※この記事は2020年9月17日に公開したものです。（インタビューは8月20日に行われたものです）

アロハ！ エリカです。

世界中に大きな影響を与えた新型コロナウイルス（COVID-19）。ハワイでも3月26日から6月30日まで自宅待機措置が実施され一時期感染者数が減ったものの、8月27日から再び4週間の自宅待機令が発令されました。

そんな中、アロハストリートではハワイで活躍するアーティストや著名人の方にインタビューを実施。それぞれのステイ・アット・ホーム・オーダー中の過ごし方や考え方の変化、現在のライフスタイルなどについて伺いました。

第9回めは、ハワイ州観光局日本支局長のミツエ・ヴァーレイさんです。

石川県出身。1992年にハワイ・オアフ島に移住。クアロア・ランチ、メディア関連のPR会社、オアフ観光局、ハワイコンべンションセンターのディレクター職に従事。2012年からハワイ州観光局日本支局のマーケティング本部長、局次長を経て、2019年にハワイ州観光局日本支局長に就任。日本市場におけるハワイの観光促進活動全般を統括している。

ハワイ州観光局公式ウエブサイトはこちら＞＞＞

自宅でハワイを体感できる「おうちでハワイ」をローンチ

───アロハ！ 1回めのステイ・アット・ホーム・オーダー期間はどのように過ごされていたんですか？

ミツエさん：ハワイ州観光局のオフィスと緊急対策本部があるコンベンションセンターを行ったり来たりして、新型コロナウイルスに関する正しい情報を日々チェックしていました。緊急対策本部は州知事オフィス、市長オフィス、保健局とラインが繋がっているため毎日新しいニュースが届くのですが、それらをハワイ州観光局のオフィスチームで日本語に訳してハワイ州観光局のウエブサイトに即日アップするようにしていましたね。

───コロナウイルスに関する情報発信をメインに活動されていたんですね。

ミツエさん：観光地として今回のような出来事は初めてですし、ステイ・アット・ホーム・オーダーが発表された当初はいろんな情報が飛び交っていたので、州から出たリリースを旅行業界の方々や日本マーケット向けに正しく日本語で発信するということを重視していました。

───そんななか、ハワイ州観光局では新プログラム「おうちでハワイ」をローンチされていましたが、詳しく教えていただけますか。

ミツエさん：新型コロナウイルスの影響で、日本でも在宅やテレワークの方が増えてきていることから、日本の自宅にいながらもハワイを体感できるプログラム「おうちでハワイ」をスタートすることにしました。VRでハワイの絶景が楽しめる「バーチャルハワイ」やハワイの自然音や映像をまとめた「癒しのハワイ」をはじめ、「学ぶハワイ」、「音楽でハワイ」、「映画でハワイ」、「読み物ハワイ」、「家族でハワイ」など、全部で7つのコンテンツを用意しました。

新プログラム「おうちでハワイ」

───日本のハワイファンに喜んでもらえそうなコンテンツが充実していますね！

ミツエさん：「おうちでハワイ」をローンチした4月初旬から8月までの約4カ月間でユニークユーザーが125％に増えるくらい反響がすごく良かったです。なかでも「音楽でハワイ」が一番人気で、たくさんの方に楽しんでいただけて嬉しいです。これまではHiSesssionsさんとコラボしてハワイのアーティスト一人一人にフォーカスして紹介していたんですが、「在宅で音楽を流しっぱなしにしたい」、「癒やされるハワイの動画を見続けたい」というリクエストが多かったので、全部編集し直して一時間ずっといろんなアーティストの楽曲が聞けるようなコンテンツを作りました。

・

観光持続のキーは、旅行者とローカルを繋げる「リレーションシップツーリズム」

───コロナ収束後、ハワイの観光スタイルはどのように変わる、または進化すると思いますか？

ミツエさん：家族時間や自分へのご褒美、社会貢献であったりと、それぞれの旅行者が目的を強く持った旅に変化していくと思います。そして、コロナウイルスと共存しながら観光を促進していくにあたって、少人数で体験できるプライベートなサービスやツアーがこれからどんどん出てくるでしょうね。旅中での充実した体験プログラムの開発、もっとディープで地元に根ざしたハワイらしい滞在、自然環境に優しいエシカルな観光、今後の観光のあり方、持続可能なデスティネーションマネージメントがさらに大切になってくると思います。

