メレを旅するハワイ〜オアフ島最果ての地カエナ
文筆家、フラナビゲーターであるよしみだいすけさんが、メレを旅するハワイをテーマにしたコラム。今回のメレのテーマはオアフ島の西端にあるカエナ岬です。
公開日:2024.09.05
メレ(うた)を旅するハワイ
第七十八回:「メレを旅するハワイ~オアフ島カエナ」
Aloha from Mānoa!
ハワイ旅行を心待ちにしているフラダンサーに提案します。
次のハワイではメレ旅に出かけよう!「メレ旅」とは、メレ(フラソング)に歌われた景色を探す旅です。
メレには、ハワイの人が愛するいろいろな土地のことが歌われています。それぞれの島にちらばるそんな場所を訪れる「メレ旅」が、フラダンサーのハワイ旅行をより有意義なものにしてくれます。今回はオアフ島最果ての地、カエナへのメレ旅です。
上の動画でフラダンサー Nani Dudoitさんがホオケナの演奏に合わせて踊っているのは「Kaʻena」という曲。
この歌の舞台はオアフ島の西端にあるカエナ岬。
こんな歌い出しです。
Aia i Kaʻena kuʻu lei momi
I ka hoʻopulu ʻia e ka huna kai
(Samuel K. Halstead)カエナに、私の真珠のレイ
濡れる、波しぶきにもともと「Kuʻu Lei Momi」という曲名だったこの歌が書かれたのは20世紀初頭。1980年代ブラザーズ・カジメロのレコーディングで広く踊られるようになりました。
カエナってどんな場所?
ハワイに来たことがあっても、カエナ岬には行ったことがない、というのが大多数でしょう。
オアフ島の西端にあるカエナ岬はまさに島の最果て。北岸・西岸どちらから行くにしても、道路の行き止まりから1時間以上トレイルを歩くことになります。乾燥地帯のこの辺りは、日中は日差しも強く木陰もないので、かなりキツいです。
歩いても歩いても、岬の先端が前へ伸びていくような気がしてきます。
そんなカエナ岬が「Kalena Kai」というメレにも歌われています。
こちらは1985年のメリー・モナークからレトロなフラ動画、アウアナ部門で優勝したクムフラ、ダレル・ルペヌイ率いるチームが踊る「Kalena Kai」です。
※2:16から https://youtu.be/puDk2lUeNj4?si=LlZfe7CPZIMhMMyJ&t=136
ʻO ka lae ʻo Kaʻena kaʻa ma mua
Kū ana Puʻukoa me Puʻuhulu
(Traditional)カエナの岬が前方に伸びていく
そこに立つのはプウコアとプウフルヘトヘトになってたどり着いたカエナ岬の先端で振り返れば、そこはワイアナエ山脈の始まり。山の左側がオアフ島北岸のモクレイア〜ハレイワへ続く海岸線、右側がオアフ島西岸のワイアナエへ続く海岸線。
カエナはハワイの聖地です。野鳥保護区になっているからだけではありません。死者の魂はここから飛び立つと信じられていたのです。
また、ペレ&ヒイアカ神話やライエイカワイ伝説など、ハワイ神話の舞台としても語り継がれています。
聖地カエナ岬の美しい景色のなかで過ごす休日が描かれるメレがあります。
2011年にリリースされたマイラニのオリジナル曲「Lā Kahakai」です。
Kau ka haliʻa
Mālie o Kaʻena
Uluwehi nā pua ʻōhai
ʻŌlinolino i ka lā
(Mailani)思い出が蘇る
カエナの穏やかさ
茂っているオハイの花々
太陽に照らされてここに歌われたカエナ岬で咲き乱れているオハイってどんな姿なんだろう?
そう興味を持った知的好奇心にあふれるフラダンサーは、ぜひ次のハワイ旅行でカエナを訪れてみてください。
ぼくが10年くらい前に探しに行ったときは、岬の先端で咲くオハイと、岬にかかる虹にも出会うことができました。現実世界と神話世界が交錯する、スピリチュアルなハワイにどっぷりと浸れる場所でした。
だいすけのインスタをフォローして、フラ&ハワイの勉強をしよう!
ハワイからのライブ配信もお楽しみに。
よしみだいすけ
Daisuke Yoshimi
文筆家、フラナビゲーター
ハワイ州観光局アロハプログラム講師、フラやハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・講演活動を行う。●著書
たくさんのメレから集めた言葉たち(1〜4)
メレ旅(上下巻)
Live Aloha アロハに生きるハワイアンの教え
- この記事をあとでまた
みたい場合は、
マイページにクリップ!