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アロハ! ヒロヨです。
メンバー制ウエブサービス「アロハブリーズ」内のコンテンツ、「ハワイが届く」では、すべての製品の原料に環境負荷の少ない植物由来の素材を使用し、プラスチックをできる限り使わないパッケージの開発と環境活動に取り組む「シャカブランド」の商品の販売をスタートしました。現在「ハワイが届く」で販売しているのは、サーファー目線で作られたリーフセーフの日焼け止めと固形シャンプー&コンディショナーです。このブランドの商品を購入すると、売上げの一部がハワイ有数のサーフポイントでもあるダイヤモンドヘッドの環境保護を行う「KUILEI CLIFFS(クイレイクリフス)」へ寄付され、社会貢献活動もサポートできるという素敵なアイテム。実はクイレイクリフスを立ち上げて、ダイヤモンドヘッド・ビーチの美化活動をたったひとりになっても活動し続け、その後、環境を守る製品を作るために設立されたシャカブランドの代表のひとりとして活躍されているのが、日本人の久保田亮さんです。今回は久保田さんにこの環境保護活動を始めたきっかけやシャカブランドについてなど、いろいろインタビューしてきました!
久保田 亮
分子生物学を専攻し、日本で修士号を取得して食品会社の味の開発を担当。その後博士課程を修了するべく渡米し、サーフィンが趣味だったこともありハワイ大学の大学院へ。在学中に植物の病気を診断する遺伝子検査キットを作成し、起業する。博士課程修了後は、サーフィンを通して参加していたビーチクリーンがきっかけでクイレイクリフスを立ち上げ、海と自然がある生活をコンセプトに環境に配慮した商品を開発する「シャカブランド」を2019年に立ち上げる。
クイレイクリフスのウェブサイトはこちらから>>
シャカブランドのウェブサイトはこちらから>>
シャカブランドのインスタグラムはこちらから>>
───アロハ!久保田さん。ダイヤモンドヘッド周辺の美化活動を行うクイレイクリフスを立ち上げられた久保田さんですが、活動をスタートされたきっかけを教えてください。
久保田さん:もともとサーフィンをしていたので、ビーチの清掃活動に日本でもハワイでも参加していたのですが、ビーチクリーン以外にも何か自分でできることがないかなと思って、クイレイクリフスを立ち上げたんです。ダイヤモンドヘッド・ビーチは僕が通っているサーフスポットで、眺めの良い場所ですしきれいにしたいね、っていうのと、友人のサーファーが心臓発作で亡くなって、何かしようということもあって、2014年あたりぐらいから活動をスタートしました。
───具体的に美化活動はどのようことから始められたのですか?
久保田さん:最初はゴミ拾いから始まり、それから雑草やキアヴェの木などの外来種を取り除いて、芝やハワイ原産種のハイビスカスなどを植えていったんです。コウ・ツリーやミロといった海岸線に適したハワイの樹木を、キアヴェの代わりに植樹して増やしていますね。クイレイクリフスでは、壊れてしまった自然環境や生態系を人間の手を加えて再び健全な生態系を取り戻そうとする、レストレーションという活動に重点をおいています。
───レストレーションはアメリカではポピュラーな活動なのでしょうか?
