食を通して支援する!ゼットン流のマウイ島の復興サポート
ゼットンでは、山火事で被災したマウイ島支援のためドネーションディナーを開催。寄付金をマウイ島へ届けた様子など、ゼットン流の復興支援についてお届けします。
公開日:2023.11.28
アロハ!ヒロヨです。
2023年8月8日にマウイ島西部にある歴史的な街、ラハイナを山火事が襲いました。これまでに100人の死亡者が確認されるなど、壊滅的な被害を受けたラハイナの街は一変。現在は復興に向けて少しずつ動き出しています。そんな中、ハワイで数々の人気レストランを運営するZETTON, INC.(以下ゼットン)では、被災したマウイ島支援のためドネーション(寄付)ディナーを開催し、総額$40,224をマウイフードバンクへ寄付を行いました。
今回はドネーションディナーの様子や寄付金を届けた際のマウイ島の様子などを「ナチュール・ワイキキ(natuRe waikiki)」のエグゼクティブシェフ、小川苗さんと「アロハテーブル・ワイキキ(Aloha Table Waikiki)」のジェネラルマネージャーを務める比嘉麻里子さんにインタビューしてきました。
比嘉麻里子/Mariko Higa(左)、小川苗/Nae Ogawa(右)
比嘉麻里子
2020年に「地喰(ジグ)」のアシスタント・マネージャーとして、ゼットンに入社。2023年2月からは、アロハテーブル・ワイキキのジェネラル・マネージャーを務める。小川苗
1992年生まれ。服部栄養専門学校を卒業後、「NARISAWA」(東京)ヘ就職。その後、ニューヨーク、パリのレストランで経験を積み、ハワイへ。35歳以下の若手料理人の発掘・応援を目的とした日本最大級の料理人コンペティションであるRED U-35 2019では、GOLD EGGおよび岸朝子賞、滝久雄賞を受賞。
ゼットンが運営するレストラン8店舗でドネーションディナー
───アロハ!なえさんとまりこさんはゼットンで開催したドネーションディナーで企画や実施、寄付金を届けるところまで関わられましたが、このドネーションディナーはいつ頃開催されたのでしょうか?
まりこさん:火災があってすぐに何かサポートできることをやろうということになり、そこからドネーションディナーを企画したり、寄付先を決めたりして実施したのは9月末です。
なえさん:ゼットンの8店舗あるレストランで4日間実施したのですが、月曜日はアロハテーブルとヘブンリー火曜日は…、という感じでローテーションして、ディナーの売上げのすべてを寄付することにしました。
───お客様にはどのように告知をされたのでしょうか?
まりこさん:SNSで告知をしたり、各店舗でポップを作ったりしてご案内させていただきました。あとは、着席された際にドネーションディナーを実施している旨を説明させていただいたり。お客様の中には、ぜひ寄付して欲しいと、お食事代とは別にお金を置いていかれる方もいらっしゃったんです。ローカルの方も旅行者の方も、一緒にマウイ島をサポートしたいという気持ちがすごく感じられましたね。
───寄附金額が$40,224ということで、かなり多くの方がディナーを利用されたんですね。
なえさん:ナチュール・ワイキキではドネーションディナー用にマウイ島の食材を使ったスペシャルコースを作ったのですが、ほぼ満席でした。マウイ島の鹿肉やパイナップルなどを使ったコースで、被災された方々はもちろん、農家の方々も応援したくてこのようなコースを用意しました。
───そうですね。ラハイナだけでなく、マウイ島全体のコミュニティや経済への影響も大きいですよね。今回の寄付活動を実際に行ってみて、どのような感想をお持ちになりましたか?
まりこさん:個人的に3、4年前にマウイ島へ行ったことがあるのですが、綺麗なラハイナの街が火事になったニュースを見た時は本当にショックで…。私は元々沖縄出身なんですけど、首里城の火災のニュースを見た時と同じ感覚になったというか。その時もたくさんの方が寄付やサポートをしてくれて、ありがたいなと思った気持ちがあったので、会社を通して今回このような活動に参加できて、本当に良かったなと思っています。
なえさん:私は、ナチュール・ワイキキのコンセプトが地球環境に優しくであったり、ローカルコミュニティのサポートだったりするので、今回の火事のニュースを見た時、自分たちで一体何ができるかを考えさせられました。スペシャルコースを作ることで、寄付に加えて地元の農家の方々を支援する2つのナチュール・ワイキキらしい復興への支援活動ができたと思っています。
たくさんの人の気持ちが込もった寄付金を届けにマウイ島へ
───寄付金は10月にマウイ島へ行かれて直接届けられたそうですね。
なえさん:はい、私たちとほかの店舗のスタッフ3名の計5名で、マウイ島へ行ってきました。気持ちが込もったお金なので送金などではなく、直接手渡ししたいという気持ちが強くて…。出迎えてくれたマウイフードバンクのスタッフの方は、すごく感謝してくれてそれぞれの想いを伝えてくださって、感動しましたね。
まりこさん:ちょっとうるっとする瞬間もありました。実際に相手の顔を見て、寄付金を届けたからこそ得られた感情だったと思います。いい経験をさせてもらいました。
───寄付後は、マウイ島でどのように過ごされたのですか?
