新型コロナ自粛中の過ごし方をインタビュー(パメラさん編)

新型コロナ自粛中の過ごし方をインタビュー(パメラさん編)

ハワイ在住のアーティストや著名人に、コロナ禍での過ごし方、今後の活動などをインタビュー。第12回目は4つのファーマーズマーケットを運営するパメラ・ボイヤーさんです。

公開日:2020.10.27

更新日:2020.12.01

アロハストリート・インタビュー

※この記事は2020年10月27日に公開したものです。

アロハ! ユウリです。

世界中に大きな影響を与えた新型コロナウイルス(COVID-19)。ハワイでも3月26日から6月30日まで自宅待機措置が実施され一時期感染者数が減ったものの、8月27日から再び自宅待機令が発令されました。現在は解除され少しずつ規制が緩和されつつあります。

そんな中、アロハストリートではハワイで活躍するアーティストや著名人の方にインタビューを実施。それぞれのロックダウン中の過ごし方や考え方の変化、現在のライフスタイルなどについて伺いました。

第12回めは、オアフ島で4つのファーマーズマーケットを運営する「ファームラバーズ・ファーマーズマーケット」のマネージング・ディレクター、パメラ・ボイヤーさんです。

パメラ・ボイヤー/Pamela Boyer

テキサス州、カリフォルニア州を経て2006年にハワイへ移住。1994年にテキサスのオースティンで立ち上げたファーマーズマーケットは、アメリカのTOP10マーケットにランクイン。現在、カカアコのほか、カイルア、ノースショア、パールリッジで開催しているファームラバーズ・マーケットのマネージング・ディレクターを務める。

運営者とベンダー、お客様全員の協力があってこそ安心できるファーマーズマーケットが実現

 

───アロハ! パメラさん。3月〜6月の外出自粛期間はどのように過ごされていましたか?

パメラさん:外出自粛期間は、規制によりスーパーや飲食店など生活に不可欠なエッセンシャル・ビジネス以外は休業しなければならない状況でしたが、ファーマーズマーケットはエッセンシャル・ビジネスのひとつ。
ワイメアバレーは一時休業となっていますが、そのほかのカカアコ、カイルア、パールリッジのファーマーズマーケットの営業を続けるために、とても忙しかったです。ファーマーズマーケットのことで活動する以外の時間は、ほとんど自宅で過ごしていましたね。

 
───政府からの発令される規制もあり、営業を続けるには運営方法もいろいろと変更が必要でしたよね?

パメラさん:はい。以前のファーマーズマーケットと比べると、変わった部分がかなりあると思います。1番来客数が多いカカアコのマーケットは、出店しているベンダーの間に間隔を空けるために会場を拡大しました。

 
───芝生の部分も会場となり、2倍くらいの広さになったのではないでしょうか?

パメラさん:そうですね。とはいえ、ベンダーの間に距離を空けているためのスペースなので、出店数など規模は以前とあまり変わっていません。現在およそ100のベンダーが出店していますが、各ベンダーにもお客様が並ぶ時に2メートルの間隔を空けられるように立ち位置を示すサインを設けたり、約3メートルのテントに入れるお客様を1名に制限したり、コロナウイルス対策を徹底してもらっています。

 
───安心してお買い物ができるよう、ベンダーといろいろ協力しているんですね。

パメラさん:ベンダーだけでなく、お客様にも会場に入る前からマスクの着用や手指の消毒をしてもらうといった協力をしていただいています。運営者とベンダー、お客様全員の協力があってこそ安心できるファーマーズマーケットが開催できると思っています。

  • マスクの着用を呼びかける看板

  • 手洗いを促す看板

  • 手洗い、手指の消毒ができるサニタイザーステーション

───助け合いは大事ですよね。いろいろと運営方法を変更していく中で特に大変だったことはありますか?

パメラさん:今はほとんどのお客様がマスクを着用してくれていますが、コロナ禍が始まってすぐの頃は、マスクなしに入場されるお客様もいて…。いろいろなところから会場へ入ってこられるので、入場前のマスク着用確認をするのが難しかったですね。

 
───実際に会場にいて、マスクを着用していない人はほとんど見ませんでした。開催回数を重ねることでマスク着用が必須であることが周知されてきたのかもしれないですね。

パメラさん:マスク着用を呼びかける看板設置のほか、声かけも積極的にするようにしています。

あとは一度めの外出自粛期間中、カイルアのマーケットを開催していた時に、ファーマーズマーケットがエッセンシャル・ビジネスであることを警察が把握しておらず、すぐに中止するようにと言われてしまったんです。開催が許可されているエッセンシャル・ビジネスであることを説明してもわかってもらえなくて…。後日しっかりと開催が認められていることを証明して警察の方からも謝罪の言葉をいただきましたが、その時に販売するはずだった野菜やフードメニューの被害額が数万ドルとかなり大きく、農家の方を思うと胸が痛かったです。

最新のルールを全員が把握するのは難しいですよね。そこから生まれる認識のずれを乗り越えるのも大変でしたね。

カイルアファーマーズマーケット

 
───一度の中止で、そんなに大きな被害額が出てしまうんですね。規制が変わり続けるのでオアフ島全体が混乱しているイメージです…。

パメラさん:そうですね。難しいこともたくさんありますが、ハワイの豊かな自然で採れた作物をたくさんの方に食べてもらえるよう、できる限りマーケットを開催したいと思っています。

 

コロナ禍中の今だからこそ「地産地消」をより大事にしたい

 

───野菜やフルーツのほかにもドリンク、フード、雑貨、植物などいろいろなベンダーがあり目移りしてしまいますね。ベンダーはよく変わるんですか?

