よしみだいすけのフラナビ・コラム:メレ(うた)を旅するハワイ
よしみだいすけさんが綴るコラム第19弾。コナコーヒーの産地としても有名で、日本からの直行便も就航しているハワイ島コナを歌うメレをご紹介。
公開日:2019.10.08
更新日:2020.01.16
メレ(うた)を旅するハワイ
第19回:ハワイ島コナメレ(mele)とはハワイの歌のこと。
古来よりハワイの人々は、愛し大切にする土地・場所を歌にしてたたえてきました。その文化は今も受け継がれていて、特定の場所をたたえる新しいハワイ語の歌が今も日々生まれています。ハワイ語の歌に、ハワイのどんな景色が描かれているのでしょうか?毎月メレに歌われるハワイの場所を訪れて、そこで見る景色をご紹介しています。
第19回となる今回の訪問先は、ハワイ島コナです。
ノース・コナ
By Sn1per (talk) - [1] ([2]) Data from Hawaiian Government], Public Domain, Linkサウス・コナ
By Sn1per (talk) - [1] ([2]) Data from Hawaiian Government], Public Domain, Link
「コナ Kona」とは、ハワイ島西岸の地域名です。ハワイ語で「風下」を意味するこの地域には、北からコナ国際空港、カイルア・コナ、ホルアロア、ケアウホウ、ケアラケクア、ホナウナウ、ミロリイなどのタウンが含まれます。広い範囲のコナは行政上ケアラケクアあたりを堺にノース・コナとサウス・コナに区域分けされています。
日本からの直行便が就航しているコナ空港からノース・コアの沿岸をドライブで南下しましょう。
左手にそびえるのがコナのシンボル、フアラライ山。その麓は広大な溶岩地帯が右手の穏やかな海へと広がります。歌の中でコナはどのように描かれているのでしょう?
コナ地域の住人が愛してやまないご当地ソング『コナ・カイ・オプア Kona Kai ʻŌpua』にはこう歌われています。ハアヘオ・イ・カ・マリエ・オ・コナ・カイ・オプア・イ・カ・ライ
キラキラ・オ・フアラライ・イ・ケ・カイ・マリノ・アオ・コナ
誇らしいのは穏やかなコナの雲浮かぶ静かな海
フアラライは高々とコナの凪いだ海に立つ
広く知られるこの曲は、カメハメハ2世をたたえるチャントを原曲に、ヘンリー・ワイアウが1941年に大幅に歌詞に手を加えアレンジしたもの。作者が息子のカメハメハ・スクール卒業を祝って贈ったそうです。
原曲のチャントについてはこちら(www.aloha-program.com/curriculum/lecture/detail/380)を参照ください。
コナのもうひとつのご当地ソング『イ・コナ I Kona』はこう歌います。
アイア・イ・コナ・カイ・オプア・イ・カ・ライ
アオヘ・ルア・エ・リケ・アイ・メ・オエ
コナにある雲を映す静かな海
あなたと並ぶものなど二つとない
そんなわけで「コナといえば」な景色を探すならこの二つです。雲が浮かぶ海、そしてフアラライの山。その景色は、コナのいたるところにあります。
歌の中のコナを探すメレ旅をしたとき、イメージどおりの景色を見つけては撮影していたおかげで、「他に比べるものなどない」と歌われるコナの景色が目に焼き付いています。
コナのシンボル、フアラライ山のことを歌うメレとして有名なのが『フアラライ Hualālai』。山の裾野に広がるいくつかの名所とともに歌われます。長くなるのでこちらは別コラムで今度紹介しましょう。
ここでは、ハワイ島の名山マウナケア、マウナロアとともにフアラライをたたえる『ハワイ・ノ・エ・カ・オイ Hawaiʻi Nō E Ka ʻOi』から三番の歌詞を紹介しておきます。
エ・キロヒ・アエ・オエ・イ・カ・ナニ
オ・ケ・クアヒヴィ・オ・フアラライ
アライ・アナ、カ・マカニ・エカ
ホオハエハエ、イ・カ・ナウル
メ・カ・ウヒワイ・オ・カ・ウカ
ハワイ・ノ・エ・カ・オイ
眺める美しい姿
その山はフアラライ
優しく吹くエカ風
通り雨を連れてくる
霧に包まれる山の手
ハワイ島が一番
よしみだいすけ
Daisuke Yoshimi
文筆家、フラナビゲーター
ハワイ州観光局アロハプログラム講師、フラやハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・講演活動を行う。●著書
たくさんのメレから集めた言葉たち(1〜4)
メレ旅(上下巻)
Live Aloha アロハに生きるハワイアンの教え
- この記事をあとでまた
みたい場合は、
マイページにクリップ!