュー!
公開日:2016.04.07
更新日:2017.06.15
アロハ!リツコです。
2014年5月、ハワイで開催された大江千里さんと八神純子さんの「東日本大震災津波復興チャリティコンサート」。私たちも会場へ行き、そのすてきな時間を共有させていただきました。ニューヨークを拠点に活躍する大江千里さん、ロサンゼルスで活動されている八神純子さん、そのほか多くの人たちのアロハがひとつになったあのコンサートから2年、2016年5月4日(水)と5日(木)、2年ぶりにハワイでのコンサートが実現することになりました!その名も『大江千里プレゼンツ 東日本大震災津波復興チャリティコンサートin ハワイ - ハナホウ!フィーチャリング八神純子 & スペシャルゲスト』。というわけで、ニューヨークにいらっしゃる大江千里さんに、今回のコンサートについての想いをお聞きしました。
編集部:アロハ!お久しぶりです。いよいよハワイでのチャリティコンサート「ハナホウ!」が来月に迫りましたね。
大江千里さん(以下/千里):アロハ!ご無沙汰してます。2年ぶりにハワイに戻ります。実は、前回コンサートを終えてニューヨークへ戻る日に、ハワイでイベントを支えてくれた人が「え、千里さん!ハワイの海に入ってないの?じゃあ、帰る前に行っちゃいましょう!」って突発的にラニカイ・ビーチに連れて行ってくれまして(笑)。そこで足を海の水に浸した時に、なんだか気持ちがふーっと溶けたような気がしたんです。その瞬間に「また必ず戻ってきてハワイでチャリティライブやりたい!」って思って、宣言したんです。それが実現することになって、本当にうれしいですね。
編集部:前回のコンサート、とっても温かくて素晴らしかったです...。私たち、いろいろ感じて涙したのを覚えてます。そのイベントが終わってすぐの時点で、もう次を計画されていたとは!
千里:そうなんですよね。ハワイという場所は、僕自身にとっても特別な場所だし、本当にマジックアイランドだと思ってるんです。80年代後半〜90年代にかけて、実は何度もハワイへ訪れていて、ハワイで作った曲もけっこうたくさんあるんですよ。でも、2008年にジャズを本気で志してニューヨークへ向かってからは、なかなか行けなかった。それで久しぶりに2年前に再会したハワイは、やっぱりすごくやさしくて温かくて...。実はね、前回ハワイから戻るときに、意を決してそれまで吸っていたタバコをやめたんです。それから約2年、一本も吸ってない。禁煙できたんですよ。これもハワイのマジックじゃないかな。自分自身の身体の状態まで変えられるなんて、すごいことでしょう?
編集部:すごい!すばらしいですね!ハワイパワー、恐るべし。
千里:そんなハワイという場所へ被災地東北の子どもたちを招待して、自然や文化に触れたり現地の子どもたちとの交流を通して夢や希望を持ってもらえるようにしたいという「レインボー・フォー・ジャパンキッズ」の活動は、とても有意義だなと思うんです。だから、少しでも協力できたら。子どもたちの背中をそっとでも押してあげられるような手助けを、続けていけたらと思っているんです。
編集部:そうですね。震災から5年経ちましたが、ハワイでのレインボー・フォー・ジャパンキッズの活動によって本当に多くの子どもたちがハワイを訪れています。
千里:なんだろう、静かな情熱みたいなものを感じるんです。海外に住む日本人として、日本にいないからこそ感じることとか見えることとか、そういった感情もあるのかもしれません。だから僕も少しでも協力できたら、子どもたちの背中をそっとでも押してあげられるような手助けができたら、と思い続けています。今回のチャリティコンサートでも、集まったお金はレインボー・フォー・ジャパン・キッズの活動に寄付させていただきます。今みたいに世界中でいろいろな事が起きている状況下にあって、音楽に携わる者として「平和な日常がすばらしい」ということへの感謝を音楽を通じて表現していくことも大切だと思っています。そんな事いいながら、自分も日常はバタバタしてばかりなんですけどね(笑)。
