日本人アーティスト、小野裕人氏です。

身長186センチの抜群のスタイルとルックスでモデル・俳優という経歴も持つユウトさん。インスタグラムに投稿した動画がきっかけでインスタグラムアーティストとしてブレイクし、現在は世界の有名企業をクライアントに持つ気鋭の動画クリエイターとしても活躍する逸材です。

ユウトさんは、フジテレビで放映された皇室特別番組や「東京ガールズコレクション」のオープニングムービーなども手掛けた経験も（ぜひハイパーリンクから動画をチェックしてみてください）。キャンバスに描くアートそのものに留まらず、アートが生み出される経過を動画で魅せることで、アート＆動画をすべてまとめて一つの作品として表現する、という独自のスタイルが本当にユニークで面白いんです。

前置きが少し長くなってしまいましたが、なんと、そんな今注目のアーティスト・ユウトさんが海外では初となる個展を2022年11月27日（日）〜2023年1月15日（日）までハワイのモンサラットにある「アース・カフェ」で開催中なんです！

ハワイでご本人に会える大チャンス！……ということで、ユウトさんのハワイの個展を訪れ、今回の個展開催のきっかけや意気込み、今後の目標などについて直接インタビューさせていただきました。

ウエブサイト：https://yuto-ono.jp/
インスタグラム：@yuuto0514
You Tube：@yutoonoart3544

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「絵を描けばみんなが喜んでくれるんだな」って思い込んだことが始まり。

───アロハ！ユウトさん。ユウトさんの作品といえば、両手で絵を描く過程を動画で見せる独自のスタイルが有名ですが、どういうきっかけであのスタイルは誕生したんですか？

小野 裕人 （以下ユウト）：左手で携帯を持ちながら右手で企業のロゴを描いて「Vine（バイン）」という最大6秒の動画がループする動画アプリに投稿したら、バスったんです。それがきっかけで、片手より両手で描いたほうが面白いかなと思って、2015年頃から両手で描き始めました。

───両手で描くって簡単じゃないはず……。

ユウト：最初は利き手ではない左手を使うのが難しかったですね。でも、小学校時代の友達が右手を骨折して左手だけで生活してたんですが、いつの間にか何でも左手でできるようになってたのを見て、「意外とできるんだな」と思い練習を始めたんです。一年くらい左手だけで生活して描けるようになりました。

───たった一年で！？

ユウト：そうですね。区役所に行っても職員さんに書類をおさえてもらって左手で記入したり（笑）。

───ストイックですね。アートをはじめたのはいつ頃からですか？

ユウト：5歳の時にファミリーレストラン主催のコンテストがあって、おっきな象の絵を描いて応募したら店長賞をいただけたんです。その賞の特典で家族にランチをご馳走することができたらすごく喜んでくれて。「絵でみんなに喜んでもらうことができるんだ」って嬉しかったことが始まりかもしれません。

───幼い頃から絵を描く才能があったんですね。

ユウト：はい！（笑）。僕が好きで描いていた絵を、母親がいろんなコンテストに応募してくれたんです。それでたくさん賞をいただけて、「自分は絵が得意なのかも」って（笑）。

「ハワイ」をテーマに描きたいものを描いて、僕の中の「ハワイ」を表現した。

───ハワイで個展を開こうと思ったきっかけは？

ユウト：ハワイが大好きで「ハワイの人に日本のきれいな絵を見てほしい。日本の人にハワイの美しいシーンを見てほしい。」という想いがずっとあって、コロナが流行する前からハワイで個展を開きたいと考えていました。

───ハワイのどういうところが好きですか？

ユウト：全部です。浅いですよね……（笑）。空気感だったり、人々の笑顔だったり、海の色、山から感じるパワー、星の近さ、おいしいご飯……。本当に全部なんです。選べない……。

───わかりますわかります、私も全部好きなので（笑）。実際にハワイで個展を開催してみた感想は？

ユウト：最高です。日本からも現地からもたくさんの方に来ていただいて、信じられないのと嬉しいのでずっとフワフワしてます。ファンの方々は、僕のハワイのアートをハワイで見られたということに喜んでくださったり、現地の方が会場で流している映像を見て「Wow！」ってびっくりしてくれたりするのを見てすごく嬉しいです。