久保田さん:はい、日本ではあまりポピュラーではないかもしれませんが、アメリカやハワイではポピュラーになりつつありますね。僕の友人がノースショアのカフク付近でレストレーションをやっていて、昔のようなハワイの海岸線を取り戻す活動を行っているのですが、実際にどんどん様子が変わってきていて、人間が来る前のハワイの海岸線ってこんな感じだったのだろうなって、思えるような風景になってきているんです。その様子を間近で見ていたので、同じことをタウンで行うことでレストレーションという活動をもっと沢山の人に知ってもらいたいと思い、クイレイクリフスを立ち上げました。
───ダイヤモンドヘッド・ビーチ周辺も昔は違う景色だったんでしょうね。
久保田さん:そうですね。だいぶ昔の写真があるのですが、その写真ではキアヴェなどの外来種はなかったので、違う風景でしたね。
───キアヴェって、よくBBQやステーキを焼くための薪として使用されていたので、ハワイの固有種だと思っていました。
久保田さん:ハワイの木だと思われている方が多いですが、原産は南米です。キアヴェは、水の吸収力が強く非常に乾燥した場所でも育つことの出来る、生命力の強い木です。しかし限られた資源や水を独占してしまうので、周りにほかの植物が育つことができず、まだ土壌も乾燥してしまい砂状化してしまうという弊害があります。土が砂状化してしまうと雨や風による土壌侵食を受けやすく、また土砂が海へ流出してしまうという負の連鎖が始まる原因にもなってしまうんです。
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レストレーション前
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レストレーション後
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レストレーション前
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レストレーション後
───以前のダイヤモンドヘッド・ビーチに降りる小道の周辺は、緑が少なく雑然とした感じでした。
久保田さん:木が多くて雑草が生えているから、せっかく良いロケーションなのにもったいないですよね。それから高級住宅街としても有名なダイヤモンドヘッドとカハラの間にあるこのあたりは、長年ホームレス問題で近隣住民の方が困っていたんです。でも実際僕らがどんどん綺麗にしてくと、ホームレスの人も自分の土地じゃないっていうのはわかっているので、 割と素直にいなくなるんですよ。
───あ、そうなんですね。逆に住み心地が良くなったと思われるのかなと思いました。
久保田さん:見晴らしがよくなって、全部丸見えになってしまうので逆に居心地が悪いみたいです。でも最初、僕たちが作業をし始めた時は、住民の方に何か変わったことをしていると思われたようで活動に否定的でした。でも、話し合いの場を設けて僕たちがなぜこの活動をしているのか、この周辺の景観をきれいにしたいという思いと、その結果ホームレスの減少にも繋がるとはずだと伝えたところ、どんどん態度が変わってサポートしてくれるようになりました。
───周囲の協力が得られたのはいつ頃でしょう?
久保田さん:2020年、2021年あたりのコロナの時期に活動の輪がどんどん広がっていった感じですね。やっぱりだんだんでき上がってくると皆さんにも理解してもらいやすくなりました。2021年の終わり頃にはフェイズ1と呼んでいるカハラに近いエリアはきれいになったので一旦終了になりました(写真上、右側の緑の部分)。それでホノルル市やハワイ州と話し合った結果、フェイズ2、3と呼ばれるエリアも次の作業範囲として提示してもらいました。ボランティアの数も僕ひとりだったのが、今では大体15人ぐらい手伝ってくれています。
───ピクニックができそうな芝生エリアもあって、景観が良くなって昔とイメージがだいぶ変わりました。ボランティアに参加するには何か事前に手続きが必要なんですか?
久保田さん:毎週土曜日に作業をしていて、とくに事前予約は必要なく、直接来てもらってその場で参加できるウォークインスタイルです。
───とくに年齢制限もなく、誰でも参加できますか?
久保田さん:はい、旅行者の方やお子さん連れで参加される方もいらっしゃいますよ。道具などは必要ないですが、キアヴェの棘が刺さらないようにしっかりした靴を履いてきていただきたいですね。
───正直、ボランティアの方が増えても、このプロジェクトを進めるにあたって結構費用がかかると思うのですが、それらの費用は寄付で賄われているんですか?
久保田さん:そうですね、一般の方からの寄付とあとはシャカブランドの売上で補っています。今はホノルル市やハワイ州と交渉をしていて、切った木や雑草のゴミの処理でトラックを使わせて欲しいとか、コミュニティで公園を管理するプログラムを僕らが活動しやすいように、ルールを変えてくれないかなど話し合っているところです。
───町が協力してくれると、費用を工面するストレスがちょっと減りますね。
久保田さん:ゴミの処理が大変ですよね。でも、切った外来種の木はただ捨てるのではなく、アップサイクルして商品化し、その売上をクイレイクリフスの活動資金に使えないかなとも考えています。たとえばこれはキアヴェの木でおつまみなどを乗せるサービングボードを作ってみました。
───重厚な感じで、ここにシャルキュトリーを並べたらオシャレ! これはもう販売されているんですか?
