ハワイ州当局が発表した最新データで、ハワイ州内では昨年、動物用鎮静剤「キシラジン」の過剰摂取による死亡者が4名確認されていたことが明らかになった。
麻薬密売地域プログラムのエグゼクティブディレクターであるゲイリー・ヤブタ氏によると、2023年にオアフ島で3名、マウイ島で1名のキシラジンの過剰摂取による死亡者を確認。ハワイ州では2020年から2022年にはキシラジン関連の死亡例は確認されておらず、今後、キシラジンの過剰摂取による死亡者が増加する可能性があるとして警鐘を鳴らしている。
キシラジンは、動物用の薬として米食品医薬品局(FDA)に認可されているものの、近年、麻薬の効果を増強する目的でフェンタニルと一緒に取り扱われるケースが増加。米国で問題となっている違法薬物のオピオイドの解毒剤であるナロキソンやナルカンはキシラジンには作用しないため、麻薬取締局(DEA)長官は2022年に「キシラジンはわが国がこれまで直面した中で最も致命的な薬物の脅威であるフェンタニルをさらに危険なものにしている」とコメントしている。
なお、当局のデータによると、州内で確認されている違法薬物の過剰摂取による死亡者数は、2021年には48人だったものの、2022年には79人に急増。2023年上半期だけでオアフ島では32人の過剰摂取による死亡者が確認されており、ハワイ州では違法薬物の過剰摂取による死亡者数が増加傾向となっている。
参考:ハワイ・ニュース・ナウ