パメラさん:そんなに頻繁に変わることはないです。ありがたいことに現在1週間に約10件ほど出店希望のお問い合わせをいただいているのですが、全部を簡単に入れることはできなくて…。

 
───1週間に10件も! 店舗を閉めざるを得なかったお店や、観光業が停滞して、お客様が減ってしまったお店にとって、ローカルのお客様が集まるファーマーズマーケットへの出店は救いの手のような存在なのかもしれませんね。

パメラさん:そうですね。地元の農家からも「レストランやチャイナタウンへの卸売がストップしてしまい厳しい状況にいる中で、ファーマーズマーケットに出店できるのはありがたい」というお声をいただいています。

そういった苦しんでいるビジネスを助けたいという気持ちはありますが、お客様がしっかりと集まるように野菜などの生鮮食品とドリンク、フードメニューを提供するベンダー数のバランスを考えるのも大事なこと。客層のニーズに合うようにいろんな人にヒアリングしながらベンダーの選定を行なっています。お客様が集まらなければ、ベンダーにとって利益にならないですしね。

必要なもののほとんどはファーマーズマーケットで購入しているというパメラさん

 
───全ての出店希望を受け入れられず心苦しい思いをしながらも、お客様が楽しめるようにベンダーのバランスをしっかりと考えていらっしゃるので毎週訪れるリピーターの方も多いのでしょうね。
以前インタビューさせてもらった時に、マーケットに参加するにはローカル産のものを販売し、フードメニューにはハワイ産の食材を最低2品使用していなければならないと伺ったのですが、それは今でも変わりませんか?

パメラさん:はい、そのルールはコロナ禍の今でも変わりません。「ローカル、コミュニティ、ヘルシー」というコンセプトのもと「ハワイの人にハワイ産のものを食べて暮らしてほしい」という思いは、ファーマーズマーケットを立ち上げた当初から今でも、これからも運営の軸であり続けます。

以前のインタビューでもお話ししたかもしれませんが、ハワイの農業を活性化させることは、ハワイに経済効果をもたらし、コミュニティがより豊かになることに繋がると考えています。コロナ禍の状況だからこそ、「地産地消」をなおさら大事にしていきたいですね。

よりたくさんの人にハワイ産の食物を届けるために

───不安定な日が続く中でも柔軟に対応し、ファーマーズマーケットの運営を続けてきたパメラさんですが、これからコロナ禍を乗り越えていくために取り組みたいことなどはありますか?

パメラさん:カカアコのファーマーズマーケットは会場を拡大したものの、来客数に大きな変わりはありません。これから地元のお客様が戻ってきてくれるように、コロナウイルス収束後に日本をはじめ世界各国からの旅行者に訪れてもらえるように、より一層魅力的なマーケットにしていかなければと思っています。

その取り組みのひとつとして、規制が緩和されたら芝生の会場の真ん中にカフェスペースを作りたいと思っています。以前のマーケットでも好評だったのですが、今は規制により撤去しているんです。あとはご参加いただくベンダーも、引き続きヒアリングなどを行い各マーケットの客層にあったラインナップにしていきたいです。

 
───とれたてのハワイ産の作物を使ったフードメニューをその場で味わえるカフェスペースは素敵ですね。規制が緩和され実現するのが楽しみです。

パメラさん:ありがとうございます。あとは新しいファーマーズマーケットをオープンしようと計画していて、今開催場所を探しているところなんです。オアフ島のいろいろなところにマーケットを開くことによって利用してくださる方が増えることを願っています。

 
───コロナウイルスの影響を受け、厳しい状況の中でも新しいマーケットを計画されている前向きな姿勢に元気付けられます。新しいマーケットがオープンしたらぜひ伺いたいです。本日はいろいろとお話しいただきありがとうございました!

 


 
★インタビューを終えて…
政府が発表する規制が変わり続ける中でも、「ハワイの方にハワイ産のものを食べて暮らしてほしい」という思いを持って農家と消費者を繋ぐ場を提供してきたパメラさん。ハワイの農業だけでなくコミュニティ全体を豊かにしたいという情熱を感じました。インタビュー当日はカカアコのマーケットへ行ってきたのですが、一時休業しているレストランの従業員がお店で提供しているお酒の醸造所のテントでお手伝いをしていたり、来場のお客様が安全に配慮しながらベンダーの方とコミュニケーションをとっていたり、出店者がほかのベンダーが販売している商品を購入していたりと、コミュニティ内での支え合いが見られました。
私もコミュニティの一員として何ができるのかを考えながら暮らしていきたいと感じたインタビューでした。

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