ハワイで個展を実現できたのはインスタを通じて知り合ったマキ・コニクソンさんのおかげなんですが、本当にマキさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

マキさんとユウトさん

───全部で12ある展示作品は、オリジナリティあふれる素敵なものばかりですね。ハワイの植物、動物、人の3つのジャンルに分けて描かれたのには何か理由があるんですか？

ユウト：「ハワイ」をテーマに描きたいものを描いていたら、いつのまにかこういうラインナップになってたっていう感じですかね。ネネやモンクシール、ホヌの生体、日系人など、ハワイについて勉強して仕上げました。

───ユウトさん自身の「ハワイ」が詰まった作品なんですね。

ユウト：そうですね、僕の中にある「ハワイ」を表現しました。ちなみに、アートに使用している画材はすべてハワイでそろえたんです。日本では手に入らない鮮やかな色がたくさんあって……ハワイの色は日本の色とまた全然違うんですよね。

───鮮やかな色使いはそういうひと手間から生まれたんですね。制作風景を会場にあるモニターの映像で拝見したのですが、モノクロで植物や動物、人を描いた後に、上に紙を貼って、背景を色付けしてから紙を剥がしている……で合ってます？

ユウト：はい、すごい面倒くさい技法なんですが、全部のカットが映像として面白いようになってるんですよね。

会場にあるモニターでは制作中の映像が流れている

───マキ・コニクソンさんの愛犬Booのイラストも、ユウトさんご自身がTシャツを着用しながら、逆さまに描いてましたよね？動画を見てびっくりしました。発想が面白い！

ユウト：そう言ってもらえて嬉しいです。Booのイラスト可愛いでしょ？

───めちゃくちゃ可愛いです。そのBooのイラスト入りTシャツは個展会場で販売されていて、収益の100％を絶滅危惧種ハワイアンモンクシールを守る活動にハワイ州観光局を通して寄付されると聞きました。

ユウト：はい、こうしてハワイで個展を開かせてもらっているので、ハワイへの恩返しとして寄付することにしました。

Booのイラスト入りTシャツを制作するユウトさん

───素敵ですね。ユウトさんのアートは知れば知るほど奥が深いです。毎回どこからインスピレーションを受けるんですか？

ユウト：映画だったり音楽だったり街の景色だったりご飯だったり……何でも。だから毎回アートのテイストもバラバラなんです。

───何度見ても心にグッと響く作品が楽しめそうです。最後に、今後の目標について教えてください。

ユウト：またハワイで個展をすることです。あとはハワイの壁に絵を描かせていただきたいですね。

───2回めの個展もウォールアートも楽しみにしています！本日はどうもありがとうございました！

●インタビューを終えて……

時に控えめ、時に大胆に、質問に答えてくれたユウトさん。
アートに対する情熱と、ブレない芯の強さをひしひしと感じました。

ユウトさんのアートは、温もりと優しさが混じり合っていて、眺めているだけで心がスッと軽くなるのですが、幼少期からの「自分の作品で誰かを喜ばせたい」という想いが積み重なり今なお続いているからこそ、こういう心温まるアートが生み出せるんだろうなと思います。

そして、インタビュー後にユウトさんと立ち話をしていると、カフェを訪れたローカルの女性が、「あなたがこのアートを描いたの？私は日本語を少しだけ知ってるんだけど、あなたに日本語でスバラシイ！と伝えたいわ」とユウトさんにひと言。
さらに、後日プライベートで個展を再訪問した際に、日本人旅行者が「彼の画、めちゃくちゃ素敵だよね」と話している光景を見かけ、「ハワイの人に日本のきれいな絵を見てほしい。日本の人にハワイの美しいシーンを見てほしい。」というユウトさんの願いは、きちんと形になっているんだと身を持って実感しました。

走り続けるユウトさん、そしてユウトさんを支えるチームのみなさんのこれからの活躍がますます楽しみです！