アロハ! ユウリです。
第二次世界大戦から湾岸戦争にかけて活躍し、現在はパールハーバーの入江に係留されている「戦艦ミズーリ」。船の甲板で日本の降伏文書調印式が行われ、日本と深い関わりのある戦艦です。
そんな戦艦ミズーリ記念館で、日本語で行われる2つの新ツアーがスタート。
戦艦の中を巡る機関長ツアーと艦長ツアーに参加してきました。
機関長ツアーと艦長ツアーについて
まずは、ツアーの料金や所要時間など、基本情報をご紹介しますね。
日本語のツアーは、定員が決まっているほか、参加できる人数に限りがあるため、オンラインで事前予約をお忘れなく。
【機関長(チーフエンジニア)ツアー】
●所要時間:60分
●ツアー開始時間:9:30
●参加料金:入館料プラス$32
詳細はこちら>>>
【艦長(キャプテン)ツアー】
●所要時間:45分
●ツアー開始時間:10:45
●ツアー料金:入館料にプラス$32
詳細はこちら>>>※どちらのツアーも、急な階段があるため、つま先の隠れた靴で参加してください。また、動きやすいパンツスタイルがおすすめです。
【アクセス】
パールハーバービジターセンターには、タクシーやUber、ザ・バスでアクセスが可能。
ザ・バスの場合は、クヒオ通り+シーサイド通りのバス停から20番のバスに約1時間30分乗車し、アリゾナメモリアルのバス停で下車してください。
以前行っていた90分間の探検家ツアーでもエンジンルームやボイラー室などが公開されていましたが、2つのツアーに分けることによって、各スポットをより詳しく学べるようになったのだそう。さらに、探検家ツアーにはなかった見どころもあり、戦艦ミズーリに来たことがある方、探検家ツアーに参加したことがある方でも楽しめる内容になっているそうです。
パールハーバービジターセンターからシャトルバスに乗車して戦艦ミズーリへ。チケットカウンターで、予約票を提示し、リストバンドを受け取ってください。
エントランスで予約票のQRコードをかざして入場し、その後船上のカウンターでリストバンドを提示。カウンターではお水がもらえるので、ツアー後に受け取ってくださいね。
機関長(チーフエンジニア)ツアー
まずは9:30〜の機関長ツアー。船の中に入ってすぐの上級士官食堂が集合場所です。
今回は、日本語ツアーガイドのエミさんが案内をしてくださりました。
機関長室
ボイラーなどへ行く前に、ツアーの集合場所でもあった上級士官食堂をはじめ、船員たちが暮らしていた空間、機関長室をエミさんのお話を聞きながら巡ります。
機関長室には、昨年亡くなった元機関長、ローレンス・ドーング氏の写真が飾られていました。
ブロードウェイ
階段を降りて、ブロードウェイへ。艦首の第二砲塔と艦尾の第三砲塔を結ぶ長ーい通路です。
通路の終わりの方を見ると、なんだか鏡を見ているような不思議な感覚になるほど長い…!外から見ても大きな戦艦ですが、ブロードウェイに来てさらにその大きさを実感しました。
天井には重いものを吊り下げて運ぶために使われたレールがあり、通路の左右には電気の装置をはじめ緊急時の脱出通路なども。
細かな部分までエミさんが説明してくださったのですが、緊急時に備えてたくさんの工夫が凝らされているのが印象的で、船員の方が命がけで勤務していたのが伝わってきました。
ボイラー室
さらに階段を降りて、ボイラー室へ。戦艦ミズーリの心臓部分で、汲み上げた海水をどのように蒸気に変えて船の原動力にしていたのかを学びます。
メカニック系の知識が全くない私に理解できるか不安でしたが…心配は無用。
エミさんの解説がとってもわかりやすく、質問にも丁寧に答えてくれたので、知識ゼロの私でも理解することができました。機関室
その後、プロペラ動力の仕組みが学べる機関室へ。
戦艦ミズーリの最高速度は時速約62kmほど。こんなに大きくて重たい船が水の上に浮いているだけでも不思議なのに、このスピードで動くって、すごいですよね。
射撃管制室
射撃管制室は、16インチ砲と5インチ砲を操作していた場所です。
ズラーっと並ぶ機械やコンピューター。アナログですが、かなり正確に発砲できるのだそう。
主砲の引き金もあり、実際に手に持って引くこともできますよ。まさか手持ち銃のようなトリガーで発砲していたなんて、びっくりです。
艦長(キャプテン)ツアー
続いて10:45〜の艦長ツアー。機関長ツアーと同様に、上級士官食堂が集合場所です。
案内してくださるのは、日本語ガイドのアツシさん。
ラジオセントラル
ラジオセントラルは、洋上での安全確保など航海に必要なコミュニケーションを提供する無線通信室。歴史的な通信システムがずらりと並んでいます。
船の進行方向や作戦の計画といった機密情報を取り扱うため、入室できる船員も限られていたそうです。
「JAPAN HAS SURRENDERED CEASE OFFENSIVE ACTION(日本が降伏した 攻撃を停止)」と、1945年8月15日に日本が降伏した際の通信記録もありました。
艦長室(インポートキャビン)
こちらは艦長室。大きなダイニングテーブルやソファー、デスク、寝室があり豪華な空間で、ハリー・トルーマン大統領といった要人をもてなす際にも使われたそうです。
歴代艦長たちの写真も飾られていましたよ。
戦闘指揮所
戦闘指揮所は、兵器を操作する場所です。湾岸戦争の際に発射された近代兵器、トマホークの操作機器もありました。
「実際はもっと暗い照明の中で作業していたんですよ」というアツシさん。当時の照明を再現してみると、本当に暗い…!
灯りが漏れて敵に船の居場所が知られないように、夜に外へ出た時に目が暗闇にちゃんと慣れているように…といった理由があるそうですが、こんなに暗い中で重要な任務を行うなんて、想像がつきません…!
砲塔内部
最後は砲塔内部へ。
狭い入り口からはしごを昇って入ります。
中はこんな感じ。主砲の内部まで見られるんです。
モニターで発砲された時の様子も見せていただきましたが、映像で見ただけでもその威力に圧倒されてしまいました。
こんな大砲を操っていたって、すごすぎる…。
ラジオセントラルからはじまり、戦闘指揮所、砲塔内など普段は見ることができないスポットを巡ることができ、貴重な体験になりました。今回ご紹介したふたつのツアーのほか、第二次世界大戦が正式に終了した降伏文書調印式の様子などが聞けるマイティ・モー ガイドツアーもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
最後に、船のデッキから。
戦いの始まりともなった日本軍からの攻撃を受けたアリゾナと、正式に終戦となった降伏文書調印式が行われた戦艦ミズーリ…こんなに近くにあるのに、その間にどれほどの犠牲があったかと思うと胸がギュッとなります。ツアーガイドさんの話を聞きながら実際に戦艦内部を巡ると、日本の授業とはまた違った視点で歴史が学べるので、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか? 貴重な体験になるはずです。
戦艦ミズーリ記念館
- 住所
- 63 Cowpens Street, Honolulu, HI 96818
- 電話番号
- 808-455-1600 (日本語OK)
- この記事をあとでまた
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