※この記事は2020年2月11日に公開されたものです。
アロハ! ユウリです。
数年前から始まったオアフ島に鉄道を開通させるプロジェクト。西オアフでは駅やレールの建設が着々と進んでいますが、列車の姿は未だ見られず…。
いつ開通するの?
乗車方法は?
何人くらい乗れるの?…などなど、まだベールに包まれているハワイの鉄道について知りたいことがたくさん。
そんな中、2月8日(土)、リーワード・コミュニティ・カレッジ駅で、駅&車両内がメディアや地元の方に初めて公開されるお披露目会が開催されました。駅や列車の中をくまなくチェックしてきたので、その様子をレポートします。
また、「ホノルル高速交通公社」の社長、アンドリュー・ロビンズさんに鉄道の詳細を伺ってきたので、ぜひ最後までお付き合いください〜。
駅の内部を大公開!
今回公開されたのは、パールシティにある「リーワード・コミュニティ・カレッジ駅」。各駅に英語名のほか、ハワイの歴史やハワイの文化にまつわるハワイ語名が付けられているのだそう。リーワード・コミュティ・カレッジ駅のハワイ語名は「ハラウラニ」です。
駅の入り口前には自転車を停めるスタンドがありました。イースト・カポレイ〜アラモアナにかけて21ある駅のうち、イースト・カポレイ、ハワイ大学ウエスト・オアフ、パール・ハイランド、アロハスタジアムの4駅には駐車場も完備される予定で、およそ4,100台の車が駐車できるようになるほか、各駅に車寄せを作ったり、ザ・バスのルートに各駅を組み込んだりと、駅へアクセスしやすい環境を整えるのだそう。
こちらが駅のホール。まだ改札や券売機などは設置されていませんでした。
駅のホールを進んでいくと、プラットホームへ上がる階段とエレベーターがあります。今回は見られませんでしたが、改札内にお手洗いもあるのだとか。
はやる気持ちを抑えつつ階段を上がり、プラットホームへ。
ハワイの列車に乗ってみた!
ついに…ついに列車と初対面!
1両6ドア、4両編成で、自動運転です。
実物を見て、「本当にハワイに列車が走るんだなぁ」としみじみ。今まで「本当に列車に乗れる日はいつになるの…?」と思っていましたが、一気に現実味が出てきました。プラットホームには、乗客が乗り降りする時に開くホームドアや点字ブロックが設置されています。線路への転落や事故防止になるホームドアがあるのは安心ですね。
では、さっそく中へ入ってみましょう〜。
おぉ〜!! 青いシートに黄色い手すりでなんだか明るい雰囲気。外から見るとコンパクトな印象でしたが、中に入ってみると想像よりも広々としていてビックリ。この日は安全のため、列車の電気はすべて消されていましたが、エアコンでしっかり温度調節がされるとのこと。
私も座席に座ってみました。なんか嬉しそうですね(笑)。
日本の電車では、7人がけの座席が向かい合わせに設置されていることがほとんどですが、この列車には2人がけの座席が両サイドに並んでいます。
折りたたみの座席も自由に利用可能です。座席が折りたためると、車椅子やベビーカーを利用する時や、大きな荷物を持ち込む時にスペースができるので便利ですね。
この日はまだ張り紙などありませんでしたが、優先席も設けられる予定だそうです。満席の時は立って乗車することになりますが、つり革が見当たらないような…。
もしかしてこの黄色いバーにつかまるの⁉︎ 背が低めの私にとってかなり厳しいのでは⁉︎ と思っていたら、まだつり革が用意されていないだけで、これからしっかり設置されるとのこと。よかった〜(笑)。
ザ・バスではスーツケースの持ち込みが禁止されていますが、鉄道には持ち込み可能&個数に制限はありません。これは旅行者にとってかなりありがたいですよね。
網棚は、身長約155cmの私でも無理なく使用できる高さ。座席の下のスペースにも荷物が置けます。’
サーフボードなどの持ち込みもできますよ〜。網棚にサーフボード置かれているこの光景、なんだかハワイらしいですね(笑)。
さらに驚いたのが、自転車の持ち込みもOKということ。2台収容できる自転車ラックが2つ完備されているんです。自転車の後輪をスタンドにはめ込み、前輪をバーに固定します。ラックが全て使用中の場合は、折りたたみ座席の前などに置いても良いのだとか。
座席に電源もありました〜。スマートフォンなど、電子機器の充電ができるのはとっても便利。無料のWi-Fiも提供され、車内にパスワードを記載した張り紙をする予定だそうです。
車両間に仕切りのドアはありません。手すりが付いていますが、走行中に車両間のスペースに立つことは禁止とのことなのでご注意を。
各車両に防犯カメラが設置され、リーワード・コミュニティ・カレッジ駅の近くにあるオペレーション室でモニターされるのだとか。車掌がいない分、不安に思う方もいるかもしれませんが、常時列車内がモニターされているのは安心です。
列車の先頭部分へ。自動運転で車掌席がないため、こんな景色が見られるんです! 走る列車の窓から見えるハワイの景色、きっとキレイなんだろうなぁ〜。目的なく乗車して景色を眺めながらボーッとするのもありかも(笑)。
気になる鉄道の詳細を社長にインタビュー
今までずっと気になっていた列車の内部を見て興奮気味の私ですが、まだまだ知りたいことがたくさん。ということで、「ホノルル高速交通公社(HART)」の社長、アンドリュー・ロビンズさん(写真右)にお話を伺いました。
ーーー今回初めて列車の実物を見て、実際に乗れる日がさらに楽しみになりました。鉄道はいつから運行する予定ですか?
