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様々なジャンルで活躍するハワイのキーパーソンが語る、新たな試みや現在進行中のプロジェクトに対する思いや願い。彼らのチャレンジや経験談からあなたの人生をより豊かにするヒントが見つかるかも。
今回の「楽園の仕事人」は、2011年に設立したコハナ・ラムの共同経営者、ロバート・ダウソンさんとジェイソン・ブランドさんの登場です。
ロバート・ダウソン(右)、ジェイソン・ブランド(左)
Robert Dawson(Right)、Jason Brand(Left)2011年に設立したコハナ・ラムの共同オーナー。ハワイでのサトウキビ栽培を復活させ、オアフ島のクニアでアグリコールラムを製造。デルモンテ社が所有していたジェネラスストアを改装したギフトショップでは、ラムやオリジナルグッズの販売のほか、試飲ツアーも毎日開催している。
コハナ・ラムの公式サイト:www.kohanarum.com/
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古代のポリネシア人がカヌーで持ち込み、食用としてだけでなく儀式にも使用されるなど、ハワイの人々の暮らしや文化に根付いたサトウキビ。ハワイの主要産業としてひと時代を築いたが、大手企業の撤退などで工場やプランテーションが次々に閉鎖され、ハワイ産のサトウキビは姿を消すことに。その失われたサトウキビの栽培を復活させ、ラム作りをスタートしたのがコハナ・ラムのオーナーのジェイソン氏(左)とロバート氏(右)だ。
コハナ・ラムでは4種類のラムを販売。 「KEA」、「KOHO」、「KOKOHEKA」が試飲ツアーで味わえる。 「2008年にサトウキビについてのリサーチをスタートしました。リサーチをしていくうちに、サトウキビの歴史や様々なストーリーに興味を持ち、また、絶滅したと思われていたハワイ原産のサトウキビ、マヌレレも発見。これらをきっかけに、ハワイならではのサトウキビを使ってハイエンドなラム作りを目指し、2011年にコハナ・ラムを設立しました」とジェイソン氏。
コハナ・ラムの蒸溜所があるのはオアフ島中央付近の街、クニア。晴天率が高く、農作物の栽培に適したこの土地で34種類のサトウキビを育てている。
「サトウキビは手作業で伐採し、品質の管理も毎回専任の担当者が厳しくチェック。ボトル詰めやラベル貼りも機械ではなく人の手で行っています。私たちは搾り汁そのものを原料としてラムを醸造するアグリコール製法でラムを作っていますが、手間がかかり、大量生産には向かないという理由で、全世界のラム生産量の3%しかこの製法を採用していません。蒸溜所の近くにサトウキビ畑があり、収穫してすぐフレッシュな状態で醸造できる環境が整っているからこそ、この製法が実現できるのです」
ボトルのラベル貼りも手作業で行っている。 ロバート氏がこう語るように、アグリコール製法で作られたラムは希少だ。サトウキビの栽培からひとつのラムを作るまで少なくとも15カ月かかるコハナ・ラムのラムは、ボトルを開けた瞬間、芳香なアロマが広がり、深く切れのある味わいで、そのクオリティの高さは歴然。2018年にはアメリカの蒸溜酒協会の賞も受賞し、その実力は確実に認められつつある。
ギフトショップの天井や床は当時のまま。 蒸溜所に併設されたギフトショップでは、コハナ・ラムの製品が購入できるほか、試飲ツアーも実施し旅行者も気軽に訪れられるよう工夫している。
今後の夢は?という質問にふたりは「農業を通してハワイアンカルチャーを多くの人へ伝えていくこと。そして地域コミュニティに貢献しながら、コハナ・ラムを世界トップクラスのラムに育てること。日本の方にもメイド・イン・ハワイのラムの魅力をぜひ知っていただきたいですね」。
ロバーツハワイと提携して、ワイキキ送迎付きの試飲ツアーもスタートしたばかりのコハナ・ラム。ひとつひとつ手作業でていねいに作られた「Farm to bottle(農場からボトルへ)」のラムが、ハワイを代表する名産品になる日は近い。
ロバーツハワイ
<ロバーツハワイオフィス>
- 住所
- 680 Iwilei Rd Suite 700, Honolulu, 96817
- 電話番号
- 808-954-8637 (対応時間:ハワイ時間の8:00~17:00 日本語可)
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