メレを旅するハワイ〜ハワイアンの聖地ヘルモア
文筆家、フラナビゲーターであるよしみだいすけさんが、メレを旅するハワイをテーマにしたコラム。今回はワイキキのヘルモアについてご紹介。
公開日:2024.03.08
メレ(うた)を旅するハワイ
第七十二回:「メレを旅するハワイ〜ヘルモア」
Aloha from Mānoa!
ハワイ旅行を心待ちにしているフラダンサーに提案します。
次のハワイではメレ旅に出かけよう!「メレ旅」とは、メレ(フラソング)に歌われた景色を探す旅です。
メレには、ハワイの人が愛するいろいろな土地のことが歌われています。それぞれの島にちらばるそんな場所を訪れる「メレ旅」が、フラダンサーのハワイ旅行をより有意義なものにしてくれます。今回も前回に続き、オアフ島ワイキキのメレ旅です。
上の動画でハワイのケイキ・フラダンサーが踊っているのは「Hanohano Helumoa」という曲。
この歌がたたえるのは、ワイキキにある伝説と歴史に深く関わる場所「ヘルモア」です。
Hanohano Helumoa i ka lawe mālie
A ke ahe lau makani e holunape mau nei
(Hanohano Helumoa by Manu Boyd)ヘルモアは特別、穏やかに運ばれる
そよ風が葉をサラサラ鳴らす地ヘルモアという名前にピンと来ないあなたも、ロイヤル・ハワイアン・センターとロイヤル・ハワイアン・ホテルはわかりますよね。ワイキキの中心に位置するあのエリアが、何世紀も前から「ヘルモア」と呼ばれたハワイアンの聖地なんです。
ワイキキがじつはパワースポットだらけなのを知っていますか?
特別なパワーに包まれた場所だからこそ、人を惹きつける観光地になったのかもしれません。
ワイキキの「ヘルモア」もそのひとつ。「ヘルモア」とはザ・ロイヤル・ハワイアンがある土地の昔の呼び名で、「ニワトリの引っかき傷」という意味。この地名の由来になった、神税的な鳥の伝説があるんです。
何世紀も前のオアフ島の王カクヒヘヴァのころから、ヘルモア周辺は王族が好んで住んだ土地で、かのカメハメハ大王もお気に入りだったそう。
かつてはヘイアウもあったこの聖地は、ひときわ高い何千ものヤシの木に囲まれていました。現在もその名残のヤシがザ・ロイヤル・ハワイアンの中庭に立って風に吹かれています。
ヘルモアの歴史についての動画
「Hanohano Helumoa」の歌の中で、もう一つの聖地が歌われています。
その聖地の名前は「カヴェヘヴェヘ」。
Ka moani ʻaʻala o Kawehewehe
Līpoa i milia i ka ʻehu o ke kai
(Hanohano Helumoa by Manu Boyd)カヴェヘヴェへの芳しい風
リポアが波飛沫に抱かれる「Wai(水)kīkī(湧き出す)」
その名のとおりに水が今も湧き出しているところがあります。ヘルモアのすぐ近く、現在のハレクラニとシュラトン・ワイキキが隣り合う海辺がそこ。かつてヒーラーが人々の病や怪我を癒やしたヒーリング・スポットだったと伝えられる場所。リポアと呼ばれる海草でレイを作り、それを首にかけて海に入り頭まで潜るという、「禊」のようなことをして病や罪の原因を体から取り出したといいます。
「カヴェヘヴェへ」と呼ばれるこの海辺は、この付近だけリーフがありません。海の色が周りより薄いミルキーな水色です。ここにウミガメがよく現れます。
地下から湧き出す淡水と海水が混ざるこの場所には、ヒーラーとウミガメを引き寄せた特別な何かがあるのでしょうね。
次にワイキキを訪れるときには、今回紹介した場所を訪れてみてくださいね。
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ハワイからのライブ配信もお楽しみに。
よしみだいすけ
Daisuke Yoshimi
文筆家、フラナビゲーター
ハワイ州観光局アロハプログラム講師、フラやハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・講演活動を行う。●著書
たくさんのメレから集めた言葉たち(1〜4)
メレ旅(上下巻)
Live Aloha アロハに生きるハワイアンの教え
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