リッツに誕生したBLT Marketでハワイを食す
ザ・リッツカールトン・レジデンス ワイキキビーチの8階にオープンした「BLTマーケット」をグルメライター、ショーン・モリスがご案内!
公開日:2016.08.24
更新日:2017.06.27
アロハ!
ハワイを拠点に世界中でグルメライターとして活躍するショーン・モリスが、アロハストリートのために執筆する連載コラム「ショーン・モリスのハワイ最新グルメ探訪」。今回は、ワイキキのラグジュアリーなホテルにオープンしたばかりのレストランをご紹介します!
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農家から食卓へ、そして楽園まで!
BLTマーケットが地元産食材の新高値を築く
地産地消はいまや世界中で時の話題です。食材がどこで仕入れられ、私たちが口にするそれらが、果たして体にとってピュアでヘルシーであるのか否かは、誰もが気にかけている事柄。ハワイも例外でなく、ロコたちは、地元であるこの島で育つ食材に誇りを持っていると言っても過言ではありません。食材に軽く衣装をまとわせることで、その食材本来の美味しさを引き立たせるシェフがいれば、一方で、驚くべき調理法により、地方的な味わいをコスモポリタンな魅力あふれる料理に生まれ変わらせるシェフもいます。
先日オープンしたザ・リッツカールトン・レジデンス ワイキキビーチの8階にある「BLTマーケット」は、ファーム・トゥ・テーブル(農家から食卓へ)のムーブメントにおいて、異彩を放つレストランです。ニューヨーク発祥で数々の受賞歴に輝くBLTマーケットは、トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキにあるBLTステーキ・ワイキキと幾分異なります。BLTマーケットは、ステーキやチョップ(あばら骨のついた豚肉や羊肉)をあまり強調せずに地域ならではの食材をハイライトし、ハワイの恵みを表現しているのです。
一歩足を踏み入れると、清々しい風が通るオープンエアの空間から、ワイキキと太平洋を一望する景色が目に飛び込んできます。入り口のバーにある、セルリアンブルーの海と紺碧の空を壮大に映し込む鏡張りのウォール、また、華々しく高い天井が、優雅な食事へといざなうことでしょう。
カクテルメニューは、アシスタント・ジェネラルマネージャーのデイン・トゥッツィオ氏がミックスしたオリジナルカクテル(ベルベット・パイナップル、ジューシーなブレンドのハンガー・ワン・ウォッカ、ベルベット Falernum リキュール、パイナップル、バジル、レモン)、リリコイ・マルガリータ(エラドゥーラ・シルバー・テキーラ、パッションフルーツ、トリプル・セック、ライム)、エバー・チェンジング・ファーマーズ・モヒート(その日に採れる農作物とミント、サトウキビ、ライム、バカルディ8ラム)、そして、僕のイチオシであるラベンダー・レディー(ラベンダーの香りがする、ヘンドリックス・ジンとカパサルド・プロセッコのブレンド)を。
左:Rosemary Refresher 右:Lavender Lady
ノンアルコールなら、慣れ親しんだコカ・コーラやオレンジジュースなどとは異なる味を試したい方のために、ローズマリー・リフレッシャーがオススメ。ホームメイドのローズマリーシロップとジンジャーエールにライムを絞った爽やかなドリンクは、体をスッキリと目覚めさせます。
奥に行くと控えめな風貌のダイニングルームがあり、ここは76名まで収容可能。BLTステーキ・ワイキキでエグゼクティブシェフを務めたジョアン・セブンソン氏が腕によりをかけて創るインターナショナルな味わいを堪能することができます。
左:Executive Chef Johan Svensson 右:Sean Morris
朝食、ランチ、ディナー、ブランチまでも、バラエティに富んだメニューで楽しませてくれることは間違いありません。
たとえば、焼き魚と味噌スープがセットになった「ザ・ベントー」、アサイボウル、エッグベネディクト、ベリーとリリコイシロップのパンケーキは朝食に。
ブラックトリュフのドレッシングでいただくグリルしたカウアイシュリンプのサラダ、チェダーチーズとトリュフのアイオリソースのマーケットバーガー、オリーブオイルとハーブのボーチド・ビッグアイツナ(メバチマグロ)は、お昼に。
しかしながら、僕の最も好きな食事は夜にあります。毎日のサンセットタイムはもちろんのこと、金曜の夜にはヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートのスペクタクルな打ち上げ花火を堪能しながら、セブンソン・シェフが創る、地元の農作物と肉類、魚介類を使った巧みな料理の数々に舌鼓を打つひとときが最高なのです。
Chilled "Aquarium" Big Island kampachi, keahole lobster, pickled local oysters, island poke, local amaebi, seaweed
サービスで提供されるブラジリアン・チーズブレッド(モチのような弾力のあるチーズ風味のポップオーバーに似ている)にやみつきになりながら、注目すべきメニューは、マルコナアーモンドのグレモアータでいただくブレイズド&シアード・オクトパス(蒸し煮にして焼いたタコ)、ハワイ島産カンパチ、ケアホレ・ロブスターテール、クアロア・ランチ産の酢漬けしたオイルター、ローカル・甘エビ、新鮮なアイランド・ポケがセットになったチルド"アクエリアム"、酢漬けしたビーツのサラダがアクセントになる、ゴートチーズを包んだビーツのラビオリ。
そして、アントレを注文するのであれば、何より必ず試したいのが、「クラックリング・シンサト・ファーム・ポーク・シャンク・フォー・トゥー」です。じっくりと時間をかけて火を通してから高温の油でサッと揚げた豚のすね肉は、カリカリのクリスピーな皮がしっとりとした肉の旨味を閉じ込め、その肉は骨からほろりとこぼれ落ちるほどやわらかくなります。
Crackling Shinsato Farm Pork Shank (for two)
最後に甘酸っぱいパイナップル・グレーズや、ポーチュギーズ・クラムとプラウンが入ったパエリア風のサフランライスと共に口にすれば、仕上げは完璧。一週間はまた欲しくてたまらなくなるアントレをシェアすることになるのは否めません。
Frozen Chocolate Lavender Souffle
そんな夜を締めくくるデザートは、マンゴーを包んだマラサダや、私の個人的なお気に入りである、冷たいムースのような食感のオレンジクリームアングレーズ、フローズン・チョコレート・ラベンダー・スフレをどうぞ。ここまでくれば、ハワイが世界に誇るべき素晴らしい食材を生む場所であることを納得せざるを得ないでしょう。
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