編集部:先日は、日本の福島でもチャリティコンサートに参加されていましたよね。
千里:はい。「Music for Tomorrow in Fukushima」というイベントに参加させてもらいました。そうそうたるメンバーの中、今回またハワイで一緒にやる八神純子さんやハワイのマノアDNAのみんなもいて、すごく良いイベントでしたね。楽屋にね、レインボー・フォー・ジャパンキッズとしてハワイへ来た子たちが挨拶に来てくれたんですよ。お礼を言いにって。それまでは英語なんて学校の授業でも勉強してなかったけど、今はハワイに親友ができたから、彼らとフェイスブックとかでコミニュケーションを取るために自分から英語勉強してます、ってうれしそうに話してくれてね。正直、お礼なんて言われることをまったく想像してなかったし、彼らの姿を見て、なんか、とにかくものすごく感激しました。
編集部:すごいですね...。ちゃんとつながってるんですね。
<八神純子>
<マノアDNA>
<折原美樹>
<小笠原みさ>
<ホノカ&アジータ>
千里:そうなんですよ。つながってる。すごいことです。だから、5月のハワイでも、またいろいろなつながりっていうか、ご縁みたいなものを紡ぎたいなと思います。今回は、八神純子さん、マノアDNAのみんな、ニューヨークで活躍している、ダンサーの折原美樹さんやジャズシンガーの小笠原みささん、そしてハワイのガールズデュオ、ホノカ&アジータなどが参加して、前回以上にスケールアップしたパフォーマンスになりそうでワクワクなんですよね。7月にリリース予定の僕のニューアルバムの曲を特別にアレンジしたり、ここでしか聴けない特別な曲やコラボレーションも披露しようと思っているので、みなさんもぜひ楽しみにしていてください!
編集部:5月のイベント当日が待ち遠しいです。
千里:本当にね。でもこういうのって、待ち遠しく思いながら準備したりいろいろ考えている時間も楽しいじゃないですか。ハワイまでの約1カ月は、言うなら夢に向かって歩いている時間ですから。今を大切に、とにかくほかでは実現できないようなイベントを創り上げられるようにね。思い返せば5年前に震災があったとき、僕はニューヨークにいて、まわりのみんなが「日本は大丈夫か?」「なにかできることはないか?」ってものすごく声をかけてくれたんですよね。さっきも言いましたが、その時からずっと、海外にいたからこそ感じられる思いみたいなものもあって...。大事にしたいことがいっぱいあるからこそ、今がんばれるというか。
編集部:ハワイでも同じです。5年前はローカルの人にとても温かい声をかけてもらったし、チャリティイベントも数えきれないほど行われました。
千里:ですよね。そしてもちろん、今でも思いは続いている。僕もハワイへ行く前4月14日、そのスピン企画としてニューヨークでも「大江千里 里山コンサート」と題した東北へのチャリティコンサートを行うことにしました。NY宮城県人会さんと一緒にね。僕のソロピアノで日本の楽曲をジャズアレンジにして弾く予定です。そこでの義援金などもみんなの思いと一緒にちゃんと持って行きます。それとは別ですが、元タカラジェンヌの加茂うららさんからも、応援のドネーションを預かってます。静かに、でも確実に、こういう思いを届けます。待っててくださいね。
編集部:はい、楽しみに待っています!私たちも応援させていただきますので、ぜひ素晴らしいコンサートを魅せてくださいね。
千里:ありがとうございます。2年前に、ハワイのみなさんのアロハを感じて「オハナ(家族)」という感覚を強く実感しました。2回めとなる今回も、さらに楽しく意味の深いものにできるよう、シンプルに気持ちを膨らませてその日を迎えたいと思っています。では、5月にお会いしましょう!
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