なえさん:マウイ島の観光業が再開したとはいえ、やはりまだ、ラハイナの方へは行かないほうがいいだろうということになり、キヘイを中心にハレアカラの近くの牧場を見学したり、レストランで使用する食材を探したりしていました。
まりこさん:私はアロハテーブルで扱っているマウイ島のお酒の製造工程を見学しました。どういう風に作られてるかというのは、自分の目で見てみないとわからない部分もあったので、いい勉強になりましたね、新しい発見も多かったです。オアフ島に戻ってから、製造方法や特徴はこうなんだよ、と体験してきた情報をほかのスタッフとシェアすることで、お客様へのサービスにも役立てられますよね。
───ちなみに今回の旅で出会った新しい食材はありますか?
なえさん:柿ですね。
───柿ですか?オレンジ色の?ハワイで育つんですね!
なえさん:はい。日本と同じような柿です。オアフ島では育たないようなんですが、マウイ島の山の方だと標高が高くて育つんですね。甘みのあるマウイ島産の柿で、ホリデーメニューに取り入れようかなと思っています。
───柿は意外でした。そのほか、何か印象的な出来事はありましたか。
まりこさん:以前ナチュール・ワイキキで食事をして、料理に感銘を受けて修行したいということで3日間ナチュール・ワイキキでトレーニングを受けたマウイ島のシェフがいるんですね。それで、今回の旅が決まった時になえが連絡してみたら、彼女のレストランで食事をすることになったんです。ナチュール・ワイキキでインスパイアを受けてこういう料理を作りました、とかいろいろお料理の説明やおもてなしをしてくれて、ご縁が繋がってすごいなぁって。
───えー! それはトレーニングをしたなえさんにとってもうれしい体験ですよね。
なえさん:あの時頑張っていた彼女がこんな料理を作るようになり、若くてすごくやる気のある子だったので、さらに成長しておもてなしまでしてくれて本当にうれしかったです!
食を通して、自然環境も含めた地域貢献を
───新たなマウイ島での繋がりがまたひとつ増えましたね。今後は食材の仕入れなどを通してマウイ島のサポートを継続される予定ですか?
なえさん:そうですね。今回、マウイヌイというマウイ島の鹿も見てきました。持続可能な手段で、USDAの厳しい検査のもと野生鹿を捕獲していて、ナチュール・ワイキキでは以前から仕入れていたんですが、まだハワイでは馴染みのない食材だと思います。実は鹿の獣害による被害が深刻化していて、問題になっているんです。
まりこさん:鹿の繁殖力が強くて数が増加し、農作物を食べてしまったり草を食べ尽くしたりして、それが影響して雨が降ったら土砂崩れが発生して、漁師さんの漁場に土が流れ込んで魚が捕れなくなったり、生態系の悪循環が生まれているそうです。
なえさん:その土地の自然保護のことも考えながら食材を選んで、今後も食を通してマウイ島をサポートできたらいいなと思っています。
まりこさん:アロハテーブルでも、パウ・ウォッカやフィッド・ストリート・ジン、ウィスキーのパニオロなどのマウイ島のお酒を取り扱っていて、今後もできるだけマウイ島の商品を取り入れていくことで支援していきたいです。
───なるほど、飲食店ならではのサポートですね。まだ知られざるマウイ島のグルメを私も試してみたいです。そして、ラハイナがまた以前のような活気のある街に戻って、マウイ島全体が元気になる日を願っています。本日はどうもありがとうございました。
寄付だけでなく、マウイ島産の食材をできるだけ使うことで復興活動を支援するゼットン流の取り組み。マウイ島だけでなく、今後も地域貢献に繋がるいろいろなゼットンの活動に注目です!
アロハテーブル・ワイキキ
- 住所
- 2238 Lauula St 2F, Honolulu, HI 96815
- 電話番号
- 808-922-2221 日本語OK
- この記事をあとでまた
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