モロカイ島で長年にわたって行われていたミュールライドツアーが、ツアーを催行している土地の所有者から退去命令を受けたことが明らかになった。
モロカイ島のミュールライドツアーは、ミュールに乗りながらガイドと共に、標高1,600フィートの崖下にあるカラウパパ地区を訪問するツアーで、長年にわたって親しまれていた。
ツアーが行われている敷地を所有しているR.W.メイヤー社によると、ミュールライドツアーを催行しているカラウパパ・レア・アドベンチャーズ社との間で締結されていた土地の利用に関するリース契約は2017年1月31日に終了となっていたにもかかわらず、カラウパパ・レア・アドベンチャーズはツアーの催行を継続。カラウパパ・レア・アドベンチャーズ側は賃貸料の値上げや支払いを拒否しているほか、賠償責任保険などの手続きにも不備があり、ツアーを不当に継続して行うことで、土地を所有しているR.W.メイヤー社も訴訟のリスクにさらされているとしている。
R.W.メイヤー社では、2017年1月に賃貸料を月額$1,800から$3,000に引き上げたものの、カラウパパ・レア・アドベンチャーズは値上げ案に合意しなかったため、3月20日に正式な退去命令書が発令されていた。
モロカイ・ミュール・ライドの共同経営者であるカレフア・スプロートオーガスティロ氏は今回のR.Wメイヤー社の決定に対し「企業や団体がネイティブコミュニティから私たちを排除しようとする動きを見せるのは大変残念です。今回の問題は裁判できちんと判断してもらうことを楽しみにしています。今後も私たちは継続してツアーを行っていきます」とコメントしている。
いっぽう、R.W.メイヤー社のメイヤー氏は「私の曽祖父はカラウパパ国立歴史公園の最初の監督者でした。私たちは今後もカラウパパとモロカイ島の豊かな自然と歴史を人々と共有していくことのみを望んでいますが、それは、訪問者の人々の安全を確保し、弊社との間での約束を守り尊重することが大前提です」とコメント。すでに別の会社で同様のツアーの催行を行いたいという問い合わせがきているとしている。
参考:ハワイ・ニュース・ナウ