───ハワイの新しい魅力をもっと知っていただける良いチャンスになるかもしれませんね。

ミツエさん：私はずっと「リレーションシップツーリズム」というのが、観光持続の一番のキーだと思っています。ハワイが好きで何度も訪れてくださる旅行者の方々が、地元の方々と一緒にリレーションシップを持てるプロジェクトを増やしていくことでコミュニティと旅行者を繋げる…それが次の観光戦略の重要なポイントです。

───具体的にどのようなプロジェクトを計画されていますか？

ミツエさん：ホクレア号のクルーと一緒に教育カリキュラムを作って地球の大切さを学んだり、サーフィンを通して海の大切さを知ったり、コアの木の植樹を活性化させて森林を一緒に作っていったり…100％そのプロジェクトや団体に自分のお金や時間が寄与されるプロジェクトをどんどん作って紹介していきたいと思っています。

───日本の旅行者とハワイのローカル企業にとって、ウィン・ウィンの関係作りですね。今後、ハワイ州観光局として予定している活動を教えてください。

ミツエさん：今年すべてキャンセルになってしまった「ハワイエキスポ」を年末に開催する予定です。今いろんなバーチャルイベントをリサーチして、ハワイエキスポのプラットホームを作っています。あとは、みなさんに安心して旅行を楽しんでいただけるようなCOVID-19のマイクロサイトや、来年開催予定のオリンピックに向けて、サーフィンの歴史やレジェント達などサーフィンのディープな部分を紹介するマイクロサイトをローンチします。

昨年のハワイエキスポの様子

───盛りだくさんですね！

ミツエさん：まだありますよ（笑）。来年10周年を迎えるハワイ州観光局公式のオリジナル検定「アロハプログラム」で、新たにプログラムを作る予定です。現在アロハプログラムでは、初級、中級、上級の3つのハワイスペシャリスト検定が受けられるのですが、会員は6万人近くになり上級者のメンバーも増えてきたので、上級者用のトレーニングプログラムを作って来年発表する予定です。

とにかくハワイ好きの皆さんに喜んでいただけるような様々なイベントを計画中なので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。

───想像以上に大忙しの毎日を過ごされているミツエさんですが、プライベートの時間はどう過ごされているんですか？

ミツエさん：週末はお休みをいただいて、夫と一緒にハワイカイ周辺にハイキングに行ったり、サイクリングに行ったりして体を動かすようにしていました。あと、10年近くやっていなかった、ハワイアンキルト作りを再開しましたね。

★インタビューを終えて

新たなマイクロサイトの立ち上げや旅行者が参画できるプログラムなど、ハワイ州観光局としての取り組みを一時間ノンストップで熱く語ってくださったミツエさん。「やるべきことがいっぱいで大変！」と笑顔で語るミツエさんの姿を見ていると、「ハワイにいる私たちが今できること」はまだまだあって、落ち込んでいる場合ではないなぁ…と実感。また観光が再開した際には、新たなハワイの魅力をお届けできるように私も目一杯頑張りたいと思います！

＜新型コロナ自粛中のハワイでの過ごし方＞

マキ・コニクソンさん編はこちら＞＞
クリス・ゴトウ編はこちら＞＞
ジェイク・シマブクロ編はこちら＞＞
よしみだいすけさん編はこちら＞＞
森出じゅんさん編はこちら＞＞
サーシャ編はこちら＞＞
阿部栄一さん編はこちら＞＞
ショーン・モリス編はこちら＞＞
ジャナ・ラムさん編はこちら＞＞
ゼットン編はこちら＞＞
パメラさん編はこちら＞＞
UCC三木さん編はこちら＞＞
アレックスさん編はこちら＞＞