よしみだいすけさんが、メレを旅するハワイ〜ウルハイマラマへのドライブをガイド!
文筆家、フラナビゲーターであるよしみだいすけさんが、メレを旅するハワイをテーマに、美しいフラソングに歌われた、ウルハイマラマをガイド!
公開日:2021.11.05
メレ(うた)を旅するハワイ
第四十四回:「メレを旅するハワイ〜ウルハイマラマ」Aloha from Mānoa!
ハワイ旅行を心待ちにしているフラダンサーに提案します。
次のハワイではメレ旅ドライブに出かけよう!「メレ旅」とは、メレ(フラソング)に歌われた景色を探す旅です。
メレには、ハワイの人が愛するいろいろな土地のことが歌われています。それぞれの島にちらばるそんな場所を訪れる「メレ旅ドライブ」が、フラダンサーのハワイ旅行をより有意義なものにしてくれます。リアルなメレ旅ドライブができる日までは、このコラムで予行練習です。
今月の行き先は、ウルハイマラマです。
上の動画でハワイの美しいフラダンサー(ミス・アロハ・フラ2016)が踊るのは、『Kuʻu Pua I Paoakalani』というタイトルのハワイアン・ソング。
1890年代に書かれたこのメレの作者は、ほかでもないハワイ王国最後の国王、クイーン・リリウオカラニです。リリウオカラニがこの歌を紡いだのが、イオラニ宮殿の一室で囚われの身であった間だという事実は、広く伝えられています。
その背景についてはこちらで語りました。
リリウオカラニが植物マニアだったことは、知る人ぞ知る事実。
いくつものガーデンを保有し、ハワイの植物をはじめ海外からもいろいろな植物を取り寄せて育てていました。そんな彼女が書いた『Kuʻu Pua I Paoakalani』には、ガーデンの名前が2つ歌われています。
ひとつはタイトルにもある「パオアカラニ」。
もうひとつが「ウルハイマラマ」。
ʻIke mau i ka nani o nā pua
O ka uka o Uluhaimalama
ʻAʻole naʻe hoʻi e like
Me kuʻu pua i ka laʻi o Paoakalanieいつも見る美しいもの
ウルハイマラマの花々
けれど、それさえもかなわない
パオアカラニの静寂に咲く私の花には
(Kuʻu Pua I Paoakalani by Liliʻuokalani)「パオアカラニ」は、ワイキキにあったリリウオカラニの邸宅の名前です。その広い敷地内にガーデンは広がっていたのでしょう。その名前はワイキキのストリート名として今も残っているので、かつてのガーデンの位置が想像できます。
「ウルハイマラマ」は、1894年にリリウオカラニの指示によってパウオアの彼女の土地に造られたガーデン。その正確な場所は、近代化と開発の波にのまれていつしか忘れ去られていました。
その後2000年代になってウルハイマラマの場所は再発見され、2008年にはハワイ州の歴史記念地として認定されました。
歴史の経過の中、ガーデンだった敷地は中国系移民の墓地となり、その後管理が疎かになった墓地は雑草の中に埋もれていたといいます。
ウルハイマラマで見つけた植物たち
ハワイ王国の歴史の1ページに残るガーデンは再発見され、現在は墓地との共存という形で区画の整備が地元のハワイアン・コミュニティー有志により少しずつ進められています。かつてリリウオカラニのセレクトによりここに植えられていた植物たちが、再び植樹され育てられています。
ウルハイマラマの復活に貢献したのが、この地区にハラウを持つHālau I Ka Wēkiu のクムフラ、マイケル・キャスパンとカール・ヴィト・ベイカー。二人のハワイアン・ユニットKUmZが、ウルハイマラマをたたえて歌ったのがこの曲です。
ではメレの舞台へドライブに出かけましょう。
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このコースを実際に走ってウルハイマラマを訪れるドライブ動画はこちら。
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よしみだいすけ
Daisuke Yoshimi
文筆家、フラナビゲーター
ハワイ州観光局アロハプログラム講師、フラやハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・講演活動を行う。●著書
たくさんのメレから集めた言葉たち(1〜4)
メレ旅(上下巻)
Live Aloha アロハに生きるハワイアンの教え
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