えひめ丸17回忌追悼式典に響いたウクレレ
2月9日、オアフ島カカアコで行われた「えひめ丸17回忌追悼式典」に参加したジェイク。アロハに満ちた、式典の様子をご紹介します。
公開日:2017.02.21
更新日:2017.06.17
アロハ!みなさん。
2017年も世界中を飛び回って精力的に活動を続けるウクレレマスター、ジェイク・シマブクロさん。忙しいスケジュールの中、地元ハワイでも様々な活動を行っています。今回は、先日ジェイクも参加して行われた「えひめ丸17回忌追悼式典」の様子をお伝えします。
2001年に愛媛県立宇和島水産高校の実習船えひめ丸がアメリカの潜水艦に衝突され、9名が亡くなった痛ましい事故。それから16年の年月が経った2017年2月9日(木)、カカアコ・ウォーターフロントパークのえひめ丸慰霊碑の前で「17回忌追悼式典」が行われました。
日本からも、約100名遺族や関係者の方々が訪れ、ハワイの関係者とあわせて300名ほどが参加した式典。今年は、宇和島水産高校の現役高校生も4名が参加していました。愛媛県の中村時久知事(上の写真)、デイビッド・イゲハワイ州知事(下の写真)、宇和島市の石橋寛久市長らも出席し、挨拶をされました。
事故について、絶対に風化させてはいけない。9名の尊い命に追悼の意を捧げ続け、彼らの志を受け継ぎながら、今後の海や航海の安全を願っていこう...という想いがあふれていた式典。また、この事故をきっかけに、宇和島市、愛媛県、そして日本とハワイの間に生まれた新しい架け橋の絆を、これからも深めていきたいというお話もありました。愛媛県とハワイ州、そして宇和島市とホノルル市は姉妹提携の関係となり、また学生の交換プログラムなども行われているそうです。
挨拶の後、9名のひとりひとりに向け、日本とハワイの高校生たちが折った千羽鶴を献納。事故が起きた13時43分、静かに黙祷が捧げられました。
そして、その後、ジェイクのスピーチと追悼演奏が行われたのです。
事故の直後、追悼の意を込めた楽曲「えひめ丸」を作ったという縁があるジェイク。遺族の方々とも、何度となく会い、交流を続けてきました。今回17回忌という節目を迎えるにあたり、ジェイクはその楽曲と別の、新しい曲を作ってこの日を迎えたのです。
「今日この場で演奏する機会をいただけたことに大きく感謝します。この曲を作るにあたって、2つのことを考えました。1つは事故の後、様々な想いの中、ハワイと日本の皆さんが交流や友好関係を深めあってきたことの大切さについて。そしてもう1つは、16年という時間が流れた今、これから遺族の皆さんや関係者の皆さんが未来に向けて歩いていくための思いの象徴になるような曲にしたい、とうことでした」とジェイク。悲しみが消えることは決してないけれど、でもそれを乗り越えて未来へ進もうという思いが詰め込まれた1曲を演奏してくれました。
カカアコの丘に響いたウクレレの音色は、本当に特別で悲しくてやさしくて。そして、未来に向けての希望も感じさせてくれるように聴こえました。
その場を深く包み込んだその演奏は本当に素晴らしいものでした。遺族代表の水口さんも、挨拶の冒頭でジェイクへのお礼を述べられていました...。
心を込めた献花や千羽鶴が多数捧げられた、当日のえひめ丸慰霊碑。この慰霊碑は16年間、ボランティアの方々により、毎週土曜日に清掃活動が行われてきました。さらに、年に4回、業者さんによる特別なクリーニングがなされ美しく保たれているのだそう。関係者の方々の「事故を風化させてはならない」、という想いの強いあらわれだと感じました。
亡くなった方々への鎮魂とこれからの海の安全、そしてハワイと日本の絆について思いを新たにした貴重な時。様々な想いがあふれる中、アロハいっぱいの式典はこうして終了しました。会場で、式典後も遺族のみなさんひとりひとりと握手し、じっくり話をし続けていたジェイクの姿がとても印象的でした。
■■今後のジェイク in ハワイ情報!■■
●4月3日(月)、4日(火)、5日(水)
ブルーノート・ハワイ(各日2回公演あり。詳細はこちら⇛)
◎そのほか、ジェイクのツアー情報はこちら⇛www.jakeshimabukuro.com/home/tour/
★ジェイクの公式サイトはこちら(日本語)⇛www.jakeshimabukuro.jp/
(英語)⇛www.jakeshimabukuro.com
- ジェイク・シマブクロ
(Jake Shimabukuro)- 1976年11月3日生まれ/ハワイ州ホノルル出身。
4歳からウクレレを始め、1998年ピュア・ハートのメンバーとしてデビュー後、2002年ソロデビュー。ウクレレの特性を活かしながらロックやジャズ、ブルースなどのあらゆる音楽を取り込んだそのスタイルは、ハワイのみならず世界中のミュージック・シーンに大きな衝撃を与え続けている。- 【公式サイト】
www.jakeshimabukuro.jp(日本語)
www.jakeshimabukuro.com
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