ハワイ州内で薬物過剰摂取による死亡者数が急増していることなどを受け、当局では、バーやレストランで、オピオイド系薬物の過剰摂取から命を守る緊急拮抗薬の「ナルカン」の常備を義務付ける案の導入を検討している。
「ナルカン」は、緊急時用のオピオイド解毒剤として知られている鼻腔用スプレーで、ホノルル市では、オピオイドの供給元から当局に支払われる和解金を活用し、より多くのバーやレストランにナルカンを配布する計画を進めている。
ホノルル市のダウンタウンでは先週、タイラー・ドス・サントス市議会議員とハワイ健康被害軽減センターの関係者が、一部のバーやレストランにナルカンを配布。レストラン関係者は「お客様がナルカンを必要とすることはないと思いますが、路上で過剰摂取事故が起こる可能性もあるので、できることなら協力したいと思っています」とコメントしている。
ハワイ健康被害軽減センターのマーケティング開発ディレクターである、アンドリュー・オガタ氏は「5月に318件のナルカンに関するリクエストをオンラインで受け取りましたが、6月にワイキキで集団過剰摂取事故が発生した後、その数は1,893人に急増しており、ナルカンのような過剰摂取から命を守る緊急拮抗薬を常備したいという市民の要望が高まっています」とコメント。現在、30台のナルカンを販売する自動販売機をオアフ島内に設置する計画が進めれており、一般向けとして無料で配布される見込みであるとしている。
参考:ハワイ・ニュース・ナウ