久保田さん:クラウドファンディングで商品化しています。クイレイクリフスとシャカブランドのコラボ商品という感じで。
───そうなんですね。現在アロハブリーズの「ハワイが届く」でシャカブランドの環境にやさしいメイド・イン・ハワイのシャカサンスクリーンとシャンプー&コンディショナーバーを販売していますが、こちらの商品の特徴を教えていただけますか?
久保田さん:サンスクリーンは紫外線吸収剤などを一切使用せず、珊瑚にも安全なリーフセーフであること。ノンケミカルで、色付きタイプは、ファンデーションやコンシーラーのような効果もあって海や水の中ですっぴんになることに抵抗がある方に評判です。
───チョコレートのような香りも珍しいです。
久保田さん:子供たちがサンスクリーンの匂いがきついから全然つけたがらないって聞いていたんですよ。それで子供もつけられるように、ということで、香料は使わずカカオとココアバターを混ぜて、チョコレートの原料と一緒ですね。目に染みないとお子さんにも好評です。
───オリジナルは白っぽい仕上がりで、ライトブラウンはやや日焼け肌の方に、ダークブラウンは結構日焼けされた方に、という感じでしょうか?
久保田さん:そうですね。日本のサーファー女子にはライトブラウンが人気で「これを使うと、お化粧してサーフィンしているみたいだから、すごくいいのよ」ってコメントをいただいたりしています。ただ、白い水着や洋服などに色がつく可能性があるので注意して使っていただければと思います。
───シャンプーバーとコンディショナーバーについてはいかがですか?
久保田さん:こちらもケミカルなものを使わないで作ったものですね。固形化することでプラスチックボトルを使用しなくて良いので環境にも配慮しています。消費者にプラスチック製品を選択しないでください、ではなく企業としてプラスチックを使いません、という企業理念というか方向性があってもいいのかなって思っていて……。ある意味、プラスチック問題は企業の責任のように感じるんですね。コスト面で言うとプラスチック製品に比べるとちょっと高くなってしまうのですが、皆さん、ちょっと使ってみてください(笑)と思っています。
───問題の元になるものを作らないということですね。こちらの使い方は、普通の石鹸と同じような使い方でしょうか?
久保田さん:はい。シャンプーは結構泡立つので1〜2回ぐらい手で泡立てるか直接髪にあてて泡立てて使います。コンディショナーは髪に馴染ませる感じで使って洗い流せばOKです。少しコンディショナーが残っているぐらいだと髪がよりしっとりしますよ。
───ほかにはどんなシャカブランドのアイテムがありますか?
久保田さん:CBD製品とヘアセラム、そして食器用の固形洗剤があります。
───どれもプラスチックを使わないパッケージで、リーフセーフだったり、環境に配慮された成分を配合されたりしていますね。ちなみにシャカブランドの製品はオンライン以外にショップなどで購入できるのでしょうか?
久保田さん:現在はモンサラットにある「アース・カフェ」とハイアットリージェンシーにある「OTB・On The Beach」で取り扱って頂いています。今後は直接商品を見て購入できるような場所を増やしていきたいですね。それからパタゴニアに置いてもらうのをゴールにしています(笑)。
───なるほど、パタゴニア。挑戦しがいがありそうですね。では、クイレイクリフスのゴールはどのように考えられていますか?
久保田さん:今のプロジェクトを成功させて、ダイアモンドヘッド・ロードの海側をハワイの固有種が生い茂る美しいオーシャンビューにしたいです。ワイキキからも近いですし、ローカルの方だけでなくきっと旅行者の方にも、美しくなった景色を楽しんもらえると思っています。とくにこのダイアモンドヘッド・ロードはホノルル・マラソンのコースの一部でもあるし、周りの景観も一緒にマラソンを満喫してもらえるとうれしいですね。今後はレストレーション、アップサイクルをキーワードに活動の場をもっと広げていきたいです。
───美化活動を続けるクイレイクリフスも海と自然のある生活をコンセプトにしたシャカブランドも今後の動向が楽しみです。今日はありがとうございました。
シャカブランドのサンスクリーンとシャンプー&コンディショナーバーの注文は、アロハブリーズの「ハワイが届く」で、日本時間2022年10月8日まで受け付けています。メイド・イン・ハワイのナチュラルなアイテムを使って、環境を守る活動をサポートしてみませんか?
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