- アンドリューさん
ありがとうございます。運行を開始する時期ですが、まずはこの表をご覧ください。
駅名 アラモアナセンター駅からの所要時間 イースト・カポレイ駅 42分 ハワイ大学ウエスト・オアフ駅 40分 ホオピリ駅 36分 ウエスト・ロック駅 34分 ワイパフ・トランジット・センター駅 31分 リーワード・コミュニティ・カレッジ駅 29分 パール・ハイランド駅 28分 パールリッジ駅 24分 アロハスタジアム駅 21分 真珠湾海軍基地駅 19分 ダニエル.K.イノウエ国際空港駅 16分 ラグーン・ドライブ駅 14分 ミドル・ストリート・トランジットセンター駅 12分 カリヒ駅 10分 カパラマ駅 8分 イヴィレイ駅 6分 チャイナタウン駅 5分 シビックセンター駅 3分 カカアコ駅 2分 アラモアナセンター駅 -
- アンドリューさん
イースト・カポレイ駅〜アロハスタジアム駅間は2020年末、アロハスタジアム駅〜ミドルストリート・トランジットセンター駅間は2023年、ミドルストリート・トランジットセンター駅〜アラモアナセンター駅は2025年までに開通する予定です。
ーーー鉄道は何分間隔で運行予定ですか?
- アンドリューさん
電車は朝4:00〜翌0:00、ラッシュ時は5分毎、それ以外の時間帯は11分毎に運行予定です。11分間隔なので時刻表は作らない予定です。
ーーー鉄道の速度はどのくらいですか?
- アンドリューさん
最高時速は約88.5km、平均時速は、各駅での停車時間を含め約48.28kmです。
ーーー4両編成の列車に、何人まで乗車できますか?
- アンドリューさん
座席は188席あり、立って乗車する人も含めると約800人乗車可能です。これはザ・バス10台分に値します。
ーーー乗車料金はいくらですか?また、ザ・バスではお釣りが出ませんが、鉄道ではお釣りが出ますか?
- アンドリューさん
ザ・バスと同じ料金にする予定ですが、まだ市当局の最終決断がされていないので、変更となる可能性があります。現金で支払う場合、お釣りが出るので、ぴったりの金額を用意しなくても大丈夫ですよ。
片道チケット
大人(18歳以上) $2.75 子ども(6〜17歳) $1.25 幼児(5歳以下) 1人まで無料
(幼児2人は子ども1人分:$1.25)シニア(65歳以上) $2 ・
ワンデーパス大人(18歳以上) $5.50 子ども(6〜17歳) $2.50 幼児(5歳以下) 1人まで無料
(幼児2人は子ども1人分:$2.50)シニア(65歳以上) $2 (参考資料:TheBus - Fares & Passes)
ーーーホロカードはどこで買えますか? 空港でも販売されますか?
- アンドリューさん
ホロカードは、現在ザ・バスのオフィスや、ミドルストリート・トランジットセンター、ワイパフ・トランジットセンターなどで購入可能です。市当局からの許可が下り次第、販売場所が増える予定です。空港での販売も必要ですね。市当局と相談し、販売できるようにしたいと思います。
ーーー鉄道は急行や各駅、特急など停車駅の違いはありますか?
- アンドリューさん
全ての列車が各駅に止まる予定で、急行などを設ける予定はありません。
ーーー4つの駅に駐車場が完備されるとのことですが、料金は無料ですか?
- アンドリューさん
正式な料金はまだ決まっていませんが、無料開放はしない予定です。
ーーー大雨やハリケーンなど悪天候の場合は、電車の運休が必要だと思います。万が一、駅と駅の間で電車を止めなければいけない場合、乗客はどのように下車しますか?
- アンドリューさん
まず、万が一停電などで列車が駅と駅の間で止まってしまった場合、予備の電力で次の駅まで運転します。緊急停車が必要な場合は、24時間体制のモニター室の係員が車内にアナウンスします。駅と駅の間で下車することとなった場合、線路脇にある歩行通路を通り、駅まで行きます。係員が誘導するので、それに従ってください。
ーーー自動運転とのことですが、万が一車内で緊急事態が起こった時は、どうすれば良いですか?
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緊急ボタン
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防犯カメラ
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緊急時にドアを開けるレバー
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緊急脱出用のはしご
- アンドリューさん
各車両にある緊急ボタンを押すと、モニター室と連絡が取れるので、マイク越しに状況をお伝えください。係員は防犯カメラで車内の様子も把握できます。列車からの下車が必要な時は、ドア横のレバーを引くとドアが開きます。座席下に完備されているはしごを下し、線路脇の歩行通路へ降りてください。
ーーー駅構内や駐車場を含む周辺の治安が心配ですが、安全な環境づくりのための設備や工夫していることはありますか?
- アンドリューさん
駅や駅の周辺、プラットホーム、車両内に防犯カメラを設置し、リーワード・コミュニティ・カレッジ駅の近くにあるオフィスで24時間モニターし、何かあった時にすぐに対応できるようにします。
ーーー安全や治安を保つ工夫もしっかりとされているんですね。本日はいろいろと教えてくださり、ありがとうございました!
実際に駅や車両の中を見て、オアフ島を電車が走る日がより近く感じました。実際に走る列車に乗れる日が待ち遠しいです。これからもアロハストリートではハワイの鉄道の最新情報を追っていきますので、ぜひお楽しみに!
- この記事をあとでまた
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